Vtuber・天野ピカミィの「卒業」が意味するもの―ポリコレ勢力の過ち

【Vtuberの話題を全く知らない人のために現状までの経緯の説明】
Vtuber・天野ピカミィがホグワーツ・レガシー(ハリー・ポッターの派生作品)というゲームを配信でプレイする予定を立てていたのだが、「ハリポタの原作者、J・K・ローリングはトランスジェンダー差別を行っている」とみなしている勢力が、それを理由にピカミィに対してハラスメント(殺害予告など)行為を行い、それ以降ピカミィは配信活動を休止。
そして先日、彼女は突然引退する旨を発表することになった。
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(ここからは、先に投稿した英語テキストの日本語版です。)
ピカミィが押し付けられた理不尽な圧迫の正体が何に由来するのか解説しようと思う。欧米のゲーマーは知っている人も多いと思うが、その他地域のリスナーは知らない場合もあるだろう。
ことの発端は2013年、あるフェミニストが「ゲーマーは差別主義者だ」というビデオメッセージを発表したところから始まる。

それを発端にGamerGateと呼ばれる騒動が勃発した。
ゲーマーたちは「いったいどういう意味だ?!」とそのフェミニスト、Anita Sarkeesian(アニタ・サキージアン)を問いただした。
しかしそれにアニタが答えることはなかった。
代わりに彼女がしたのはゲーマーの側を揶揄し続けること、そして「自分はゲーマーからのハラスメントを受けている」と主張することだった。
そして彼女は「やはりゲーマーはMisogyny(女性嫌悪)」だと断定した。

ゲーマーたちは差別主義者のレッテルを貼られた。
それだけではなく、alt-right(オルタナ右翼・新右翼)というレッテルも貼られた。
現在ではQAnonと同一視すらされている。
今回ピカミィが受けたような理不尽な攻撃に対しても、もし彼女が抵抗すれば、そのとたんにオルタナ右翼というレッテルを貼られることになるだろう。
このようなレッテル貼りを行って他人を攻撃する人たちのことを、ゲーマたちはsocial justice warrior(社会正義の戦士、SJW) と呼んだ。

だが少し考えてほしい。
アニタ・サキージアンが自分の正当性を確定させたのは自分が殺害予告を受けたとFBIに通報したことからだった。
おかしな話ではないか。
そのアニタの側にいるSJWたちは今、ピカミィに対して殺害予告を出している。
SJWたちは自分たちの側の不法行為を批判しない。典型的な二枚舌だ。

もし原作者のローリングが本当に差別主義者だったとして、その派生作品をプレイすることが非難される、ここまではまだいいだろう。
こちらからも反論すればよいだけだ。
そういうコミュニケーションが許されているのが公平な状態と言うものだろう。
しかし、自分たちの主張と対立することを理由に殺害予告?
しかも自分たちの側がそういう扱いを受けたときは被害者面で糾弾するのに?

一つ明言できるのは、このままにしておけば将来的にはVtuberの文化はSJWに乗っ取られ、破壊されるということだ。
ピカミィの卒業だけで終わる話でもない。

ゲームにおけるキャラクター表現に対する意味不明な要求(「ブサイクを加えろ!」など)や
ブリジットの性自認のことは知っているか?
あれは日本のメーカーがSJWに色目を使い始めたことを意味している。
彼らの発言は筋が通っていない。
(理由は日本のSJW相手に全てここで述べた。)

ピカミィのストリーミングは宝だ。
彼女が生きたと言う証だ。
リスナーと彼女の絆の証でもある。
それを全部封印すると言う事態が何を意味するのか?
理不尽なクレームが怖いからだ。
またSJWがやってきて攻撃されるというリスク。
それ以外に合理的な理由があろうはずもない。
ピカミィ本人が戦う必要は無いかもしれない。
彼女の心が心配だ
しかし理不尽な蹂躙を許していたままでは、結局その心の傷が回復することは望めないのではないか?
ファンがするべきことは?

