デザイナーお悩み相談あるある
こんにちは。ADWAYS(アドウェイズ)の CREATIVE BLOG編集部です。
ADWAYSのクリエイティブチームには、研修やスキルアップをサポートする教育担当メンバーがおり、日頃からスキルに関する相談や質問を受けています。
デザインスキルにおいて仕事に携わっているかに関わらず、誰もが一度は同じようなことにつまづいた事があるように思います。
教育担当メンバーのよく受ける質問や相談に対するアドバイスが、みなさんの一助になるのではないかと、今回は、新卒1年目などデザイナー経験の浅いメンバーによくするアドバイスを聞いてみました。
制作前のあるある
Q. デザインをする時どこで参考を探せば良いか迷う
雑誌やデザインギャラリーサイトがおすすめです!
・楽天マガジン(月額418円で読み放題)
・dマガジン(月額440円で読み放題)
・マナギャリー
マイフェバやバナーライブラリはクリエイティブチームのメンバーも活用しています。
参考を探す際は、ターゲットが好みそうなものに目星をつけて参考を探すことを意識しましょう。
色々見るだけでは、結局何を参考にしていいか迷ってしまいます。
また、 フォントはこのページのこの見出し、色はこのページ、レイアウトはこのページといったように、フォント、色、レイアウトなど要素ごとに参考を集めることで制作へ繋げやすくなります。
Q. 上手く調和するあしらいが思いつかない
ラフがすでにあり、デザインを作り込んでいくところから自分で考える場合に起こるケースです。
行き詰まった際に、
・類似するテイストを一旦探してみる
ex. Pinterest (ピンタレスト), 広告物 , 楽天マガジン
・あしらいに注目したデザインレイアウト本を参考にする
ex. あたらしい、あしらい。
・ストックサイトなどで素材を探してみる
ex. PIXTA(ピクスタ) , ICOOON MONO
・他の人にも意見を聞いてみる
といったところから始めるとイメージが湧きやすくなります。
制作中のあるある
Q. 作りたいイメージを上手く表現できない
まずは、
・練習として作りたいイメージと似ているデザインを徹底的に模写してみる
・作りたいイメージと似ているデザインがなぜそれっぽく見えるか言語化してみる
から取っ掛かりを見つけると良いです。
模写をしたことがない方や、デザインの言語化に苦手意識のある方は、時間をみつけて練習していただくとデザインのスキルアップにつながると思います。
模写の練習教材として「デザインのドリル」という本がおすすめです。
(参考:「デザインのドリル」でデザイントレースに挑戦してみた成果と活用方法。)
ボキャブラリーが少ないことが言語化のハードルになります。
まずは本を読むことで、「このデザインはこういう単語で表現するんだ」という知識=ボキャブラリーを増やすところから始めるのがおすすめです。
本はデザイン大全が、おすすめです。
(参考:デザイン言語化練習)
また、人への説明を通して、自分の思い込みの部分と共通する部分が見え、どう伝えたら良いか自ずと分かるようになるので、伝えるスキルを強化することができます。
Q. ラフの案に引っ張られてしまう
ADWAYSの広告系のお仕事は、チームや案件によるものの、大体は以下のような流れで進みます。
1. 営業とディレクターで検証結果の共有・次の制作物を決める
2. ディレクターと営業でラフ案を作る
3. ディレクターから制作依頼が来る
4. デザイナーがラフ案を元に制作する
5. デザイナー同士でダブルチェック
6. ディレクターに提出
7. ディレクターが営業に納品
そのため、デザイナーはラフ案がある程度固まった段階から関わることが多いので、「ラフの案に引っ張られる」というケースが発生します。
制作経験が少なく時間内に作ることに精一杯になっているメンバーが、落ち入りやすいです。
もちろん、お仕事によっては、ラフ案のまま作ることが求められる場合もありますが、基本的にはさらに良いデザインを求めてデザイナーに依頼されているので、ラフの要素の位置や言い回しなど、そのまま制作することはNGです。
情報整理はデザイナーの仕事の一つなので、ラフを元に「誰に・なにを伝えたいのか・どこで配信されるのか・なぜ作る必要があるのか」を一度ご自身でも考えてみることで、より良いものが作れると思います。
検証内容を理解し、具体的なターゲットを思い浮かべ、その上で目的が達成できるものか考えることで、「誰に・なにを伝えたいのか・どこで配信されるのか・なぜ作る必要があるのか」をより深く考えることができ、クオリティの向上にもつなげられます。
Q. デザインがしっくりこない
うまくいかないと、どんどん時間が経って、締め切りが近づいて......焦りますよね。
デザイナー経験の浅いメンバーの場合「虫の目:細かい部分しか目が行かなくなっている」になっていることがあります。
「鳥の目:フカンして全体を見る」を意識するとヒラメキがあるかもしれません!
