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分断と差別、グローバルなムーブメントとベッシー・ヘッド作品

しばらくぶりになってしまったが、最近書いておこうと思ったことについて書く。

2020年の前半は、分断と差別が露呈される大きな出来事が重なるときとなった。

まず、新型コロナウイルス。

その脅威は、グローバル社会を巻き込む非常事態となり、多くの命が失われたのみならず、経済的打撃も甚大なものとなり未だに継続している。

グローバルな脅威は、既存の社会システムの問題点を多く明らかにした。
とりわけ注目すべき点は分断の深まりである。

感染症を特定地域・居住地(他国に対してのみならず国内においても)、民族、職業などの属性と結び付ける排他的な言動や差別的行為が、ネット上や実社会でも見られる深刻な状態に陥った。

さらに、歴史的にグローバルなムーブメントとなった人種主義への抗議行動である。

2020年5月米国ミネソタ州ミネアポリスにおいて警察暴力による黒人男性の死亡事件が発生したことに端を発し、奴隷制から始まり過去400年にもわたって継続し蓄積してきたものが、ここでまた改めて大きな動きとなった。そして世界中に次々と連鎖するうねりのように広がっていった。

あらゆるところに、差別は存在する。

やはり、アフリカに二十数年かかわってきた者として、まず思うのはアパルトヘイト、ひいてはアフリカ大陸における人種差別に関することだ。

主に、以下の3点を思考の整理のためにメモっておく。

1. 構造的人種差別と潜在意識下の人種差別
2. 無意識と無関心の罪
3. 同じ地球上で不条理な世界とは無縁に安穏と暮らしている人々の存在

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