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元幹部再雇用じいさんの取り扱いについて

割と偉めな幹部が定年を迎え、契約社員として再雇用された。当然役職もなくなり部下もいないのだが、幹部時代の振る舞いが全く抜けず、とんでもなく偉そうなパートのじいさん爆誕状態である。わたしはこの『元幹部再雇用じいさん』の世話係となり、日々頭痛薬を飲みながら騙し騙し働いている。正直、1時間に100回は仕事を辞めたくなるし、だまれクソジジイ!おうち帰って孫と遊んでな!という心の叫びが口から漏れるのも時間の問題。あ、殺意ってこのことか、と新たな感情にも出逢えた今日この頃であるが、いても数年のクソジジイのために、自分のキャリアを棒に振るなんて愚かすぎる。

そして思った。この状況になっているサラリーマンはもしかして私だけではないのでは?と。この日本にある無数の中小企業で同じ苦しみを味わっている仲間がいるのでは無いか?と。だからここに記録を残すことにした。どうか、1人でも多くの仲間にこの叫びが届きますように。そして世界が定年とは何かを考え直してくれますように。

女性社員は女の子

今どき女性社員の事を女の子と呼ぶなんて信じられるだろうか?思っているだけならまだしも、普通に口から出すから驚く。例えば取引先の女性営業が地方に転勤になり挨拶にくると『女の子なのに?すごいな』という具合である。ジジイの中で女の子は結婚し妊娠し主婦となるまたは、パートで軽めに働く生き物らしい。確かにそういう選択肢もあるが、現代ではかなり少数派だ。性別に関係なくガッツリ働く人は働くし、子どもを産んでも育休明けは正社員で戻ってくる人の方が多い。普通に社内を見渡せば分かるはずなのに、昭和で思考が止まっているらしい。思い込みって怖い。女性というだけで一方的にどうせ辞める人という扱いをされ、こうゆうクソジジイの部署に入ってしまった女性社員は、女性というだけで重要な仕事を回してもらえない、昇格させてもらえない。年下でキャリアも少ない男性社員に全ての仕事がまわり出世してゆく。そういう事を当事者が訴えたところで、そこはしっかり『性別ではなく仕事の力量で判断している』とか言われてしまうのだ。そうやってモチベーションが削られ続けた女性社員が辞めると、また『女の子はすぐ辞める』と言う。辞めるべきはお前や。


収納が足りない

役員や幹部は、大抵自分だけの部屋や島の中でも誕生日席を与えられている生き物だ。一般社員より広いデスクや収納には資料がぎっしり入っている。紙で。そう、昭和の幹部は紙が大好き。今では会議も殆どオンラインだし資料もデータ化されているのに、全部印刷しないと気が済まないらしい。その席を奪われ、平社員と同じ島の中に入れられたじいさんは、とにかく収納が足りない。こんなんじゃ仕事にならない!とキレ散らかし、仕方なく与えられた専用の書棚に、絶対に誰も2度と必要としないであろう大昔の会議資料やなんだか分からないファイルをぎゅうぎゅうに詰めてご満悦である。

ある日、私が顧客対応に追われてバタバタしていると、じいさんが『君は犬は好きか?』とたずねてくる。『はぁ、犬ですか?まあ好きですね』と答えると、引き出しからA4サイズのファイルを一冊取り出して開いてみせた。そこには拡大コピーされた芝犬の画像。『かわいいだろう?うちの犬なんだ』犬かよ!そこの引き出しに入れてるの犬かよ!だから収納足りなくなるんじゃん!そんで、なんで今だよ!という怒りを噛み殺し『賢そうなワンちゃんですねー』と抑揚ゼロの声で答えた。

滑り続ける昭和ギャグ

基本自分がじじいという事を分かっていないので、おそらく20代くらいの頃にデスクでちょっとした笑いが取れたのであろう昭和的笑いを強要してくる。例えば20代女性社員と30代女性社員が話していると、30代に向かって、オバサンオバサンと話しかける。この場合、昭和だったら、と言うか相手が同世代だったら『ちょっとぉ、ひどぉい!まだおばさんじゃないもーん。◯◯君だっておじさんじゃーん』のような、昭和的ひとわらいが起こるのかもしれない。しかし、時は令和。妙齢女性にオバさんと言うなんてどセクハラである。ジジイ意外全員が凍りつきピリッとた空気に。被害者であるにも関わらず『そうですね、もう若くはないですから‥』とニコッと笑って大人の対応をする30代女性社員。死ねばいいのに!