レイアウトがしっくりこない場合は、PhotoshopやIllustratorでレイアウトをすると時間がかかるため、まずは紙に描いてみると良いです。
また、似たテイストの作例をいくつか収集し参考にしながら調整するなど
アートボード自体を複製していろいろ試してみたり、
過去制作例を案件ごとのトンマナをくみ取ることを意識しながら見て
レイアウトの参考にするといったこともおすすめです。
なお、しっくりこないと感じられるケースは、
・要素の組み合わせ(レイアウト)の引き出しがない
・バナーのセオリーの配置がまだ身についていない
といった原因も潜んでいます。
引き出しを増やす、セオリーを身につけることも意識すると良いと思います。
Q. クオリティを上げる方法が分からない
デザインのクオリティを上げるには様々な視点の考慮が必要ですが、今回は「ビジュアル」にフォーカスします。
デザイナー経験の浅いメンバーには「優先順位」と「奥行き」そして「セオリー」についてお話ししています。
制作後のあるある
Q. 情報量が多いものだとゴチャついてしまう
入れたい文言がたくさんあると、全部同じくらい目立たせてしまうなど、ごちゃごちゃした制作物が出来上がってしまうケースです。
これは「情報設計」が上手くできていないことが原因です。
「情報設計」とは知識やデータの組織化を意味し、情報をわかりやすく伝え、受け手が情報を探しやすくするための表現技術のことです。
「デザイン」という言葉はビジュアル面のことと思われがちですが、「わかりやすく伝える」ことも「デザイン」の一つです。
わかりやすい例で言うと、文字ばかりのデザインの中で、文字をイラストで表現すると何の話か文字を読まずともなんとなく伝わるといったことです。
「レイアウトデザインの教科書」は実例がたくさん載っていてわかりやすいと思います。また、プレゼン資料の本は情報設計の勉強になります。
参考:バナーデザインのコツ11選!初心者が気をつけるべきポイント、ビフォーアフターも紹介
視線を引きつけるバナーデザインのポイント
Q. 制作したデザインが何か違うと言われてしまった
原因は、
1. 求めているテイストが違う
2. クオリティ面
のいずれかであると考えられます。
1. 求めているテイストが違うケース
相手が非デザイナーの場合、どんなテイストが良いのかが言語化できていないことで認識の相違が起きていることがあります。
「今回のターゲットは?どんなものが好きな人?」など質問するなど、相手にあった方法で一緒に探してみましょう。
(聞きすぎると相手が困ってしまうので注意が必要です)
デザイナーではない方が、デザインのプロである私たちにデザインの話をする際に「ダサいと思われたら」「否定されたら」等、ネガティブな気持ちになる方もいるので、「ダサいと言わない」「否定しない」ことに気をつけながら、話しやすい雰囲気を作ることも大切です。
結局は「手を動かす」ことと、営業やディレクターから言われたことの「意図を考える」を繰り返すうちに、自然と認識の相違が生まれにくくなるのかなとは思います。
2. クオリティ面のケース
トンマナがちぐはぐ、視認性が悪い、トリミング、配色……など様々な要因があると思います。
一人で悩まずに周りの人の意見を聞いてみましょう!
