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My Free Of Blacking
2020年3月18日 20:18
第1話 奴その黒光りする卑しいアームは、確かに僕の方を向いていた。マットブラックとメタリックブラックの中間のような妙に気持ち悪い黒と対比されるように噴き出す白い蒸気に、目を囚われ僕の全身は動くという事を忘れてしまった。奴のアームはなんとも言えない放射音を出す。どんな言語を用いても表せない複雑さと心底不快になるようなモスキー音を掛け合わせたような。とにかく、奴は僕に向かって放射したはずなのだ
2020年3月19日 16:41
第2話 計画者という男振り返ると、そこにはアルファ警団の外套を着た男が立っていた。男の雰囲気は野太い声から想像できるように、まさに古き良き親父のようであり、豪快に生えた無精髭に少しばかり懐かしさを感じた。ただここは、エリア5の地下である。もともとここは地下鉄という名の列車が走っていた場所であるが、今は奴のような無法者の巣となっている。最近はアンダーハウスと呼ばれる、地下高級住宅がどんどん建てら