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2020年の映画作品振り返り


 昨年から始めています、この映画感想書き。2020年は39本の作品を観て感想を書いています。『アンダードッグ』の前編・後編を2本、あるいは『ミッドサマー』通常版・ディレクターズカット版を2本とカウントすれば、ぴったり40本観た計算になります。コロナ禍の緊急事態宣言で空いた時期もありましたが、そこそこ満足しました。
 各作品はこちらから。↓


 せっかく1年続いた感想書きですので、振り返る意味を込めて、特に印象的だった5本を改めて挙げておきます。ランキング順とかではないので、あくまで並列の5本とさせてください。


『パラサイト 半地下の家族』

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 コロナ禍前の公開だったので、とても前の作品に感じられるかと思いきや、思い返せばやはり2020年を代表する一本。映像ショットの完璧さと、そこに込められた社会メッセージの強さと説得力。何よりも、それでいてちゃんとエンタメとして面白いという化け物級の名作でした。非の打ちどころがなさすぎて、逆に語るべきところがないくらい。


『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』

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 2020年は、コロナが無かったとしても「価値観のアップデート」を迫られる時代の節目だったと思います。ジェンダー問題、人種の違いなど、今まで他人事と気にしていなかった人も、そうは言っていられないと考え始めた時代。
 そんな問題提起して考えさせる作品が多い中でも、この作品は圧倒的にその遥か先に辿り着いていたと思います。価値観のアップデートをして、多様性を認めたらこんな最高に素晴らしい世界ができるという理想形を提示してくれている。それでいて、厭味がなくシンプルに楽しそうと思わせてくれるのが最高。


『佐々木、イン、マイマイン』

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 2020年の邦画は『本気のしるし』で決まりかと思っていたんですけど、いやー、年末にこんな傑作と出会えるとは思いもよりませんでした。発見という意味では今年一番です。
 観た人が「自分の物語」として感じる作品だったんじゃないかと思うんですよね。コロナ禍で、孤独な時間を過ごす人が多かったというのも、この作品が刺さる要因になっていたようにも思えます。


『ジョジョ・ラビット』

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 大好きなんですよね、この作品。戦争映画は観ていて辛くなることが多いんですけど、この作品のジョジョやエルサ、ヨーキーには、また会いたくなるキャラとしての可愛らしさがあります。ただ、そのキャラたちが辛い思いをするというのが、また悶絶ジレンマなんですよね。
 戦争に対して被害者側だけでなく、加害者側の視点も描くというのは、とても現代的で、今だからこそ生まれた作品だと思います。


『ミッドサマー』

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 世界中が辛い思いをする中で、なぜこれ程に残酷な映画をチョイスしてるのか、自分でも理解しかねるところではあるんですけど、やはり2020年最大のインパクト。こんなにも無惨で酷い内容のはずなのに、どうしても美しさを感じてしまうんですよね。ホラー映画の美しさは、本当に好きな人にしか理解できない、偏屈で閉じたものだと思っていましたけど、それを開け放して、普遍的な美しさにしていますね。
 この作品に嫌悪感を抱く人、分かるよ、その気持ち! それでも、この作品を美しいと思う自分で良かったと思います。アリ・アスター監督は宝。


 やはり、集客を見込める大作はあまり公開されなかったように感じます。今年もまだしばらくは難しそうですね。

 観逃した作品では『ストーリー・オブ・マイライフ』『はちどり』なんかは、観ときゃよかったと思っています。

 とりあえず、今年も感想書きは続けていこうと思います。感染に気を付けつつ、2020年以上に観ていきたいですね。

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