農家志望東北大生が考える農業

東北大学農学部(応用生物化学科) 2022年卒 全国の農家で研修中 愛媛・香川・千葉・…

農家志望東北大生が考える農業

東北大学農学部(応用生物化学科) 2022年卒 全国の農家で研修中 愛媛・香川・千葉・静岡・鹿児島(沖永良部島、志布志)・東京・山形・福島・宮城・北海道・福井・群馬 これまでの経験から得られた知見をnoteに書いていきます。 お薦めの農家・農業法人があれば是非教えてください!

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最近の記事

野菜の扱い方

 先日、東京の都心部に住む知り合いと会った際に、スーパーで買う野菜が美味しくないと聞きました。その理由として、店員さんが野菜の保存方法を十分に理解していないため、野菜の劣化が進んだのかもしれないと話していました。 確かに、野菜のみならず果物なども収穫後適切な処理をしないと味が落ちたり見た目が悪くなったりしてしまいます。そこで、野菜を扱うときに気をつけて欲しい内容をまとめました。  よく知られている話しだと、ほうれん草などの緑黄色野菜は収穫後にクロロフィルの分解が起こり、黄色

    • 稲作農家について学びたい方へ

       先日、大学の他学部の知り合いが稲作農家に興味があるので、何かお薦めの本はないかと聞かれた際に紹介した本を、このnoteでも紹介します。  本でいうと、誉田哲也の「幸せの条件」がお薦めです。2015年に発売された本ですが、既にAmazonでは1円から売られています。姫川玲子シリーズで有名な誉田哲也が書いた小説で、稲作農家の生活の様子を知ることが出来ます。内容としては、会社員の女性が稲作農家に住み込みで働くというものです。元々農家とは縁もゆかりもない女性から見た稲作農家の暮ら

      • 農家になろうと思ったきっかけ 3

         学部1年時に参加した子供食堂でのボランティアで農業に強い関心を抱くようになった私でしたが、次に農業の現場に足を運んだのは学部2年も終わりに近い春休みでした。というのも、学部1年時は陸上競技部に所属しており休日に農家でボランティアをしようとしてもなかなか時間が取れない事情がありました。また、当時の私は農家巡りは長期休みが適していると勝手に思い込んでおり、週末に通うことの出来る近場の農家を探そうとしていませんでした。学部3年になって仙台市内でも体験を受け入れてくれる農家の方がい

        • 農家になろうと思ったきっかけ 2

           山形県の大江町でモモ農家にお邪魔した私は半日の農業体験をしたうえで、午後には大学のある仙台に戻りました。大江町といえばかつては最上川舟運の中継地として栄えた場所で、近年ではドラマおしんのロケ地としても有名です。モモ農家での作業内容としては、ほとんどが収穫作業でした。 印象的だったこととしては、農家の方に「モモを持って帰っていい」と言っていただいたので、頂いた袋に詰めれるだけ詰めたのですが、その後に実はモモの代金として5000円かかることが判明しびっくりしました。農家の方の雰

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        • 農業法人でインターンシップ
          4本
        • 野菜の売り方
          3本

        記事

          農家になろうと思ったきっかけ 1

           農家になろうと思ったきっかけは沢山ありますが、そのうちの一つを紹介しようと思います。  高校を卒業後東北大学農学部に入学した私は当初、研究者になりたいと漠然と思っていました。高校生の時に参加したJICAが主催する青年海外協力隊の体験プログラムで世界の飢餓・貧困の状況を知り、その課題を解決するための方法として食糧の増産があると考え、大学では農学を専攻し食糧増産に向けた研究をしようと考えました。・・・というか、私はAOⅡ期という自己推薦入試を受験したためもっともらしい志望動機と

          農家になろうと思ったきっかけ 1

          農業関連NEWS

          面白い異業種連携(農業×衣服)の事例です。 JAぎふの産直施設で2500円以上買い物をすると、ユニクロで使えるエコバッグ引換券がもらえます。逆にユニクロで5000円以上買い物をするとJAぎふの産直施設で使える500分の商品券がもらえます。 ユニクロはユニクロアプリのダウンロード特典で5000円以上の買い物で使用できる500円offクーポンを配信するなど、このJAぎふとの取り組み以外でも5000円を一つの区切りにしていると思われます。5000円という金額はユニクロで服を3~

          農業法人でインターンをする方へ④

           今日も農業法人でインターンシップをする方向けの記事を書きます。農業法人でインターンシップをしようと思ったら、まず何をするでしょうか。  例えば求人サイトなどを使ってアルバイト・インターンシップの募集を確認するでしょうか。または日本農業法人協会の会員の農業法人から選び、直接連絡を取るでしょうか。私の場合は農学部の教授に相談し、お薦めの農業法人を教えてもらっていました。ただ、多くの方が選ぶ方法は求人サイトを使う方法でしょう。ここで、求人サイトを使う際には気を付けて欲しい点があり

          農業法人でインターンをする方へ④

          農業法人でインターンをする方へ③

           今日も農業法人でインターンシップをする方向けの記事を書こうと思います。これまでのテーマは『社長と話す』ことと『リスク管理』でした。今回は『地域とのつながり』について書こうと思います。  農業法人の規模にもよりますが、大規模になればなるほど都市部からは離れ郊外に位置する場合が多いです。そして出荷の形態も小売店や直売所というよりは契約栽培で食品関連企業は外食産業向けが一般的です。ここで見えてくることは、郊外に立地している農業法人では地域との関わりが少ないのではないかという懸念で

