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38年が経ちました

今年もこの日がきました。

敬愛する南アフリカ/ボツワナの作家ベッシー・ヘッドの命日です。
1986年4月17日ボツワナのセロウェにて48歳で亡くなりました。

南アフリカで白人の母親と黒人の父親のあいだに生まれ、孤児のように育ち、アパルトヘイト時代に出国許可証を持ってボツワナに亡命した彼女。

アパルトヘイトの終焉を見ることも、南アフリカに戻ることもなく、自伝を書き始めた矢先にこの世をさりました。

最後は病院で、友人のヒュー・ピアース氏とマツェラ・ピアース氏という白人と黒人の夫婦に手を握られながら眠ったそうです。

わたしが16年ぶりにボツワナに行ったのも、もう一年前になりました。
本当は、翻訳出版するために二十年も奔走し続けている長編小説を日本語で出版したら、それを持ってお墓参りに行きたいと思っていました。

でも、まだ出版は準備中なので、本は持っていけませんでしたが、お墓参りには行くことにしました。ちょうど命日にセロウェにいるのは奇跡的でしたから。

彼女を初めて知ったとき、たしか20歳か21歳だったわたしも、今年の終わりに彼女と同じ年になります。そんなに年月が過ぎたのか。

昨年のボツワナ訪問のことについて、また一冊のエッセイ本の原稿を書き上げました。
雨雲出版の既刊『雨風の村で手紙を読む:作家ベッシー・ヘッドに出会って開発コンサルになったわたしのアフリカ旅』の続きにあたります。

ベッシー・ヘッドという会ったこともないひとからもらったかけがえのない宝物について、熱い思いを乗せて書きました。一冊の本にしてお届けしたいと思います。

これまでの人生の素晴らしき出会いと時間を彩ってくれた彼女に心の中で感謝しつつ、今年は静かに東京からワイングラス片手に彼女のことを思っています。

いつも本や文章を読んでくださったり、動画や音声配信を視聴してくださる皆さま、本当にありがとう。出会いに感謝しています。


ベッシー・ヘッドと彼女の家『Rain Clouds(雨雲)』


昨年のボツワナ&ジンバブエ滞在はYouTube動画で12本にまとめました。
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