GamerGateでは、フェミニズムからの理不尽な攻撃に対してゲーマーは団結して抵抗した。
それが無ければ現在の状況はもっと悲惨なものになっていたはずだ。
結果、当時の抵抗運動は周辺にまで波及し、アニタ・サキージアンたちSJWを子飼いにしてメディアの覇権を築きつつあったGawker Media(欧米のまとめブログKotakuなどの親会社)に対する訴訟という形で頂点を迎えた。

Gawker Mediaに名誉棄損された件でHulk Hogan(ハルク・ホーガン)が裁判を起こし、それを投資家のPeter Andreas Thiel(ピーター・ティール)が支援することになった。
Gawker Mediaは訴訟に敗北し、賠償費用が払えず倒産した。
このようにして、何とか一方的にSJWに押し切られる事態だけは避けることができた。

これと同様に、ピカミィへのSJWからのハラスメントもある程度以上、見せしめの訴訟によって封殺することが可能なはずだ。
弁護士に相談し、殺害予告などのハラスメントをしたアカウントに対してサーバー運営会社に情報開示請求をさせて、発言者を特定し、威力業務妨害などを理由として訴訟を起こしてほしい。
弁護士費用はクラウドファンディングや寄付で賄えると思う。
Gawker Mediaを相手にするような大規模な訴訟ではないからピーター・ティールのような大金持ちでなくても肩代わりは可能だし、サポートしてくれる人も存在するだろう。

協力者を募るために、ピカミィ本人もしくは英語ができる人間は、この件をBreitbart News(ブライトバート・ニュース)などのSJWと対立するメディアに報告して欲しい。
VtuberがSJWによってハラスメントを受けたと。
そしてピカミィにはそれらのメディアからのインタビューを受けてもらいたい。
(注 ブライトバート・ニュースはSJWから差別主義者の巣窟、トランプ主義者のネオナチのたまり場、などという風評被害を立てられて、差別されてしまっているが、欧米ではほぼ唯一、SJW達に対して「ノー」を言い続けているメディア。)

また、事件をメディアに乗せてアピールすることには他のメリットもある。
フェミニストに攻撃されたクリエイターやアーティストたちはゲーマーや有識者たちによってサポートされた。
次の二つのタイトルで検索すればその支援の活動の例を見ることができる。
"Feminism versus FACTS (RE Damsel in distress)"
"Do men need to check their privilege? | FACTUAL FEMINIST"

こうやってたくさんの有志がフェミニストの理不尽な批判に対する反論を行っている。
ゲーマーやゲームメーカーが理不尽な扱いを受けたとき、助けてくれる人たちはいた。
こういう人たちの協力を通常のピカミィのリスナー以外からも得ることができるようになる。
理不尽に対して単に我慢を続けても解決はしない。
ピカミィも負けないでほしい。

ファンとしてできることは訴訟の支援だけではない。
外面的な防衛策以外にもやれることがある。
ピカミィは何も悪くないということを論理的にはっきりさせること。
これが必要だ。
攻撃してきた連中の方が単に理不尽で筋違いであるという認識をファンの間で共有できれば、ピカミィ本人も安心することができるはずだ。
悪いことを何もしていない人間が反省する必要などない。
攻撃された人間が自分自身の正しさを確信できるようにするためにもそれは重要だ。

私は貧乏人なので資金援助はできないが、これを行うことは可能だ。
そこで今回の騒動の発端となったゲーム「ホグワーツレガシー」の差別性について一つ言いたいことがある。
たとえ『 The Birth of a Nation』のような明らかに差別的表現を持った作品であっても、それを消費すること自体は許されなければならない、と言うことだ。
その消費の仕方が差別を助長するような態度を伴ったとしても、それはその都度批判されればよいのであって、実力行使的にあらかじめ口をふさがれることがあってはならない。
「この作品は差別的である」と指摘し、それに気づくべきだと述べることと、「その作品をプレイするな」もしくは「流通させるな」と主張することは全く次元が異なる。
まともな市民社会で許されるのは前者までだろう。

