「検察側の罪人」 雫井脩介

検察側の罪人は2年前にキムタクと二宮(嵐)のコンビで映画になりましたね。自分は小説を読んだ後に映画を見たわけですが、感想などを書こうと思います。

映画では特に最重要人物の結末が小説とは異なっています。小説では犯罪の落とし前をつけています。なので途中経過はともかく結論には納得、法の正義もギリギリ守られた感じです。私の好きな正義の弁護士も出てきます。映画は・・・ヤバいです、あり得ない(笑)。こんなことが許されるわけないですね(笑)。
ネット情報だと郷原信郎先生が法律アドバイザーだとか。ええ?本当かな。



以下はストーリーの導入部分のネタバレを含みます。



話は、2人の東京地検の検事を軸に展開します。
2人は先輩後輩で、キムタク検事(最上検事)と二宮検事(沖野検事)です。二宮の方が若手ゆえにピュアな人物設定です。

金銭がらみのよくある殺人事件が起きます。
キムタク検事は被害者と接点のあった容疑者の中に偶然、知った名前(容疑者M)を見つけます。昔、学生寮時代にキムタクがかわいがっていた少女がいたのですが、卒業後その子が殺されるという事件がありました。Mはその事件の容疑者で当時かなり怪しかったのですが、証拠不十分で不起訴、時効となっていました。

ここからキムタク検事はありえない行動をとります。
Mを犯罪者にするためのストーリーを作り上げ、後輩検事や刑事にそれとなく押し付けていきます。ところが途中でM以上に確かな犯人がでてきてしまいます。
そこでキムタク検事が考えた手段とは・・・

ここから先はさすがにこんな検事いないわ・・・みたいな話が展開していきます。
結末まで割愛します。

最初に書きましたが、結末は小説版の方がいいです。

何が正義なのか。

検察官に限らず自分が正義、みたいな主張する人は世の中にたくさんいますね。小説の最後に拘置所に入る方の言い分は気持ち的には分かりますが、法の正義は客観的でなければならない、と思った作品です。おもしろかったです。

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