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タスク管理ができないリーダーへ

中間管理職やチームリーダの方で、チームの進捗を管理してプロジェクトを遂行しないといけない。でも、リモートワークで話す機会も減りタスク管理がうまくいかず進捗が把握できない。そういうリーダへ向けた記事です。

タスク管理は難しい

タスク管理を行う上でJIRA, REDMINE, TORELLOなど様々ありますが、何を使ってもなぜか開発が遅れたり、想定通りにプロジェクトが進まないことってありませんか?
はい、私のことです。

私は大手メーカでプロジェクト開発リードの仕事をしていますが、進捗管理をうまくできないことが多々あります。リモートワークも加速して最近はますます難しくなりました。

チームの若手メンバーにタスクを依頼して、2日ほど進捗がない。
確認してみると
「優先度の高い問題をやっていたが難しくて進んでいない」
なんてことがよくあります。
それなら別の簡単なタスクを依頼したほうがよかった、もっと要素分解しておけばよかった…ということが積み重なってスケジュールが遅れていきます😂

「取り組む問題の優先順やアサインを決めたのはリードの私だけれど、若手メンバーがもっと早く止まってることを言ってくれたらやりようがあったのに」と思うことはたくさんあります。

JIRAやREDMINEでボード管理しているのに、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

タスク管理ツールはタスク中心

タスク管理ツールは文字通り、タスクを管理するツールです。タスクの状況に焦点を当てることで、プロジェクトの進捗を可視化して品質・日程を担保しようとするツールになります。

なぜタスクに焦点を当てているのかというと、チームのみんながタスクをこなせることを前提にしているからです。これは、ジョブ型雇用の欧米の思想にルーツがあるからだと思っています。

ジョブ型雇用では、採用された方の専門性はある程度担保されており、その人が専門分野のタスクをまったくこなせなかったり、全然違うことをやってしまったりする事は想定されません。なのでタスクを中心に据えて管理することでスムーズな進捗把握ができるというわけです。
いかにも論理的な欧米チックな考え方です。

日本でもそのまま当てはめられるでしょうか?

できていないのはメンバー管理

日本はメンバーシップ型で一括採用なので、チームの中には教育が必要なメンバーやまだ開発経験の浅いメンバーが混ざることがあります。経験の浅いメンバーにはタスクの粒度を下げてあげたり、どこで詰まっているのかを確認してあげたりと、タスク中心ではなく、その人に寄り添う「人中心」の管理が必要です。

全員がジョブスペシャリストの前提でタスク中心の管理を日本で行うと、チーム内の経験レベルの凹凸により、タスクの進捗が穴だらけになります。タスク中心の管理ツールは、チームのメンバー全員のスキルが一定以上あるという信頼の下に成り立っているのです。

日本の場合、まずはメンバーの1人ひとりがどれくらい仕事をこなせるのかというところの信頼関係を構築しないといけません。この信頼関係なしにいきなりタスク中心のタスク管理ツールを押し付けると、「なぜかよくわからないけど彼は全然タスク処理が進んでない」という管理結果だけが目につくようになります。

タスク中心で考えると経験の少ないメンバーを攻めてしまう結果になるので、要注意です。あくまでも、まずは人が中心の管理で信頼関係の構築が必要です。タスク管理以前にメンバーと信頼関係を作るメンバー管理ができていないのです。

どう解決したか

最初はteamsやslackで、タスク進捗の遅い若手メンバーにまめに進捗を確認するようにしました。
しかし、これはすぐに限界が来ました。
・聞いた質問には回答してもらえるけど聞かなかった部分は不透明のまま😂
・自分の業務も忙しくてケアし続ける時間が足りない😂

チャットは対話ツールなので聞けば回答はもらえますが、自分が問いかけない部分は不明なままです。すべてについて、どこで詰まっている、どこで悩んでいるとかを問いかけるには相当時間を割かないといけません。

下手すると何回も通話することになり、自分の受け持つ開発が止まります。流石にそこまでリソースを割いてしまうと今度は自分の受け持つ範囲の進捗が遅れてしまいます。

逐次確認しなくてもメンバーを管理する方法はないのでしょうか?

なければ作ればよい

人中心のタスク管理ツールがないなら作ればよい」ということで、同じ悩みをもつ開発リードの友達数名と作ったサービスを使って、タスク管理をしています。

マインドマップ風の毎日進捗管理用のツリーをたてます。そこに各メンバー個別にふせんを貼ってもらい、1時間に1ツイートくらいノリで簡単に進捗を書いてもらっています。タスク管理とコミュニケーションツールの間のようなツールでタスク進捗を書いたり、チャットしたりできます。

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自発的に書き込んでもらえる

SlackやTeamsのチーム内で若手が独り言を書き込むのは難しいですが、自分のふせんのブランチの下で「今何をしているか」を書き込むのは、心理的抵抗が下がります。Teamsではリーダ側から問いかけた事にしか答えてくれなかった若手メンバーたちも、自発的に進捗を書き込んでくれるようになりました。

自発的に書き込んでくれれば、どこで詰まっているか、優先順がまちがっていないかということがわかりやすく、業務の把握がしやすくなりました。

ベテランのタスク処理が見れる

周りのブランチでベテランの人の開発のふせんも見れることで、効率の良い先輩たちがどういう風に開発をまわしているかを把握できるという効果も生まれました。

完璧ではないけれど

本来は、同じ部屋でFace to Faceで顔をあわせて開発するのが一番効率が良いかもしれません。同じ部屋にいれば困っている事や進んでいない状態も雰囲気でわかるからです。

しかし、リモートワークの中で新たな開発の仕方を模索して、ベストではないかもしれないけど、改善が見られる方法を見つけたのが「人中心」のタスク管理でした。

タスク管理は業務上で必ず行わないといけないことですが、まずは信頼関係を構築することを意識して、人を中心に管理することを考えてみてください。チーム内の信頼関係が築けて初めて、タスク管理が機能するのだと思います。

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