          農業法人でインターンをする方へ③

          農業法人でインターンをする方へ②

           今日も農業法人でインターンシップを検討している方のための記事を書こうと思います。  農業法人でインターンシップをする際に忘れがちですが大事なことがあります。それは作業内容の事前確認です。一般的なインターンシップでは事前に簡単な仕事内容しか教えていただけないことが多いのが現状です。しかし、農作業に危険はつきもの。基本的にはインターンシップ生はトラクターをはじめとした機械は操縦させてもらう機会が無いと思いますが、農業機械以外にも農業の現場には危険が沢山潜んでいます。その危険を事

          農業法人でインターンをする方へ②

          農業法人でインターンをする方へ①

           就農を希望する方の中には農業法人での就労を希望する方もいるかもしれません。  私はこれまで各地の農業法人でアルバイト・インターンシップを経験してきましたが、農業法人での研修の際に気をつけていたことについて書きます。  従業員数が100人に満たない環境では、社長の人柄や方針が現場に色濃く反映されがちです。社長が陽気な方だと現場も和気あいあいとしていますし、逆に口数が少なくいつも考え事をしているような社長であれば、現場の雰囲気はその分締まっています。これは農業法人に限らないこ

          農業法人でインターンをする方へ①

          東北大農学部の良いところ

          以前の記事で東北大農学部は“農業”に興味のある学生にはあまりお薦めできないと書きましたが、“農学”に興味のある学生には本当にお薦めできる大学です。そこで、お薦めできるところを書いてみようと思います。 ・生徒と教員の距離が近い 学部生が一学年150人と全国的に見ても農学部としては学生の数が少ないのが東北大農学部の特徴です。私はこれまで、人数が少ないことで損をした記憶は特になくむしろ得をしたと感じています。生徒が少ない分授業でも生徒は発言しやすいですし、アットホームな雰囲気

          東北大農学部の良いところ

          東北大農学部に向いている人

          農学部への興味 先日、嬉しい事に東北大学農学部に興味があるという高校生と話す機会がありました。その場で考えたことを書きたいと思います。  東北大学農学部に興味を持つきっかけは何でしょうか。例えば、キャンパスが新しい、圃場(川渡フィールドセンター)が充実している、比較的規模が小さい学部であるため生徒と教員の距離が近い、などでしょうか。  私も入学以前はキャンパスが新築であること以外はほとんど農学部については知りませんでした。高校生の時から“農学”というよりも“農業”に興味のあっ

          東北大農学部に向いている人

          長ネギのジレンマ

          長ネギの売り方  日本のスーパーマーケットでは基本的に野菜は袋に詰められた状態で売られています。その様な中で数少ない例外としてあげられるのが”長ネギ”です。長ネギは3~4本程度が束にされ、葉の先端部分と茎周辺をシールでとめるれているか、バラ売りが一般的ではないでしょうか。少なくとも私のまわりではこの売り方をよく目にします。  補足となりますが、Wikipediaによると””ネギの茎は下にある根から上1cmまでで、そこから上全部は葉になる。よって食材に用いられる白い部分も青い部

          中国のバラ売り事情

           日本におけるバラ売りの現状について前回の文章で書きました。今回は中国人留学生から聞いた中国のバラ売りの現状について簡単に書いていきます。前回の文章はこちら。 中国の産直市場 私と同じ大学の中国人留学生が育った中国南部地域では、市民が買い物をする場所は基本的に2箇所だそうです。 ①スーパーマーケット ②産直市場  この点については日本と同じですね。傾向としては①スーパーマーケットは比較的若い年齢層の人が、②産直市場は比較的高い層の人がそれぞれ利用しているようです。 ①スー

          バラ売りではダメですか?

          茄子農家 私は大学2年の春に約三週間程、茄子農家でアルバイトをしました。茄子農家を選んだ理由としては下記の2点があります。 ①ハウス栽培を経験してみたかったから ②アルバイトの期間が調度出荷時期と重なっており、出荷現場を見ることができるから  短い期間でしたが印象に残ったのでその点について書きたいと思います。 ※この文章のnoteへの投稿にあたり、アルバイトをさせて頂いた茄子農家さんより掲載許可を頂いています。 一日の半分以上が袋詰め作業 茄子農家さんの一日の流れ

          バラ売りではダメですか?

          学生のための農業体験 PBL授業

          学生の想い「農業を体験したい!」と考える学生は多いことでしょう。ライフスタイルが多様化する現代社会であれば尚更一般的な職業とは異なる“農業”に興味を持つ学生は多いはずです。  そんな学生にはどんどん農業を体験して欲しい。  ただそのきっかけをつかめないのが現状ではないでしょうか。 農業体験の選択肢 確かに「農業体験をしよう!」 と思っても何処に問い合わせて良いか分かりません。  私もかつて市役所に問い合わせたことがありましたが、「新規就農希望者向け」の情報はあるものの、「

          学生のための農業体験 PBL授業