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悩みの根本的な解決策

あなたの悩みを解決する方法論で世の中は埋め尽くされています。しかし私はその、悩みを解決するお役立ちスキルが役に立ったためしがありません。

あなたはどうでしょうか?

一瞬気づきを得ることができたとしても、次の悩みが押し寄せてきたりしませんか?

例えば、人間関係はこの言葉を使えばうまくいく!であるとか、仕事のできる人はこんな風に考える!とかです。

しかしそのような言説に触れて知見は増えたとしても、明日から嫌いな奴が好きになることは無いし(解ろうとはするかもしれませんが)突然仕事ができるようにはなりません。

他にも転職のお作法のような、あるいはその類の本は数多くありますが、「で?結局は私は転職すれば良いの?しない方がいいの?」と転職スキルはついたのに、なんだか結局うごけない。

悩むこと、思い煩うことや心の苦しみらしいです。むかし「バカの考え休むに似たり!手を動かせ!」って上司に言われてその時は少し腹が立ちましたが、今となってはその通りだなと思います。

私も、おそらくあなたもそうだと思いますが暇になった時や、安定している時に悩むことが多いです。どうにもならない時は悩みではなく、動かなくてはいけない状態に陥っているので悩みにはなりません。

コロナの時にそれはあなたも体感したのではないでしょうか?

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コロナ禍での自殺率のデータから読み解いてみましょう。

まず、自殺率については、警察庁と厚生労働省が発表した2020年の自殺者数(確定値)は、前年比912人増(4.5%増)の2万1081人と、11年ぶりに増加に転じたことが分かります。

また、2022年の自殺者数は、前年比503人増(2.4%増)の2万1584人と、2年ぶりに増加し、コロナ禍で高止まりしたことが分かります。

次に自殺の理由については、宮崎大学の研究グループが、自殺統計のデータを用いて分析を行った結果、男性では主に仕事のストレスや孤独感、女性では家庭・健康・勤務問題を動機とした自殺が増えていることが明らかになりました。

また、茨城大学の研究グループが、2.6万人の大規模全国アンケート調査のデータを用いて分析を行った結果、コロナ禍では、孤独感が日本人の自殺念慮に強い影響を与えたことが分かりました。

孤独感。つまりは暇になって考える時間が増えたことが自殺率の増加につながったのではないでしょうか?

暇な時に考えることは、こうなったらどうしよう?とか、ああすれば良かった。などのネガティブな考えです。忙しいときはそれこそ字の通り、心を無くしているのだから悩みなどないのでしょう。

しかし悩みというのはよくわかりませんが、結局のところ決断ができない状態なんですよね。なぜ決断ができないのでしょうか?おそらく私もあなたも理知的な生き物(人間)です。

だからこそ合理的な答えを出そうとする。だから悩むのです。合理的な問いならばそれ(合理的な答え)でも良いかもしれません。ですが結局のところ私やあなたの悩みは、好きか嫌いかで判断しなくてはならないものが多いです。

だからこそ「この答えは合理ではない、不合理だ!よって間違っている!」と、堂々巡りをしてしまうのでしょう。

好きか嫌いで判断するとはなんと幼稚なのだろう。そう思うかもしれません。しかし、合理的な答えが常に出せるほど私もあなたも賢いのでしょうか?

確かに無理矢理ならロジカルに答えを出せるかもしれません。しかしそれには無理があるので、結局のところ自分の好きな答えに道理を作っているだけです。

つまり結局好きか嫌いで判断しているのです。

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例えばあなたの悩みが転職だったとしましょう。この会社に居ればしばらくは安泰。他の同年代よりも年収が高い。だけど好きな仕事(例えばもっとチャレンジングな仕事)が見つかってしまった。

安定の今の仕事を取るのか?それともチャレンジングな仕事で生きるのが良いのか?はたまた、チャレンジングな仕事をスモールスタートして今の職場からゆっくりフェードアウトしていくのか?

悩んでしまいますよね。しかし、ほんとうは答えは決まっています。チャレンジングな仕事がしたいのです。でも合理的ではない。好きか嫌いで判断してはいけない。のような刷り込みのせいで決断できていないだけなのです。

決断できていない状態を人は悩んでいる。と言います。

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悩むということは、自分の価値観や目標に基づいて、複数の選択肢のメリットとデメリットを比較することです。

しかし、人間の判断は完全に合理的ではなく、感情や直感、先入観などにも影響されます。そのため、悩むときには、 incongruentな選択肢(自分の価値観や目標と合わない選択肢)を排除し、congruentな選択肢(自分の価値観や目標と合う選択肢)に絞り込む傾向があります。

また、悩むということは、自分の選択に対する責任を負うことでもあります。そのため、悩むときには、 regret aversion(後悔を避ける傾向)が働きます。

人間は得した時よりも損した時の方がダメージを受けます。お金を拾った場合と落とした場合で考えてみてください。お金を拾った場合嬉しいのは一瞬ですぐに使って忘れてしまいます。

しかし、落とした場合何かを購入しようとするたびに「あの時落としたお金があれば。」と考えてしまうのではないでしょうか?

