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Z世代は生成AIにアイデアをもらえることを期待!「生成AIに対する意識と使用実態調査」

こんにちは!アドビ未来デジタルラボ編集部です。

アドビの調査を元に編集部からアドビ研究員へインタビューし、理解を深める『Survey深読み』。今回は、本日2023年10月26日に公開した「XYZ世代間の生成AIに対する意識と使用実態調査」の結果から、ブログで紹介しきれなかった設問をアドビ研究員の西山が紐解きます。


1)「XYZ世代間の生成AIに対する意識と使用実態調査」とは?

編集部:西山さん、本日はよろしくお願いいたします!早速ですが、この調査は何を知ろうという試みだったのでしょうか?

西山:よろしくお願いします。この調査は、アドビ未来デジタルラボとして実施したものとなります。
今年は、生成AIの関心がとても高まっていますよね。

編集部:確かにそうですね!noteでも生成AIに関する記事を多く執筆しています。

西山:そういった状況下で、生成AIという新しいテクノロジーは、世代によって受け取り方や使い方にどのような違いがあるのか知りたいと思ったのがきっかけです。

私たちアドビにとっても、生成AIは、「Adobe Firefly」などで製品を展開しているテクノロジーですので、フォーカスして調査することにしました。


2)質問:生成AIを使うとクリエイティビティが向上する?

編集部:まずは、調査結果で編集部が気になった点を、詳しく伺っていければと思います。まずは、生成AIの使用とクリエイティビティの相関についての設問です。

調査によると、生成AIを通し自分のクリエイティビティが向上すると思うかという設問には、「向上すると思う(9.9%)」「やや向上すると思う(35.6%)」と、合わせて約半数の45.5%が向上すると答えました。

「XYZ世代間の生成AIに対する意識と使用実態調査」の結果より

西山:アドビは生成AIを「クリエイティブをサポートする副操縦士」として位置付けています。だからこそ、約半数の方が生成AIはクリエイティビティを向上するものと捉えている結果に、私自身も大きく共感しました。

生成AIに対する世代別のイメージでは、Z・Y世代では「おもしろいコンテンツを生み出すもの(Z世代39.0%・Y世代34.0%)」が最多となっていることと踏まえると、彼らは新しいアイディアやデザインを提示してもらえることへの期待が高いのではないでしょうか。

編集部:なるほど!Z・Y世代の方は、自分自身の発想力にも良い影響があると考えているようですね。


3)質問: 生成AIの学習に、自分のクリエイティブが利用されてもいい?

編集部:続いては、ブログでは紹介していなかった設問についても、結果を見ていきたいと思います。生成AIの学習に自身の制作物や成果物が利用されることに対し、どんな条件なら利用されて良いかと聞いたところ、「利益の還元」や、「クレジット(著作権)の表記」に回答が集まりました。

こちらについては、どういった感想をお持ちでしょうか?

「XYZ世代間の生成AIに対する意識と使用実態調査」の結果より

西山:まず、純粋に「利用されていい」だけを合算すると、過半数を超える人が、生成AIの学習に利用されることに前向きに捉えていることが分かります。ただ、そのうちの8割は、「利益の還元」や「クレジット(著作権)記載」など、条件の必要性を感じている人が多いようですね。

これは、生成AIの利用に対して、少なからず不安を感じている方もいるという結果であるように思います。ここでお伝えしたいことは、わたしたちアドビはクリエイターの味方だということです。作品を作った人が守られる仕組み作りが重要であると考えています。

編集部:そうですね、では、どんな仕組みづくりがあると良いのでしょう?

西山:具体的には、学習に使われたオリジナルの作品を持つクリエイターが経済的にネガティブな影響を受けないために、生成AIの悪用を未然に防ぐ仕組みです。現在、アドビでは、こういった仕組みを具現化するため米国連邦議会に対し、なりすまし防止権(FAIR法)の提唱を行っています。

なりすまし防止権(FAIR法)は、AIツールによって意図的かつ商業的に自分の作品や肖像になりすましているものに対して、クリエイターが裁判を起こすことができようになります。これによって、著作権やフェアユースに関する法律だけに頼ることなく、クリエイターが生成AIを悪用する人々から生活を守れる新たな仕組みとなるわけです。

編集部:なるほど!そういった取り組みがあると、クリエイターも安心して生成AIとの共存をして行けそうですね。


4)質問:生活の中で目に触れる生成AIは、どの程度ある?

編集部:最後の設問も、note限定でのご紹介となるものです。普段の生活で生成AIをどのくらい目にするか、現在と5年後でどう変化すると思うかを聞いたところ、現在の生活で目に触れるAIの比率を「40%以上」と15.3%の人が答え、5年後の生活で目に触れるAIの比率を「40%以上」と答えたのは、47.6%に上り、32.3ポイントの差が見られました。

「XYZ世代間の生成AIに対する意識と使用実態調査」の結果より

西山:調査結果の通り、生成AIはこれからの生活において、目に触れる機会は増えていくと思います。これは、生成AIは生活の中に自然と溶け込んでいくことを差し示していることでしょう。

繰り返しとなりますが、アドビは生成AIを「クリエイティブをサポートする副操縦士」として位置付けています。今年3月に発表以来、継続した機能拡張を図っている「Adobe Firefly」は9月には正式リリースとなり、商用利用可能となりました。今後も、アドビは生成AIの製品やサービスへの展開を広げるとともに、すべての人にクリエイティブの可能性と創造性を広げ、”Creativity for All:すべての人に『つくる力』を”を実現していきたいと改めて考えています。

編集部:西山さん、本日はありがとうございました!


西山 正一(にしやま しょういち)
デジタルメディア事業統括本部 DX推進本部 常務執行役員 兼 Chief Digital Officer

2001年にアドビ 入社。マーケティングの立場からサブスクサービスへの移行に取り組む。後に営業部でアドビ のExperience Cloud製品をフル活用したeCommerce事業の推進に携わる。2022年9月にChief Digital Officerに就任。新しいテクノロジーはとりあえず試してみるのがモットーのガジェッターであり、音楽好きで魚釣りが趣味の食いしん坊。嫌いなものは「臨時休業」と「赤文字で『回送』と表示されているタクシー」。


「XYZ世代間の生成AIに対する意識と使用実態調査」の詳細はこちら

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