デザイナーではない方の意見も重要です。初見の意見が思わぬヒントになったりしますよ。
ADWAYSのクリエイティブチームでは、
・案件のことを知らないデザイナーに初見の印象を聞いてみる
・営業や運用担当者に見せてみる
・デザイナーたちが制作物を持ち寄ってデザインの話をする会でアドバイスをもらう(所属するチームによる)
といったようなかたちでフィードバック受けることが多いです。
番外編:就活中の学生さんからのよくある質問
Q. 美大やデザイン学科を出ていなくてもデザインの仕事はできるか?
ADWAYSには新卒や中途入社問わず、美大やデザイン学科出身ではない方も多くいるので心配しなくて大丈夫です。
・課題解決のために何かアイデアを考えることが好き
・多くの人に自分の作品を見て欲しいというよりかは、自分のデザインで特定の誰かの課題を解決したいと思っている
・人との対話が好き
といった性格や志向を持った方であったり、デザインに通じる活動をされていた経験やデザイン業務へ活かせる強みを持っているといった共通点はあるように思います。
デザインには「ビジュアル」だけでなく「設計」という意味もあります。
クライアントの商品の魅力をわかりやすく伝えるにはどうすれば良いか「設計する」というのも、デザイナーにとって大事なスキルです。
また、広告デザインは、ビジュアル作りだけでなく、リサーチや情報整理などもデザイン業務の一部です。関連する部分を強みに持っておくとデザインを仕事にするチャンスが広がります。
美大やデザイン学科出身の方と比べて、アイディア出しの慣れや知識量(セオリー、歴史、デザインに触れる機会)に差はあるので、意識してインプットやアウトプットすることをおすすめします。
Q. Photoshopを使えないがデザインの仕事はできるか?
特にIllustratorをメインに使っていて、Photoshopを使えないという方からご質問いただきます。
Photoshopが使えないとデザインの仕事(ADWAYSでの業務)に支障はありますが、ADWAYSでは入社後の研修でサポートしますので、初めは実務レベルに満たなくても大丈夫です!
これまでも、入社時点でPhotoshop経験のほぼない新卒社員が、研修を経て他のデザイナーと同じくらいまでの習熟度になり業務にあたることが出来ています。
Q. ポートフォリオ作成のポイントは?
どんな作品をどういう意図を持ってどう伝えるか?を考えポートフォリオを全体を考えていくと良いと思います。
その上で、情報や表現のポイントとしては、
・制作した過程や時間も載せる
・コンセプトに見出しをつけ、文章を長々読まなくてもパッと見でも意味が伝わるようにする
を抑えておくことをおすすめします。
「ADWAYSの就活セミナーのポートフォリオ講座」や「ViViViTのポートフォリオ百科」などを活用して、いろんな方のものを見たり、採用担当の方へ意見を聞いてみたりするとより良いポートフォリオに早く仕上がると思います!
Q. デザイナー職内定後、入社前までに何かやっておいた方がいいことはあるか?
PhotoshopやIllustratorに慣れておくとより良いです。
課題のように自分に課すとつらくなってしまうこともあると思います。ADWAYSでは入社後に研修があるので、入社前には自主制作などを楽しんで作ることを意識しながら慣れておくことをおすすめします。
作るものに悩んでしまう方は、デザイン模写をしてみると付随して再現方法を調べると思うので良いかと思います。
なお、ADWAYSでは、内定者の方へ実務に即したフィードバックありの入社前課題を行っているので、その機会を使って慣れていただくことができると思います。
その他にも、就活中の学生さんから頂いた質問にADWAYSの採用担当がお答えした記事もあるので、ぜひ合わせて参考にしていただければと思います。
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今回はデザイナー経験の浅い方へのアドバイスをご紹介しました。
デザイン制作の基礎的なことが中心になっているので、デザインを学び中の方も参考にしていただけると思います。
アドバイス内容は、頭でわかっていても上手く出来ないということが多いと思いますが、意識して取り組むことの積み重ねで徐々に制作の壁を越えられます。ぜひお役立て頂けると嬉しいです。
また、デザインスキルやその他について、ADWAYSのデザイナーやディレクター、採用担当者に聞いてみたいと思ったことがあったら、ぜひお気軽にマシュマロを投げて下さい。