転職でもそうです。転職せずに現在の職場にいた場合は特に何もありませんが、転職してちょっとでも嫌なことがあれば「やっぱりやめとけば良かった。」などとすぐ落ち込んでしまいます。

つまり、自分が選んだ選択肢が失敗したときに、もっとよかったと思える選択肢があると後悔するのを避けるために、そのような選択肢を排除する傾向が人間にはあるのです。

つまり自分で自分に制限をかけてしまうということです。

さらに、悩むということは、自分の選択に対する確信を持つことでもあります。そのため、悩むときには、 confirmation bias(確証バイアス)が働きます。つまり、自分が選んだ選択肢に都合のよい情報を探して、自分の選択を正当化する傾向があります。

例えば何かを購入しようとする時あなたはレビューを見ますよね?ほんとに欲しい!と思った時良いレビューを見ますか?それとも悪いレビューを見ますか?

おそらく前者の良いレビューを見るのではないでしょうか?つまり自分が選んだ選択肢の正当性を探そうとするのです。

これらの理由から、悩んで出した結論は自分の価値観や目標と合い、後悔しないで確信できる選択肢になる傾向があります。そして、そのような選択肢は、悩むたびに変わるものではなく、最初から決まっているものである可能性が高いのです。

ということは、悩もうが悩むまいがその問いに対しての答えは私もあなたも持っているということです。

では悩むことというのは無駄なことなのでしょうか?

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そもそも悩みとは、自分の現状と理想とのギャップによって生じる不満や不安です。しかし、人間は、自分の現状に満足すると、すぐに新たな理想を持つようになります。

これは、 hedonic treadmill(快楽トレッドミル)と呼ばれる現象で、人間の幸福感は一定の水準に戻る傾向があるということです。

また、悩みとは、自分の選択に対する不確実性によって生じる不安でもあります。しかし、人間は、自分の選択に対して完全に確信を持つことはできません。

これは、 counterfactual thinking(仮想思考)と呼ばれる現象で、人間は、自分が選んだ選択肢と選ばなかった選択肢との間に、何がしかの差があると想像する傾向があるということです。

さらに、悩みとは、自分の状況と他人の状況との比較によって生じる不満でもあります。しかし、人間は、自分の状況を客観的に評価することはできません。

これは、 social comparison(社会的比較)と呼ばれる現象で、人間は、自分の状況を他人の状況と比べて、自分が不利だと感じる傾向があるということです。

これらのことから、

悩むだけ無駄だと私は思います。

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私もあなたも、他人と比較して勝手に劣後感を抱いたり、起きてもいないことを憂いたりしてしまいます。それは自己と理想のギャップにより生まれます。

その上悩んで答えが出たとしても、また別の悩みでやっぱり悩みます。

つまり悩みが尽きる日は永久に来ないのです。だからこそ悩むだけ無駄なのです。

大体の悩みというのは、煎じ詰めれば解決しません。無理矢理解決っぽいことをしているだけなのです。

お金が無いから副業をする。使う量を減らす(出費を抑える)。転職する。どれにしても結果問題は解決しますし、別の悩みがやってくることなんて、さもありなんといったところでしょう。

副業をすれば会社にバレたらとか、使う量を減らせばQOLが下がった!とか、転職すれば前の会社の方が良かったんじゃ?とか。

解決策をとった後の自分が悩みそうなことなんていくらでも思いつくのです。だからこそ悩むだけ無駄なのです。

しかし、勘違いしてほしく無いのは、考えなくて良いというのではありません。考えて下した結果について後から悩む必要は無いということです。

どんな解決策だろうが結果悩みます。だからその時下した判断はベストだったと思えれば良いのです。

後から悩もうが一緒です。

最後に参考までに、

筆者も外国為替のトレーダーをしていた時に、ランダムウォーク理論の実践を試みたことがある。毎朝トレーディングを始める前にコインを投げ、表がでれば「円買い」、裏がでれば「円売り」という単純な方法で1カ月間取引を続けた。その結果は、経済のファンダメンタルズや投資家の動向、国際情勢など総合的に判断した場合よりも好成績だったのだ。余計なことは考えず、毎日「一か八か」の取引をしていた方がよいという事実は、自分を否定されたように感じられて、落ち込んだことを記憶している。

imidas

それでは、また、次回。

あどりでした。

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