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アンテナ×高周波回路=新しい未来。知識と技術をかけ合わせて不可能を可能に。【シニアエンジニア:熊谷良輔】

4Gの100倍も速い6Gで、あらゆるものがインターネットとつながるようになるIoE(Internet of Everything)社会。そんな社会を実現するためには、電源のワイヤレス化が絶対不可欠です。エイターリンクが開発している【AirPlug™️】搭載製品は、360度あらゆる方向から電波を送受信できる「アンテナ」と、データ通信等の能力を備えた「高周波回路」が手のひらサイズに共存する、これまでにない超小型デバイス。今回は、その最先端技術を支えるエンジニアの一人、熊谷良輔さんに話を聞きました。

(エイターリンクnote編集部)

技術開発の最前線で手を動かせるキャリアを選択

「エンジニアとして、世の中を便利に楽しくするようなモノを開発したい」という思いから、斬新な電子機器を多く生み出している大手メーカーに新卒で入社した熊谷さん。20年間、一貫して無線通信の電子回路とアンテナの開発に携わってきました。

「キャリアのスタートは、携帯電話端末のハードウェア開発から。機能・性能が年々進化していく中、試作機で試行錯誤する充実した日々でした」

その後、携帯電話の事業は撤退となり、官公庁向け無線システムを開発する部門に異動。そこでは、顧客と共に構想を練るところから始まり、技術開発から製品開発まで一貫して進めることができたそうです。

「非常にやりがいがあり、多くの貴重な経験もできました。一方で、大企業ならではの役割分担もあり、実際の技術開発はグループ会社等に委託することが多かった。次第に、エンジニアとしてもっと手を動かしたい、もっと技術の幅を広げていきたいという思いが強くなっていきました」

重要なポジションを手放してまで、スタートアップであるエイターリンクに転職した最大の理由。それは、「革新的な製品開発による世の中の変革に自分も参加したい」という思いでした。

「せっかく転職するなら、初心に返り、斬新なものの開発に携わりたい」と考えていた熊谷さんは、エイターリンクの求人を見て「これだ!」と直感したそうです。

大手企業では多くの場合、組織がタテ割りで専門性がどうしても偏りがちですが、熊谷さんは幸運にも、電子回路とアンテナの両方を同時に深く学べる機会に恵まれてきました。エイターリンクの採用要件は、まさに1領域の専門性だけではなく、多岐にわたる知識や技術をかけ合わせて新しい解を導き出せる人材だったため、応募に踏み切ったそうです。
 
実際、エイターリンクで開発中の製品は長距離ワイヤレス給電によって工場やビルのインフラを根本から刷新し、省エネやDXを推進するという前代未聞のものであり、電力の確保とその消費の最適化の面では、携帯電話やパソコンとは比較にならないほどシビアです。しかし、それだけ高いハードルだからこそ、熊谷さんは、エンジニアとしてのやりがいや働く手応えを感じているようです。

年齢やキャリアの差を気にせずフラットに相談できる相手がいる。

開発における一番のハードルは、アンテナと電子回路それぞれの性能を最大限にキープしたまま「小型化」をいかに実現するかという点。
 
「アンテナの性能を高くするには、周囲に障害物のない十分な堆積が必要で、単に性能を追求すると大きくなってしまいます。アンテナとつながる回路の特徴を踏まえ、周囲の構造も含めて合わせ込むことが重要となります」(熊谷さん)
 
物理的な制約を打ち破るには、先入観に囚われない柔軟な発想が求められますが、そのためには自分とは違う視点を持つ他のメンバーとのディスカッションが欠かせません。熊谷さん自身、煮詰まった時にはすぐCTOである田邉さんに相談するそうですが、アイデアがどんどん飛び出してくることに驚かされるそうです。

「トータルに幅広く知識を持っている人は、かけ合わせられる技術の幅が格段に違います。エイターリンクには、田邉さんを筆頭にハードウェア、ソフトウェア、半導体などそれぞれのスペシャリストが揃っていて、スタートアップながらも盤石な陣営だと感じています。私もエンジニアの一人として、他のメンバーから多くのことを吸収し、もっともっと技術の幅を広げていきたいです」
 
一方、社内のみならず、パートナー企業とのコミュニケーションも密に行っています。
 
「とくに高周波のロスが生じやすいプラスチック材料の選定については、メーカーさんに話を聞きながら慎重に行なっています。部品の配置を工夫したり、他のものを組み合わせることで減らせる部品がないか、根気よく探る努力も必要です。アイデアが思いついたら、すぐにパソコンでシミュレーションして、実際に工作してみる。その繰り返しですね」
 
20年のキャリアに甘んじず、エンジニアとしてさらなる進化をめざす熊谷さん。現在はワイヤレス給電の心臓部と言える整流器(電波を直流の電源に変換する装置)とアンテナのマッチングにも磨きをかけているそうです。

人が育つ会社に

エイターリンクはいま、これまでにない新しい事業を立ち上げるスタート地点にあり、即戦力が集結してパワフルに事業を推進しています。しかし、将来的には、未経験からも人が育つ体制を整えていきたいと熊谷さんは語ります。
 
「私自身、先輩の熱心なサポートのおかげで今があります。中長期にわたって取り組める事業があればこそ、エンジニアは腰をすえて技術を磨ける。教えられる立場から教える立場へ、ひと通りのサイクルを経験できる環境にしていきたいですね」
 
おっとりとして物静かな語り口ながらも、そこ知れぬ探究心をのぞかせる熊谷さん。社内メンバーと切磋琢磨しながら、世界最先端のものづくりに挑戦しています。

《取材こぼれ話》

エンジニアというとクールな印象を持つ人も少なくないと思いますが、じつは熊谷さん、休日には中学生の娘さんとショッピングやカラオケを楽しむ子煩悩なパパの一面も。最近のマイブームは浜崎あゆみさんなのだとか。そのほか、庭のオリーブの木を手入れするなど素敵な趣味もお持ちです。やっぱり黙々と手を動かすのが至福のひとときなのかも知れませんね!

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