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例えば こんな家族 07

( この物語は 一部フィクションです )

・ 江戸下町 葦が生えてる湿地帯  分譲マンション
父:上場企業サラリーマン 母:パート社員 長姉:スポーツインストラクター(派遣切り寸前) 次姉:KO大学2年生 末妹:公立大学2年生


今年の夏休みに ユウカが久しぶりに大学の寮から帰って来たのだが。。。
いきなり シクシク泣きながら大学でのカースト制度について語りだした


我が家の収入自体は そこそこあるのだと思うが 如何せん 両親の祖父母が合計4人居て 両親ともに長男長女でどちらも 一族の長の位置にある

別段 両親が望んだ事ではないのだろうが 父は男子2兄弟 母も女子2人姉妹という事で そうなっている

なので必然的に 祖父母達の面倒を見る羽目になる 経済的には結構苦しいらしい 私達が大学に行くときに公的?な奨学金を2人そろって貰えるくらいには厳しい様だ

その上 三十路にリーチのかかった長女が切られそうなので大変らしい 現在ほぼ仕事の無い長女は話題のUmaeatで配達のアルバイトをしている 母はもう少し安定した職への転職を進めているが 本人は首を縦に振らない


一応 姉のユウカは 私と双子で同じ高校を卒業してる 一卵性なので顔は似ているが 昔からユウカの方がもてる 原因は私が暗いからだと言われるが 私自身は自分の事を暗いと思った事は無い カラオケより公園が好きで
ファッションや髪形より ネコと雲の流れる空が好きなだけだと思う

高校時代からダンス部に入り 生徒会に名を連ね学校運営にも携わり 彼氏も多数いた ユウカは勉強もそれなりに頑張って 指定校推薦で見事KO大学に入学 と言う絵に描いた様な スクールカースト最上位をまっしぐらに歩んできたのだと思う

大学入学後 ユウカは長期休みごとに愚痴ってはいたけど泣くというのは初めてだ 彼女の負の感情は 怒る → 泣く → 動かななくなる という
パターンを辿るので そこそこ大変な事になっているのだろうか?

話を聞くと どうやらコロナ過の中 大学がオンライン授業に成ったのは大した問題ではなかった寧ろ遊ぶ時間が増えたのだけど 塾講のバイトが減らされた事に起因する金欠が発生したみたい

世間でいうほど 学生は自粛ってのはしていないので これは私が通う大学でも多少の自粛は行っているが遊ぶ人は遊んでいるから 実感として分かる
遊ぶお金が断然足りなくなったらしい
まぁ 元々 家はお金持ちって訳ではないし 仕方がないと思うけど

ユウカは大学で そういう家柄の子達と遊んでいたから結構無理をしていたのは知っていたけど 泣く程の事なのかと思っていたら

あぁ。。。 やばぃ。。。 顏に出たらしい 

ユウカが猛然と私に怒りだしたのである

実は双子って以心伝心とか言われる事が そんな事はないが 全く分からないかと言われると それも少し違う 負の感情は割合伝わるのだ
今回 お互いの気持ちが分かるのが裏目に出た様だ

そんなに怒られても 姉妹とは言え所詮他人だしとか 思っていると
これも伝わる。。。

火に油とはこの事かと 思いながら 困っていると バイトが休みで暇してた長女が助けに来てくれた

ハイ バトンタッチ と 私はリビングから退散した
この後の展開も大体決まってるけどね

長女もユウカも気が強いので ガンガン遣り合う 子供の頃の様に手はお互い出さないが 口喧嘩がエスカレートし ブスだの 死ねだの 言い合い
最後はユウカが負けて 私達の部屋に泣きながら逃げ込んで来るパターン

マンションなので部屋数が足りず ずっと ユウカと私は同じ部屋で20年間過ごして来た 別段私は不自由は感じなかったが ユウカは中学生頃から不満を口にしていた それも有って 大学では寮に入った

大泣きしながらユウカが部屋に入って来て 自分のベッドに頭から潜り込み泣き続けている

別に スクールカーストとかどうでも良いでしょうにねぇ
その後も 家にいる間は 愚痴り続けていたけど。。。

さぁ ぼちぼち大学も始まったけど どうなることやら


それより 彼女の未来が 心配。。。 なのかな

 

有難う御座います                           将来の夢のために使わせて頂きます