#4 かごバッグと布と木彫り動物の話--ケニア
アフリカ雑貨の店「マンゴロベ」で扱うアイテムの話や貴重な生産国情報をQ&Aでお伝えしていく企画。第4弾は『ケニアのアイテム裏話』です。
「かごバッグ」「カンガ布」「木彫りの動物」など、ケニアは古くから伝わる工芸品や布があります。「お土産品」からの脱却を図り、日本の市場へ広めるべく、マンゴロベを運営するアフリカンスクエアーでは30年程前から生産者と様々な挑戦をしてきました。
今回は、その中でも長年人気を誇る「サイザルバッグ」「カンガ布」「マサイブランケット」、最近人気急上昇の「メル動物シリーズ」について、素朴な疑問にバイヤーがお答えしたいと思います!
手にとっていただくものが、どんな風にできてきたのか、どんな意味があるのか、生産の背景に興味を持っていただける機会になれば幸いです。
サイザルバッグの繊維≒テキーラの原料?!
ーー定番商品のサイザルバッグ 、原料のサイザルはどんな植物の繊維ですか?
中米原産なのでサイザルとの名称はメキシコの港町シサルが由来と言われています。テキーラやメスカルの原料になるリュウゼツランの仲間です。多肉植物のような植物の葉の繊維です。
草ぶきの屋根にたまる煤染め・・・
ーー 20色以上のカラーバリエーションはどんな風に付けているんですか?
ほとんどはインド産の化学染料で染めています。大きな窯に水と染料を入れ、撚られたサイザル糸をつけ込んで薪で炊いて染めています。
例外としてカーキは草ぶきの屋根にたまる煤、クリームは現地の赤土、草木染薄茶は樹皮、草木染黄は花、新色のチャコールグレーは砕いた木炭で染めています。
ネットでは中々伝わらない編み目の美しさ(泣)
ーー タイタバスケットと通常のサイザルかごとの違いを教えて欲しいです。
原料は一緒ですが、まず編まれている地域が違います。
通常のサイザルはマチャコスやキトゥイなどカンバランドと呼ばれている地域で編まれていて、タイタバスケットはタイタ地方で編まれています。
作り方自体にそれほど大きな違いはないですが、通常のサイザルに比べて経糸が細いので、より細かい柄に仕上がります。
細かい違いとして、緯糸を編むときに通常のサイザルだと二本同時にツイストするような感じで編みますがタイタバスケットは一本ずつ編んでいきます。それによってより細かい柄やワンラインごとに編む方向が違う柄を作り出すことができます。
自由に編んだら面白い
ーー ”アップサイクルバッグ”という商品はどういった経緯で製品化されたのでしょうか?
通常のサイザルバッグを編むとどうしても余りの繊維が少し出てしまいます。年月を重ねるとそれが色もバラバラで凄い量になってしまいました。カラフルに繊維が積まれているのを見て、それで自由に編んだらおもしろいかごができるのではないかと思い生産してみました。
「好き」を布に込めて
ーー カンガにはスワヒリ語が書いてありますが、どんな意味がこめられているんですか?
それぞれの柄で色んな意味があります。ケニアから来るカンガは家族や人生についてのことわざ的なもの、タンザニアのカンガは神さまについてのものが多いです。
ーーマサイシュカは赤を基調としたものが多いですがなぜでしょうか?
元々、赤がメインです。マサイ人の好きな色です。
ちなみにサイザルバッグの生産者のカンバ人は黄色が好きだそうです。
良い勝負!「キリン」と「シマウマ」
ーー 表情が何とも言えずかわいいメル動物シリーズですがデザインは誰が考えているんですか?新作の予定はありますか?
デザインは工房の社長のアーティストが考えています。こちらから大体のイメージを持ち込むと彼が形にしてくれます。元々は置物などアート作品を木で作ったり、家具などに彫刻を施してホテルの内装にしたりしていました。
新作はロバのすわりや、すわりのキッズタイプを投入予定です。
ーー何人くらいの職人さんが作っていますか?一番人気の動物は?
職人は20人ぐらいいます。
木をある程度の形にカットする人、そこから成形する人、細かくやすりがけをする人、色付けする人など、工程ごとに分業しています。
一番人気はキリンとシマウマが争っています!
「かわいい」「かっこいい」「素敵」なモノに、そこに込められたエピソードやどんな人が作っているのかを添えると、自分も贈られた方も、一段と楽しく愛着が沸くような気がします。この記事が、より多くのマンゴロベのアイテムを購入してくださった方、気になっている方に届くことを願っています!
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