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「応援」というリソースを、数多あるプロスポーツチームが奪い合う時代に突入している

サッカー日本代表、やりましたね。ドイツ代表に続きスペイン代表も撃破し、ノックアウトステージに進出。

まだ見ぬベスト8というステージへ。そして、さらにその先の高みへ。ベストを尽くして欲しいと思います。

さてさて今日のnoteは、「今朝の日本全体の熱狂ぶり」と「ここ最近感じていたこと」が結構リンクした気がしたので、そのことについて少し。

「応援」って、この世の中の総量に限界がある"リソース(資源)"だと思うんですよね。ここからは「プロスポーツ」という括りに絞って書いていきますが、「応援」にも色々な形があります。

"贔屓チームの試合日程=自分のカレンダー"になるような極めてクレイジーな「応援」もあれば、試合結果はチェックしてるよ〜テレビでやっていればリアルタイムで見るかな〜くらいの「応援」もある。

今回のワールドカップのように「なんかみんなが盛り上がってるから、一緒になって応援したい」も、もちろん「応援」に含まれます。

ひと口に「応援」といっても、それを構成する熱量、投じる時間やお金、自分の生活における位置付け、はたまた応援する理由などは本当にバラバラです。

そして、お金や時間などの可視化できる要素も、熱量やモチベーションなどの可視化が難しい要素も、全てには限りがあるはずです。

僕がコンサドーレ(サッカー)を応援しているからといって日本代表の試合を一生懸命応援するわけではないですし(今朝も普通に寝てた)、複数のスポーツに応援しているチームがあったとしても、その全てに平等にお金や時間を投じることはできません。

(自分の話が続いて恐縮ですが)僕は2004年〜2013年頃までにファイターズの試合を通算200以上現地観戦し、12球団本拠地も全て制覇するくらいには遠征もしましたが、コンササポになった2013年以降の現地観戦は両手で収まるほどです。

僕たちは、プロスポーツチームを「応援する」という行為をするときには、自分の中にある限られたリソースを知らず知らずのうちに配分しているのです。

ここ数年、"地域"に根付かせる形でのプロスポーツチームへのエンパワーメント、新規設立がとても盛んです。

これまで一部のトップリーグの陰で目立たなかったカテゴリにまで光が当たったり、プロ化が難しかった競技にプロという可能性が生まれてきたりしていることは、とても素晴らしいことだと思います。

一方で、この流れが加速すればするほど「応援」というリソースの奪い合いは、さらに過激になるのだろうなとも思っています。「地元だから」という理由で応援自体はしてもらえるかもしれませんが、その中に熱量や時間・金銭がどこまで伴うかはまた別の話です。

応援する"理由"も、応援者の内側から湧き上がってくるモチベーションでないと、持続可能性に少々欠けるでしょう。

僕が今危惧しているのは、このような状況下で「社会通念上許容される範疇を超えた勝利至上主義」という考え方が出てこないかどうか、ということです。特に、どちらかというとマイナーなスポーツで。

道内ではファイターズに次ぐ観客動員数を誇るコンサドーレでさえ、J2にいる時代には人々になかなか「応援」のリソースを割いてもらえませんでした(今もまだ十分ではない)

もっと大事なものがあるだろ!と言いたくなる気持ちはあるものの……より多くの人を巻き込むために最も強力なピースは、「勝利」であり「強い」であるのは、もはや抗いようのない"事実"なのです。

ここから目を逸らしてはいけませんが、だからこそ過熱しすぎないかも少し不安に感じます。

これからこの国における「プロスポーツ」がどう在るべきなのかは、僕にはわかりません。

ただ確実に言えるのは「なるようになっていく」ということであり、無理にでも続けていくことが必ずしも幸せの最大化に結びつくかどうかはわからない、ということです。

世の中の動向は常にチェックしつつ、僕は僕なりの"リソース"配分をしながら楽しもうと思います。

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