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「若者の地方離れ」はいずこへ?地方に興味津々な若い人たち

暑いですね。未来デジタルラボ研究員の鈴木です。こんなことを言うと反感を買いそうですが、筆者は今月は北海道、来月は長野県からリモートワークと洒落込んで、涼しい環境でちょっとだけ仕事をする予定です。リモートワークってこういう時にいいですね。

「わくわくする未来」ということをこの未来デジタルラボではたびたび口にするのですが、豊かな自然があったり独特の文化があったりと、魅力ある地方に長期滞在しながら働くというスタイルが当たり前になることも、またわくわくする未来の一つではないかと思います。


1)ラボ学生研究員たちの興味は「地方創生」!?

このnote上でもお知らせした通り、先日未来デジタルラボで学生研究員の募集を行ったのですが、非常に多くの方から応募をいただきちょっとびっくりしました。また、その中から「地方創生」に関係するプロジェクトに参加したいという希望が最も多かったということで、もう一回びっくりしました。

私が言うまでもなく、現在地方には多くの課題があります。過疎、高齢化、空き家、それらに伴い自治体の財源減少。他にもまだまだありそうですね。これらの課題の多くに関わってくるのが「若者が都会へ出ていってしまう」という現象です。そのような本来地方を離れていく側であるはずの若い人たちが地方創生に興味がある、というのは、はて、どのような背景からなのでしょうか。めちゃくちゃ会うのが楽しみになっています。

2)SNSがクリエイティブを社会へ広げ、地方創生のきっかけに

ちゃんとしたデータがあるわけではないのですが、インバウンド観光客の方や、若い人が旅行先を決める時の情報源に近年SNSが重要な役割を果たしているのは間違いないでしょう。いわゆる「映える」写真がきっかけに、そこに行ってみたいと思う人が世界中に広がり、おもわぬ経済効果を生むことがあります。

しかも、自治体の「公式アカウント」が成功しなければならないかというとまったくそんなことはなく、漫画やアニメの「聖地」としていつのまにかファンの間で盛り上がっていた、なんていうこともあるようです。『スラムダンク』の踏切みたいなパターンですね。SNSを通して見る「地方」はまったく違った風景に映っているのかもしれませんね。

アドビ的にはやはりここで「クリエイティブの果たす役割」というものを感じずにはおれません。それは聖地を扱ったプロクリエイターの作品から、旅行中のスマホ写真まで、クリエイティブがなんらか人の感性を刺激し、行動を促していると思いたいです。

漫画『スラムダンク』のファンから「聖地」として親しまれる、神奈川県鎌倉市の江ノ島電鉄・鎌倉高校前駅そばの踏切。多くの観光客がこの踏切を撮影しに来る。

3)クリエイターにとってSNSは「課題解決のための発信の道具」。では、SNSを活用して地方の課題を解決できるか?

ただし、なるほどクリエイティブバンザイ、みんながクリエイターになればそれで万事解決、はい、以上!と、いうほど単純な話ではありません。

オーバーツーリズム、と言う言葉があり、SNSなどで観光地の魅力が世界中に発信されたことで、その地域の交通インフラなどのキャパシティを超える人が集まってしまうことを指すようです。結果的に観光に訪れてもあまりいい思いをできずに評判が落ちてしまうこともあるでしょう。

また、観光客は多く訪れても定住して働き手となってくれる人はまだまだ足りていないと思いますし、それは映えスポットがあれば解決する問題ではありません。地方の活性化はちょっと掘り下げただけでもいろいろな課題が見えてきます。

SNSの例ばかりで恐縮ですが、一方でクリエイターたちはSNSを「課題解決のための発信の道具」と捉えはじめています。

アドビが2022年に実施した「Future of Creativity」調査では、クリエイターは、自分の創造性と影響力を使って社会問題を解決することで、認知度を高め(51%)、声を上げることができ(49%)、社会問題に対する意見を述べやすくなる(47%)と考えています。

ここで言うクリエイターとは、月に1回以上自分のクリエイティブで情報発信する人、という広い定義です。確かに、ざっとSNS上をパトロールしてみただけでも社会的な課題に対し提言や共感の声を上げている人は多く、その中でも地方創生をテーマで発信している方を少なからず発見します。こうした活動を学生研究員がどう視野に入れてくるのかも気になるところです。

4)学生研究員とのプロジェクトで、我々運営が気をつけるべきこと

ここで我々運営が気をつけなければならないと思っていることが2つあります。まず、経験があることを背景にウザがらみしてくるおじさん・おばさんになってしまうことです。

たとえばプロ野球の伝説の大投手がコーチになった時に「ワシらの若い頃はとにかく走ったもんや。投手というのは走らなアカン。」と自分の考えを押し付けてしまうようなやり方です。ウザいですね。ちなみになぜ関西弁なのか、この例え自体がすごい偏見ですみません。ともかくこうした予断を押し付けることなく語ってゆきたいと思います。

もう一つは、イベントのパネルディスカッションなどでよくみられる、既にお互いが合意している結論をわかった上で会話を交わしてしまう、いわゆる「予定調和」というものです。

誤解なきようにお願いしたいのは、しかるべきメッセージを啓発する上で予定調和的なディスカッションも時に必要です。

ただし、未来デジタルラボでは、これからの未来を描く若い研究員の目には何が映っているのか、彼らに感じているままのアイデアを形にしてもらおうと考えています。

学生研究員が地方の未来をどんな風に描いているのか、楽しみで仕方ありません。

鈴木 正義(すずき まさよし) 執行役員 広報本部長
IT企業での広報経験○十年で、なんとなく技術がわかっている風を装うスキルを身につける。社会人ラグビーチームクリーンファイターズ山梨でも広報を担当し、選手の撮影からSNS投稿、動画制作、などでアドビツールを駆使している自称体育会系クリエーター。未来デジタルラボ全体のリードを担当。幕末好きで、未来デジタルラボを令和の松下村塾にすると謎の大志を抱いている。

先月の2023年6月の研究員の独り言はこちら

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