むかーしむかしのことじゃった

マーケティング部が打ち合わせをしていると、暇を持て余したじいさんが突然参加してくる。ひと通り説明を聞いたところで『あのさぁ、俺学生時代にマーケティング研究会に入ってたから分かるんだけどさ…』とはじまる。いや、お前が学生の時って40年前よな?今WEB広告の打ち合わせ中だけど、その時代ってメールもないよな?何しに来た?空気を読んだ若手が『さすがですねー』とヨイショして御満悦だが、誰ひとり笑っていない。邪魔だ!邪魔すぎる!味をしめたのか、実は俺の息子が◯通で働いていたことがあって、もしアレなら口聞いてやるけど?あと息子の嫁が◯大でてるんだけど…。モシアレジャナイDeath。

Zoom は絶対にカメラオフ

オンライン会議でもたつくのは仕方ない。おじいちゃんだしね。入室できない!だの声が聞こえない!だの、毎回わーわーなるので横について会議に無事参加できるまで見届ける仕事が発生する。めんどくせえ。無理して参加すんなや、という気持ちは腹の底に沈めて、粛々とセッティングしてやる。あるとき、うわっ!というジジイの悲鳴が聞こえるのでモニターをみると、そこには鏡のごとくジジイの顔が映っている。『これ、俺?え?こんな老けてたっけ?』と、大分ショックを受けている様子。まんまですけど?なんなら実物より若めですけど。化粧をしないから鏡で自分の顔をマジマジと見る事がないんでしょうね。『誰だよこんな必要のない機能つけて!』とはじまるので、カメラをオフにしてやると、正気を取り戻した様子。逆にどのくらいの見た目だと思って生きてんの?現実、しっかり見てください。

素敵なおじいちゃんもいます!

上記のエピソードは、完全に特定の人物を思い浮かべて書き上げた。でも、わたしは再雇用に反対する立場ではない。たとえばクソジジイと同世代の方だって、とっても素敵な方もいる。偉そうにふんぞり変えるのではなく、キャリアがあるからこそ気づける若手のミスを指摘してくれたり、俺時間あるからやってあげるよ!と気持ちよく現役世代をフォローしてくれたり。そうゆう働き方こそ、正しい姿ではなかろうか。現役世代に張り合い、俺はこれだけすごいんだぞ!敬え!と言う態度で、決まった仕事もなくウロウロしているそこの貴方!嫌われてますよ!どうせ家帰ってもやる事無くて仕事辞めれないんでしょうけど!そんでこうゆう記事見たって全く当事者意識持たないでょうけど!

クソジジイチェックリスト

  • 着座姿勢が床面と平行になるレベルで踏ん反り返っている

  • 女の子、オバさん、熟女…など女性を年齢で呼び分けるのが大好き

  • 自分は若いと本気で思っている

  • Amazonでネット通販する事をかっこいいと思っている

  • 若手に憧れられている中堅社員や役職者がいるとすかさず『あいつは元々俺の部下だった。俺が育てた』発言

  • 俺の息子は◯大卒、◯◯勤務の話しがしたすぎる

  • 相手が自分を褒めるまで話し続ける

  • 雑用は全て人がやってくれると思っている

  • 俺は会社にとって欠かせない人材なので辞めたくても辞めれないと思っている

  • デスクワークとはiPadで動画を見る事

  • 使えもしないのに自分のPCやスマホが新しくないと嫌だ

  • ネット広告やメルマガにすぐ踊らされる

  • とにかく敬われたい。バカにする発言をすると一生許さない

  • 自分以外は全員馬鹿だと思っている

キリがないので終わりにします。どうか世界が、日本が、会社が、再雇用の定義を見直し、これ以上無駄なストレスを抱える現役世代が増えませんように。定年とは何か?労働とは何か?いま一度ご検討いただきたく!





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