食糧危機とエタノールの関係

食料価格は1年前より34%上昇しています。

国連食糧農業機関が1990年に記録を開始して以来、最も高い水準にあります。実際、最も一般的に取引されている食料品の指標である食料価格指数の価格は、文字通り桁外れです。

107カ国の17億人もの人々が、記録的な食料・エネルギー価格の高騰と債務の増大による大規模な危機に直面しています。これらの国々は、主にアフリカ、アジア・太平洋地域、中南米・カリブ海地域にあり、すでにパンデミック危機と気候変動の影響に悩まされていました。

国連の世界危機対応グループの予備的分析によると、1つのリスクが加わるだけで、債務苦、食糧不足、停電を引き起こすのに十分なのだそうです。

これらすべてが最貧層を最も苦しめ、世界中で政情不安や不穏の種をまいている

国連事務総長 アントニオ・グテーレス

今後、困難な年になることを予感させる厳しい内容です。以下はその背景です。世界の穀物生産量(米、小麦、トウモロコシなど)のうち、

  • 48%は人間が食べている

  • 41%は家畜の飼料として使用

  • 11% バイオ燃料(エタノール、バイオディーゼル)用

アメリカで毎年栽培される小麦、米、トウモロコシ、ライ麦、オート麦、大麦、ソルガムのうち、人が食べるのはわずか10%です。残りは家畜の飼料やバイオ燃料に使われています。

豆知識1:アメリカで栽培される作物の90%は、飼料やバイオ燃料として利用されている
(カナダ、オーストラリア、ヨーロッパのほとんどの国でもほぼ同じ割合(+/-10%)である)

米国は2019年に1億2,100万トンのトウモロコシをエタノールに転換しました。グリーン燃料と考えられていますが、エタノールのライフサイクルの炭素排出量はガソリンより良くありません。もっと悪いという研究もあります。

世界的に見ると、約7000万エーカーの食料生産地が、世界の輸送用燃料の5%未満を供給するバイオ燃料に充てられています。

豆知識2: 7000万エーカーの農地がバイオ燃料に使用されている

豆知識3:植物が作るクソみたいなソーラーパネル

植物は、受けた太陽光の約0.023%を変換します。変換効率が20%のソーラーパネルは、受けた太陽光の20%を電気に変換します。現在市販されている最高のソーラーパネルは、ほぼ25%の効率に達することができます。

私は、植物とソーラーパネルのエネルギーを実際に比較し、専門家の検証を受けました。

アメリカ中西部にある1エーカーの高収量トウモロコシは、平均して500ガロンのエタノールに変換することができます。もし、自動車が100%エタノールで走行できたとしたら、500ガロンで8,750マイル走行できることになります(エタノールはガソリンより30%エネルギーが少ない)。

1エーカーのソーラーパネルで、1年間に平均350メガワットアワー(MWh)の電力を生産します。これはテスラモデル3を140万マイル走らせるのに十分な電力量です(モデル3は62KWhで250マイル走行します)。

これは、同じ面積の土地で太陽光発電を行った場合、タンクと車輪の比較で160倍の距離となります。テスラが160倍の距離を走れる理由として、ガソリン車やディーゼル車に比べて電気自動車のエネルギー効率が400%優れていることが挙げられます。

つまり、1エーカーの太陽光発電で充電した電気自動車の年間走行距離に匹敵するには、160エーカーのトウモロコシをエタノールに転換する必要があるのです(送電、バッテリー充電、グリッドストレージによるロスを考慮しても)。

アイオワ州では、エタノール用トウモロコシの栽培に800万エーカーを使用しています。もし、アイオワ州が5万エーカーの土地にソーラーパネルを設置すれば、800万エーカーのトウモロコシのエタノール生産と同じ量の自動車用燃料を生産することができます。しかも、排気ガスなし。肥料もいらない。毎年、作物を植え、水をやり、肥料をやる必要もありません。

おまけ:アイオワ州では、人々が食べることのできる食物を栽培するための土地が795万エーカー増えることになります。

食糧危機が解決されます。

もちろん食糧危機はエタノールなどのバイオ燃料生産から土地を取り戻すこと以外にもあります。しかしその土地の一部を食糧生産に転換することは問題解決の大きな部分を占めます。

太陽光からエネルギーへの変換率は、0.023%対20%?

エタノールやバイオ燃料が良いアイデアだなんて、いったい誰が考えたんでしょう?

追伸:農業用ソーラーパネル

農地の上に2~4メートル(6~12フィート)設置されたソーラーパネルは、より少ない水で食用作物を育てるのに役立ちます。植物によってパネルが冷やされるため、パネルのエネルギー生産が最大で10%向上するという研究結果もあります。

これはアグリボルタイクスと呼ばれています。また、農作業者やトラクターは、パネルの下で作業することができます。(写真参照)

豆知識4:農作物の収穫とグリーン電力でWin-Win!

出典:https://leahy.substack.com/p/food-crisis-and-the-ethanol-connection?s=r


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