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例えば こんな家族 09

( この物語は 一部フィクションです )

・ 難波 泉州 お祭りでボーナスが吹っ飛ぶ地域
夫が建てた一軒家
亡夫:大工 長男:音信不通 次男:SE 三男:ゲーム会社


いよいよ 人生も残すところ少し
先日 余命の告知を受けた 癌の様だ


あちこちが痛いとは思っていたが病院が嫌いなので
齢80を超えても行く気に成らなかった

痛みで自宅で倒れていた処を たまたま様子を見に来た次男に救急車を呼ばれ 病院で強制的に検査をされた

自分でも何となく予感はあったのだが
兎に角 病院に行きたくなかっただけではある

もう十分 生きた

夫が亡くなってからでも 20数年経っている
孫の顔も見れたし 初孫は既に三十路になり嫁取りの話が出ている

それなりに良い人生だった気がする
と云うか
そう思いたいし 一生懸命 思い込んでいる

自分が 80歳を超えるまで生きられるとは思っていなかった
尤も 母は99歳まで生きたし 7歳年上の姉も健在だ
男の兄弟は3人とも既に亡くなっているので 女性が長生きする家系なのかもしれない


夫に対しては 言いたい事が山ほどあるのだが
あの世に行ってから言う事にしようと思っている


長男とはもう20年以上 連絡が取れない
一度 長男の職場経由で連絡を取ったのだが。。。

その直後に転職し転居し 音信不通に成った
長男に拒否されたのだ 私自身も諦めている

原因は些細な口喧嘩だった気がするが 今更考えても どうしようもないし
結果 現在の関係なのでどうしようもない

私からは接触を試みたのだが 如何せん 遠くに逃げた様で 次男に頼んでも見つけられない

長男という事で 小さいころから我儘に育ててしまったし
私達 親も若かったので 弟達が生まれてからは 私も一番叱ったし夫に一番殴られていたと思う
親の私達を怨む気持ちも 多少は理解できるが
もう今生では会えないと思う


次男は近所に住んで居るので 時々 面倒を見て貰う
次男の嫁は 若い頃は見栄っ張りで 我が強すぎ 話をしたく無かったが
最近は一応 話位はする
次男の嫁は 未だ嫌いではあるのだが 次男が良いと云うので致し方が無い

次男の息子の孫たちは 子供の頃は 遊びに来たが 高校生くらいから姿を見せなくなった 男の子2人なので最近はどんな様子か 次男夫婦からの又聞きでしか知らない 2人とも仕事も順調 どちらも結婚する予定らしいが 嫁取りの順番で少し揉めているらしい


三男は 仕事で江戸の方に行き そのまま 嫁を貰ったので 数年に1度会う程度に成って居る
何やら ゲームを作る会社で出世をして株主になり 金持ちに成った様子だ

一番 甘えん坊で 一番 気が弱かったので心配していたが
そんな心配は不要だったようで 今は一番羽振りが良く 次男が陰で羨ましがっている

只 嫁が大きいのだ 私から見ると山の様である 縦も横も大きい
(私は150cmと言い張るが 本当は150cmは無い)
四十代の女性にしては背が170cm程度ある
三男が大きいので並ぶと そんなに違和感が無いのだが 次男と三男の嫁が並ぶと 次男の方が小さく感じる程だが 気は優しくて力持ちなので 安心は出来る

娘二人は 親に似ず 背が高くスタイルが良い
三男が晩婚だったので まだ学生だが勉強は出来るらしい
会うと愛想よく話の相手をしてくれるが 本心は ちょっと分からない


6人兄弟の次女で生まれ 専業主婦となり 夫の散財による貧乏で苦労したが 何とか子供を育て 夫を看取り 孫にも会えた


何という事もない人生だったと思う

何か残せたか 何か成せたかと問われると 答えに窮する

姉からは 「〇〇子は幸せよ 子供も立派に育って 孫までいる」と言われるが 自分の遣りたかった事 出来なかった事が多すぎて 日々の忙しさに追いまくられて居た様に思う 還暦を過ぎ自由な時間が出来ても 何もする気力も無く 結局 何も出来なかった 何もしなかった


自分の人生は幸せだったと思いながら死にたいと 思っているが
後悔ばかりが多く 楽しかった事 幸せだった事を思い出せない


私の一生は 何だったのだろうか?

幸せだった と思い込んで良いのだろうか?

死んだら分かるのだろうか?


そんな問いの 答えは何処にもなく
誰も答えてはくれない問いを 毎日 繰り返している




有難う御座います                           将来の夢のために使わせて頂きます