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デザイナーや起業家のためのメタ思考トレーニング

こんにちは。Q&Qのあどにゃーと申しますにゃ。

突然ですがメタ思考ってご存知でしょうか。漫画のキャラが「こんな書き込み量多いと作者が大変」とか「これは漫画だから死なない」とか言っちゃう発言をメタ発言と言ったりしますね。Wikipediaによるとメタ思考は下記のように定義されています。要するに、客観視点を持つことで、自分の考えがお客様に受け入れられるものか冷静に考えることですね。

ものごとや経験に対して正しい理解を行えているかなど、自分の認知行動を正しく知る上で必要な思考のありかたを指すこと

メタ思考が大切な理由

デザイン思考でMECE(抜け漏れなし)に考えようといわれますが、人間の思考というのは生活してきた環境や個性でどうしても偏りがでます。残念ながら自分自身ではその偏りがでていることにすら気づけないことが大半です。これを認知バイアスと呼びます。

特に起業家・デザイナー・クリエータという職業はお客様に自分の創造したモノを届けて、受け入れてもらうことが仕事です。この人々にとってメタ思考でバイアスを回避することは非常に重要です。例えばテレビのリモコンをデザインするとしましょう。美しさを優先したいためにボタンを1個にして、その1個のボタンで全てのチャンネルを切り替えるデザインにしたら、お客様は困りますよね。すこし極端な例でしたが、起業家やデザイナーは自分のコダワリが最大の武器でありますが、場合によっては独りよがりになり最大の欠点になることもあります。ではどうすれば、独りよがりを回避することができるでしょうか。

独りよがりの対策

自分の意見に固執しないように、いろいろな回避策が存在します。すでプロトタイプが実装できている場合は、A/Bテストユーザビリティテストが有効です。

ABテスト
ユーザーをランダムにAとBのプロトタイプにふりわけて使ってもらい、AとBのどちらが成果指標が高い値が出るかを判断する手法
ユーザビリティテスト
特定の少数ユーザがプロトタイプを使うところを観測して、想定していなかったツマヅキや課題ポイントを実際の操作から見つける手法

これらは既にプロトタイプを実装していれば強力なツールになることもありますが、まだアイデアの段階ではなかなか使うことが難しいです。アイデアの段階では、アンケートによる認知バイアスの回避が一般的です。

アンケート
複数の人に定型化した質問をすることで、ユーザのニーズを明確化する手法

アンケートはまだ作っていないアイデアに対してユーザのニーズがわかるため、非常に多様されるツールですが、そこには別の認知バイアスの罠が潜んでいます。

アンケートの罠

アンケートの認知バイアスの罠を示す上ではマクドナルドのサラダマックの事例が有名でしょう。マクドナルドは日夜、新しいバーガーの検討をしており、まだ見ぬ新しいお客様の需要をヒアリングするためにアンケートを実施しました。大量のお客様から得られたデータが示すのは、「ヘルシー」で「野菜」を使ったものがほしいという結果でした。そこで、満を持してサラダマックを開発してリリースしますが、一切売れません。一体なぜでしょうか?

マクドナルドに来るお客様は、ハンバーガーを食べに来ている時点でそもそも健康的なものを求めていないのです。それでもお客様は、そんなことは思いもせず、「最近脂っこいものばかりたべてるからヘルシーなものを食べないとなぁ」とヘルシーを選択してしまうのです。実際にプロトタイプをテストしないアンケートでは、お客様自身の思考にもバイアスがかかってしまうわけです。データや数値がお客様の無意識のバイアスによって嘘をつくという事実は、非常にクリティカルです。数値から分析するデータアナリティストでもお手上げでしょう。しかし、これを回避できないとデザイナーや起業家にとっては的外れの試作に時間と費用を費やすことになりピンチですね。どうすれば対策できるでしょうか?

認知バイアスの対策する方法

大体こういう場合、書籍では対象を深く観察して本質を見抜くことで、データ上は見えてこない潜在的な欲求に気づくことで対策すると書かれています。でも、自分の独り善がり・認知バイアスに簡単に気づけるなら苦労はしません。そこでQ&Qの出番です。Q&Qは自分の主張に、他者視点の質問を付与してもらうことで認知バイアスを回避して自分の主張を深めるためのサービスです。一度Q&Qでテーマを深めておくと、アンケートで陥る罠も回避することができたりします。

Q&Qによるバイアス回避の例

話をわかりやすくするため、具体例でやっていきましょう。今回のテーマは「バナナはおやつに入るか?」にしたいと思います。入らない派が多数な気もしますが、人によって意見がわかれ、曖昧になりがちなテーマなのでQ&Qの実例として使わせていただきます。

イシューを立てる
まず[+]ボタンで深めたいテーマ・イシューを立てます。今回は「バナナはおやつに入りますか?」ですね。

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自分の主張を記載する
次に自分の主張を書いてみます。自分で「入ると思う?」と質問を書いて、自分の主張「入らないです。なぜならおやつは間食のことを指すからです。バナナは間食より朝食で食べる割合のが高いので、おやつではないです。」と記載してみます。これで準備完了です。
認知バイアスを自分でブレイクできる一流のデザイナーや起業家は数珠つなぎで自問自答で他の視点をつないでいけるかもしれません。とはいえ、それは難しいので、他者から質問をもらいます。

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他者から質問をもらう1
ここで他者から「ドライバナナやチョコバナナはどうですか?」と質問がきました。バナナはバナナでもチョコでコーティングしたり砂糖でコーティングしたケースですね。なるほど、この視点は抜けていたってことありますね。しかし、冷静になると先ほど「おやつは間食」と定義したので、ドライバナナやチョコバナナは間食のため、おやつに入るといえそうですね。

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他者から質問をもらう2
他者から「朝食でたべるバナナパンやバナナケーキはどうですか?」と質問が来ました。おやつの定義を間食とすると、朝食でたべているならOKとなりそうですね。これは困りましたね。でもなんとなく、パンはOKだけどケーキはNGの気がしてきますね。

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他者から質問をもらう3
他者から「間食でしかバナナを食べない人にとってはおやつにはいりますか?」と質問が来ました。おやつを間食とするとそのとおりですが、人によっておやつの概念が変わると先生の立場としては困りますね。このメインか間食かは人によるという視点も抜けていたので、助かりました。

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結論を結ぶ
人に食事スタイルによって定義が変わらない、それでいて、バナナケーキやチョコバナナはおやつ側に入れたいというストーリーが見えてきました。ここで、「バナナはおやつに入らない。加工したバナナは駄目だ」とすると誰にでも適応できて、かつ大枠は抑えられそうだと気付き、それを結論とします。このようにして、自分のアイデアの主張に他者視点を加えていくことで認知バイアスを回避していきます。

Q&Qについて

Q&Qは先程のようにアイデアや問いを自分で深めたり、他人の視点を加えることで深めたりするためのサービスです。スタートアップのアイデアに落とし穴がないか検証してみたいという方や、デザインのアイデアがお客さんに成立するか深堀りしてみたいという方はぜひ使ってみてください。

最後までありがとうございますにゃ。

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