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垣根のない家

都市部の住宅は庭がなくなりつつある。
ひと昔前だと垣根で覆われていた庭は、現代では塀や門扉があればまだいいが、道路から直接玄関という場合も少なくない。

庭は植栽したり駐車スペースとして機能的な一面もあるが、コミュニケーションの視点からみるとセミパブリックなゾーンとしての緩衝材ともなっている。


核家族化がすすみ、ご近所関係が希薄となってしまった時代に合った庭の在り方とは何だろうか。少しでも自分の家で完結するのではなく、地域とコミュニケーションできる家はないものかと考える。

そういう我が家も庭がない。
でもどうしても庭が欲しかった。
そこで工夫したのが駐車場と2階のテラスでる。

我が家は駅から近い立地を選んだので車はそんなに必要ない。
車を止めるスペースを庭として仕立てたのである。

ただ、コンクリートで覆ってしまうのはさみしい。
考えた結果、コンクリートを分割してその間を草目地として、そこにいろんな草花を植えてみた。
すごい狭い世界なのに。草をかき分けるとダンゴムシやテントウムシなど昆虫の姿もある。春になれば蝶も舞うし蜂も飛ぶ。


草目地の駐車場(庭)とレンガ敷きのアプローチに植物が育つ

また、2階のテラスはリビングとつながっているがそのテラスの先にプランターを設置した。このプランターは5×緑(ゴバイミドリ)という企業の植栽ユニットで小さいながらも里山の環境を再現している。樹種はなんと40種類あるので季節により花が咲いたり紅葉したりと楽しめる。
https://www.5baimidori.com/

2Fテラスと里山ユニット


1階と2階の庭は余白となり時と場合によっていろんなスペースとなる。
プール、ピクニック、サッカー、テント、DIYの場所、近所の人とのおしゃべり、ガーデニング、朝ヨガ、絵をかく、そしてぼーっと空を眺めたり。

そしてそんな場所で過ごしていると時折近所の方と顔が合いご挨拶する。
この庭に垣根はない。

ひととまちとの間にも垣根がない家。
僕なりの回答。

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