もし何かについて倫理的に不適当な表現があると言うなら、それは倫理的問題として扱って、道徳の問題として処理するべきで、それを言葉以上の実力行使を以て他者に強制しようと言うことは筋違いなだけでなく違法だ。

そして本来のフェミニズムとはそうした流通する作品を分析することで人間の中に潜む差別性を指摘していくということを任務としていた。流通を単に禁止することは、人間が持つ差別性を隠蔽することになるだけで何の差別の解決にもならない。SJWの振る舞いはフェミニズムにとっても有害なのだ。

k-sonは今回の件を受けてVtuberの在り方についてこう言った。"it's different world""It does not matter in our world"(「現実とVtuberの世界は違うものだ」)と。
その通りだが、SJWが越境してきた以上、もはやそれでは終わらないのが実際だ。
ならばこちらも越境し、現実に向かって政治的発言をVtuberが拡散することで逆襲するしか理不尽な負のサイクルを停止させる方法はない。

はっきり言ってピカミィほどの登録者がいるVtuberがインフルエンサーとして政治的話題を扱えば、それに並ぶような敵側のインフルエンサーはほとんど存在しないため駆逐することは可能だと私は予想している。
大衆に対してVtuberが持つような求心力を、実のところSJW側は持っていないのだ。
私が今述べたような話をピカミィが拡散しさえすれば、それだけで充分彼女は自らの正当性をこの現実社会の中でも維持できる。

一見、SJWは社会の中で圧倒的な力を持っているように見える。だがその実態は異なる。
先ほど紹介したビデオの一つに出ていたChristina Hoff Sommersの著作『Who Stole Feminism?』は、彼らが影響力を確保しているメカニズムを説明している。
この研究によればSJWはエスタブリッシュメント(既得権益層)の中に入り込んで根を張り、民主党やアカデミズム、メディア業界などをコントロールしている。

厭らしい言い方にはなるが、もしピカミィがSJWとの対決姿勢を明確に打ち出せば、欧米に居て理不尽なSJWの振る舞いに苦しめ続けられている人たちは彼女を支援しようとし、ピカミィの登録者数は逆に増えることになるだろう。
問題は明らかに民主党寄りの姿勢を持っているgoogleの傘下にyoutubeがあることだが…

【追記(2030310)】
k-son総長が配信中にリスナーからなぜピカミィを助けないのかと言われて「ピカミィのためならなんだってするが、それは彼女自身が望む時だけだ」と回答したのを受けて、私がここで書いたような「ピカミィに頑張ってほしい、負けないでほしい」と言う意見は撤回することにしようと思う。
彼女と直接話した総長がそういうと言うことはピカミィ本人はそれらを望んでいないと言うことだからだ。
訴訟が実際に行われることもまずないだろう。ピカミィは我慢を選んだ。それは彼女の選択だ。

しかし、ピカミィの件が何を意味し、我々Vtuberのファンがこうした事態にVtuberはどう振る舞うべきか、その理由は何故なのか、本来的にはどう振る舞えば抵抗できるのかということについては変更する箇所はない。
既に言ったがピカミィが我慢するのは彼女の意志であり選択だ。
我々は彼女とは別の個人だから、彼女自信の具体的行動について、彼女の意志や選択を尊重するべきだろう。
ただ、それは同時に我々がこの件についてどう思い、何を主張するのかは我々ファンの自由として尊重されるべきだということも意味する。個人の自由を尊重するという姿勢は我々に対しても向けられている。それが公平と言うものだからだ。


関連記事:ピカミィ卒業について、真実から目を背けるファンたち。結局君らの「好き」ってそういうことなんだね。

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