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【時事】スイスのEU離脱

「EU非加盟のスイスが「EU離脱」を発表...一体どういうことか?」(日本版NEWSWEEK)
「Switzerland’s Brexit Moment」(GEORG E. RIEKELES)

スイスとEUで長らく続けてきた「制度的枠組み条約(IFA)」の締結交渉から離脱するとスイス政府が発表したことで、スイスとEUにおける関係性の大きな変化が起ころうとしている。

■何が問題でどんな影響があるのか
EUにとってはスイスとの経済関係がやや不穏になるが大きな痛手はない。
スイスは、将来的にEU単一市場へのアクセスが困難になれば、深刻な変化が起こる可能性がある。

現状、スイスはEU非加盟国でありながら、加盟国のようなメリットを享受している。シェンゲン協定に加盟し人の移動の自由を獲得し、輸送や研究開発などでEUにほぼ統合され、EU単一市場への完全なアクセスを得ている。
スイスの「タダ乗り」はそれらの経済面だけに留まらない。欧州経済地域(EEA)への不参加決定以来(1992年)、スイスの対EUスタンスは一貫して「外国の判事」はスイス国内の法律に口出しすべきではないとして、超国家的ルールを各国に均一に適用させようとするEUの方針とは衝突してきた。

■なぜIFA締結交渉は進まなかったのか
国家援助(特定の企業や製品に対する援助)に関する意見の不一致」「イギリスのブレグジット羨望」「移動の自由によりスイス国民の賃金水準や社会保障への悪影響が及ぶ可能性への反発」が大きな要因。

■スイスはどうなるのか
記事によれば、自らがEUから勝ち得ていた法外な特権を自覚せずにIFA締結交渉を中止してしまったスイスは、すぐにも経済的問題に直面するだろうとしている。医療機器、機械や化学製品でEU市場へのアクセスを失い、デカップリングが進めば、スイス側の損失は12億ユーロにも上ると推計されている。

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自分は欧州の歴史や経済に疎いので、スイスのEU離脱はイギリスのブレグジットより更に理解に苦しむ。どう考えてもEU側から受けてきた恩恵は易々と手放していいものに思えない。色々調べてみなければ、、等と思う。

スイスといえばステレオタイプなイメージだと、アルプス山脈等の大自然と「永世中立国家」「国際人道主義発祥の地」とかだろうか。中立・独立といった自国のアイデンティティとEUの理念がすり合わないのは、なんとなく分かる気がする。もしかしたら「直接民主制」を取っているが故に、割と短期的な国民の利益を重視する保護主義的な決断になるのだろうか。スイスにおけるポピュリズム的な思想や運動についても、興味が湧いてきた。

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