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「彼女の存在が父にバレる」辻家の人々 第25話/文:辻ヤスシ

レジェンドプロ野球選手、その息子から見た家族の肖像。辻発彦の子として育った筆者・辻ヤスシが描く自伝的小説!第25話!

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---では、本編をお楽しみください---


辻家の人々 第25話
「彼女の存在が父にバレる」


ある日の夜。

珍しく父親と2人で食卓を囲んでいた。しかし、家族団らん…という雰囲気は全く無く、許されるならば逃げ出したくなるような重い空気だった。

重い空気の原因は、僕の恋愛事情にある。

僕の二軍落ちを救ってくれたクラスメイトのOさん。
あの日、Oさんは牛乳プリンを僕にくれた。それをきっかけに、僕たちの間には会話が劇的に増え、気が付けば毎日のようにメールをするような仲にまで発展していた。

野球に熱血な高校球児とはいえ、中身は普通の男子高校生である。恋愛したい、彼女が欲しい、エッチなこともしたい、そう思ってしまうのは自然なことだろう。

Oさんと親しくなるにつれ、その気持ちは爆発寸前にまで膨らんでいた。そして、ついにその気持ちを抑えられなくなった。

ある日の昼休み、生徒がほぼ来ない校舎の7階へとOさんを呼び出し、意を決して「付き合ってほしい」と告げた。

「よろしくお願いします」

彼女は受け入れてくれた。自分から告白したのは人生でこれが初めて。最高の結果に天にも昇る気持ちになりかけていた…その刹那、

『ガチャッ』

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