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日本一危険なテーマパーク?「養老天命反転地」

こんにちは。長引くコロナ禍で運動不足のRYUです。たまには太陽に当たって運動しないと健康を害しそうですが、かといって都会の密なスポットに行くには気が引けますよね。そんな昨今の貴重な外出の選択肢の一つとして、名古屋近郊の「密にならない個性的な屋外スポット」を紹介したいと思います。

通称「日本一危険なテーマパーク」

今回ご紹介するのは、岐阜県養老郡養老町にある「養老天命反転地」。名古屋高速(首都高速の名古屋市版)の圏内から養老ICまで40分くらいで到着するので、地元の方にはお手軽なテーマパークです。鉄道なら近鉄の桑名かJR大垣で「養老鉄道」に乗り換えて、「養老駅」で下車します。

施設名も風変わりですが、中身はもっと変わってます。アーティストの荒川修作氏と詩人のマドリン・ギンズ氏が30年にわたってコンセプトを練り上げた共作で、施設全体が巨大な前衛アート。個々の作品がメッセージを発しています。最近はTV「スマスマ」で菅田将暉さんが来訪したり、「日向坂46」の撮影に使用されたりすることで、徐々に全国区の認知も得ているようです。ではさっそく入場してみましょう。

養老天命反転地記念館

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最初に登場するのは、館内が全て迷路になった「養老天命反転地記念館」。地面が強く湾曲していて、かつ壁や天井も重力に逆らう作りになっているので、平衡感覚を失います。普段の生活では使わない感覚を刺激される感じが最初からジワジワ来ます。

昆虫山脈

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次は、なぜかタイトル「昆虫山脈」。這い上がるには脚だけでなく手も使う必要があるので、よじ登る感じを「昆虫」と表現したのでしょう。山頂にはポンプがあり、水を求めて這い上がる人間の姿はたしかに昆虫っぽいです。しかしこの岩、ひとつひとつクレーンでよく積んだものだなと・・。

極限で似るものの家

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こちらはタイトル「極限で似るものの家」。ご覧の通り、施設内は平らな部分が皆無で平衡感覚を失います。どの柱が屋根を支える構造材なのか?外見からはわかりませんね??どの柱も直立していないので、建築する難易度が高そうです。舞茸のような天井は、岐阜県の形になっているらしいです。

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内部にはベッドがあったりキッチンがあったり、家としての機能がワイルドに表現されています。

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上を見上げると同じようなパーツが天井にも配置されていて、このへんが「反転地」の由来になるようです。上下の感覚も「反転」してみたわけですね。

精緻の錬

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こちらは広大なスペースが、またまた平衡感覚を失う構成で展開されています。手前に「穴」や「溝」が見えると思いますが、これらは本当に「穴」と「溝」。浅いところでも1.3mくらいの深さがあり、一度降りたら大人でも容易には出られません(汗)。靴の跡が多数ありますが、これらが這い上がろうとした人たちの形跡かと思います。

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山頂側から見ると、かなりの急斜面であることは分かると思います。手すりは一切ありません(汗)。山頂まで登ると、この風景の反対側にこのテーマパークのメインスペースがあります。振り返ると・・・

ウォール・マリア?

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野球場1つくらいは入る大きさで、壁の高さは裕に10m以上あります。「進撃の巨人」のコスプレに良いかも??ご覧の通り高低差が非常に大きいので、登り下りには相応の体力が必要です。また、ここも例によって平らな部分が無いので、常に平衡感覚を問われます。

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ウォール・マリアの外周をつたって行くと、やっと一人が通れるくらいの通路が出てきました。説明が全く無いので行くべきか?躊躇しますが、ここは行くしかないでしょう。

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緑の屋根の下の部分にも通路は続いているのですが、照明もなく真っ暗です。反対側まで抜けられるのか?と思ったら唐突に行き止まりになり、もと来た道を戻ることになります。ちなみに、この通路も平らな部分はなく、「平衡感覚崩し」は徹底しています。

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ウォール・マリアの足元。いかに傾斜が大きいか?分かってもらえると思います(汗)。あちこちよじ登るには、全身の筋肉が必要です。

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樹木も真っ直ぐ生えていません。植物さえも騙される平衡感覚? 壁の上からは、東の方角に名古屋市内の高層ビルが望めます。登山したような爽快感です。

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壁の西側には養老山脈が連なっており、こちら側の風景もなかなか良いです。ちなみに昔話で有名な「養老の滝」も近くにあるので、来訪の際はぜひセットで。では最後に、冒頭の「あの件」についてまとめてみます。

危険かどうか?の検証

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こちらのテーマパーク、急斜面の連続で平らな部分が無いので、常に平衡感覚と筋力を要求されます。さらに「手すり」もほぼゼロなので、確かにボーッとしていたら転びます。

でも、考えてみると・・・人間は元々、危険がいっぱいの自然界の中で平衡感覚や筋力を養いながら暮らしてきたんじゃないでしょうか?私たちは「安全な生活と引き換えに、人間が本来持っている能力を失っている」ことを、このテーマパークは呼び覚ましてくれているように思います。

見た感じ客層はカップルとファミリーが殆どで、就学年齢未満のお子さんも多数来園して楽しんでいました。普通に注意を払っていれば危険までは感じないので、関心がある方はぜひお試しください。ただし、運動靴と両手が使えるリュック系のバッグは必須です!! (RYU)