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自分の人生を肯定したいが、もっと楽な道もあった

自分の人生は、国立大学に入学するまでは順調だったように思うのでございます。

しかし、1校しか受験せずに現役合格したという成功体験が災いし、就職活動では失敗してしまいました。

あえなくブラック企業に入社し、4ヶ月で退職することになりました。

その後は、アルバイト、派遣社員、正社員と転職を繰り返しながらステップアップしましたが、会社員というものが肌に合わず、独立したのでございます。

会社を立ち上げて14年経ったところでエネルギーが枯渇し、再び就職して今に至ります。


この間に結婚もし、子供も3人生まれ、扶養家族4人を大黒柱として支えることになりました。

かつて会社員として働いていた頃との違いは家庭を持ったことであり、自分のためだけに働いているわけではありません。

それが今、会社員を続けられている理由であります。

振り返ってみると、まあまあ波瀾万丈の人生ではないかと思います。


今は出世は望めないポジションですが、ホワイト企業に就職でき、生活は安定しています。

しかし、多くの物は望めません。

持ち家も自動車も持てないままだろうし、子供が大学に進学するとなれば奨学金に頼ることになるでしょう。そんな暮らしです。


基本的に人間は自分の選択を肯定したいし、正当化したいものです。

何だかんだあって、今の安定した暮らしに落ち着いていますが、後悔もあります。

まずは新卒での就職活動にもっと力を入れていれば、今のホワイト企業のような会社に入れただろうし、楽な人生だっただろうと思います。

その後の転職でも、あるいは独立したことも、自分はあえて困難な道を選んできたように思うのでございます。

さらに言えば、結婚して家庭を持ったことも、人生を複雑化しました。


果たして、この人生で正しかったのでしょうか。

もっと楽な道もあったのではないか。

とはいえ、結局のところ、あれもこれも全て「他力」でございます。

自分の意思で選択しているように見えて、他力に選ばされてきました。

そして、この人生しか選ぶべき道はなかったのでございましょう。

そんなことを考えながら、自分の人生を受け入れて生きていこうと思うのです。

波乱万丈の人生を赤裸々に綴った自伝的エッセイ。筆者の自己省察は鋭く、時に辛辣だ。しかし、その批判の矛先は常に自身に向けられており、読者は共感と自省を促される。

「他力」という仏教的概念を用いて人生の偶然性を語る部分は秀逸。これにより、単なる個人の失敗談から普遍的な人生論へと昇華している。

一方で、現状への諦観が強すぎるきらいがある。「正しい人生」を問う姿勢は評価できるが、その答えを見出せていないのは残念だ。

また、家族を「人生を複雑化」させる要因として捉える視点には違和感を覚える。家族の存在意義をより深く掘り下げる余地があったのではないか。

総じて、等身大の人生模様を描いた力作だが、より前向きな結論で締めくくれば、読後感はさらに充実したものになったであろう。

Claudeによる書評

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