お客様は神様?いやいや、お店がお客さんを選ぶ時代ですよ、今は
昨日は、お店のファンになってもらうための4つの要素(人・商品・空間・体験)を挙げました。
詳しくは昨日のnoteを見ていただければと思うんですが、要するにこれらの要素に磨きをかけて、自分のお店の魅力を高め、そしてファンになってもらいましょう、というお話でした。
今日は、どんな人にファンになってもいたいか?という話をしようと思っていたのですが、その前段階の「お客さん選び」の話をします。
ちょっと待って、お店にお客さんを選ぶ権利なんてあるの?
色々と細かい補足条件をすっ飛ばして結論から言うと、僕は「ある」と思います。むしろ、良いお店を作るためには選ばなければいけないと思っています。
イメージを掴んでもらうために、たとえ話から始めますね。
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無駄な装飾をしない、シンプルで落ち着いた内装が人気のA(仮名)というお店があります。店内は控えめな音量のJazzが心地良く流れる、とても心落ち着く空間。僕も好きで、月に1度は訪れています。
基本的には読書をしたり、書き物をしたりと自分の時間をゆったりと過ごさせてもらうのですが、たまーにこんなお客さんと居合わせることがあります。
「うちの旦那が○○でさぁ、ありえないよね!」「△△さんのところ、~~らしいわよ!」
お茶をするために訪れた、奥様方の会話。別に聞きたくもないのですが、何せお声が大きいので、イヤでも耳に入ってきます。
せっかく静かな心地良い空間に来ているのに、見ず知らずの人のものでも愚痴や悪口、マウントを取るようなトークを聞かされるのは……いい気分がしませんよね。
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たとえがちょっと長くなりました。
ひとことで言うと、「お店側が頑張って作った空間を、お客さんが何気ない言動でぶち壊すリスクが十分にある。だから、お客さんを選ばなければいけない」という話ですね。
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客商売である以上、そのような態度を表明しづらいのは重々承知です。
ただ、本当に自分のお店を好きになって、応援してくれる大事なお客さんのためにも、望まないタイプの方の足が自然に遠のく仕掛け作りをする必要があると思います。
毎日のように言いますが、お客さんはカフェに「幸せになるために」来ています。幸せになれないお店には、来てくれません。
その原因が他のお客さんの言動であろうと、関係ありません。
「お客さん選び」の是非について
僕はカフェを経営したことがないですし、カフェで働いたこともありません。
だから、もしかしたら今日のnoteは非常に現実離れしていて、お店を経営されている方からすると「何を言っているんだお前は」と思われるような内容かもしれません。これまでのnoteの中でも、結構過激な部類に入ると自覚しています。
ただ、僕は昨年だけで200軒以上のカフェの”お客さん”になりました。
札幌だけではなく様々な場所で、2つとして同じものはないカフェを見てきて思うのは、「良いお店には良いお客さん(ファン)がいる」ということです。
そして、「お客さんを含めた空間づくりを大事にしてくれているお店は、信用できる」とも思います。僕が「もう一度行きたい」と思うのは、そういうお店です。
今は「信用の時代」とも言われています。
短期的な目先の利益を取りに行って信用を損なうより、長期的に見て信用を積み上げて行った方が、間違いなく大きな成果を得ることが出来ます(ユーザーのニーズを満たせる質の高いサービスを提供できている、というのが前提)
だからこそ、お客さんに信用してもらって、ファンになってもらう必要があると考えているのです。そのための線引も必要なことであり、決して悪いことでもないと僕は思っています。
(実際にどこまでやるかは、お店のコンセプトや状況次第ですが)
僕の提案する解決策:「あなたはお客さんではなく”店の雰囲気作りのパートナーですよ”」と宣言してしまえばいい
ここまで「悪いお客さんは排除だ!」というようなテンションで話してきましたが、それはまた違うと考えています。力づくの規制は、また別の歪みを生みますからね。風通しの悪い会社で、色々な問題を潰せど潰せど"もぐらたたき"のように起こるのと一緒で。
僕は本業で企業研修を作ったりしているのですが、「人を動かす」マネジメント系の話では、「(その場において好ましいとされる行動を)ついついやりたくなるような仕掛けを作る」という話をします。
「お店の雰囲気作り」というテーマで、事例をご紹介しますね。
名古屋のBunch of peoniesさん。
街のターミナル・名古屋駅から徒歩圏内という立地ながら、ちょっとした隠れ家感のある人気のお店です。可愛らしい内装が素敵ですね~
ケーキも美味しいです。
このお店、冒頭でたとえ話に出したような会話をするお客さんは、多分ほぼいないと思います(少なくとも僕が行ったときは、心地よい静かさが味わえる空間でした)
なぜかと言うと……
こんな張り紙を、お店の入口にしているからです。
「オヒトリモシクハオフタリデ」「店内では静かにしつづけてください」
これ、一見禁止事項を書き出している(まぁ、実際そうなのですが)感じなのですが、ちょいと小洒落たサインにすることで「お店の理念・想い」を嫌味なくお客さんに伝えることができています。
で、この掲示を見たお客さんはどう思うかというと、多分大半の人が「面白い!」「なんかすごいね!」「ワクワクする!」という気持ちなります。
この時点で、お客さんは自分が”ただのお客さん”ではなく、”この場で一番大事な作戦の共同実行者"なのだということに気づき、当事者意識を持つようになるので、いつの間にか「積極的にお店側に協力したいモード」になってくれるというわけです。
わかりやすい形でお店としての考えを宣言し、こうやってお客さんの心を掴んでしまうことで、理想とする空間を作り上げることができ、なおかつ訪れるお客さんのことも幸せにしてあげることができます(あと、ルールを守る気がないお客さんは来なくなる確率が高くなる)
この事例は、「お客さんが大事にしたいと思う、磨き抜かれたお洒落で可愛らしい空間がある」というのが大前提ではありますが、非常に大きな学びがあると思います。
※この事例は、このお店だからこそハマったものだと敢えて断言します。まるっきり同じように流用したら薄っぺらく見えるので、自分のお店にフィットしたオリジナルを探してみましょう(もちろん、参考にするのは◎です)
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この記事に限らず、僕のnoteは「お客さんとしての」目線で書いています。
なので的はずれなこともあるかもしれませんが、一方で「一人のお客さんのリアルな意見」でもあります。
昨日、Twitterのプロフィールを書き換えました。
「人は、幸せになるためにカフェに来る。僕は、そのオーナーを幸せにしたい」
この理念に沿ってこれからも情報発信をしますので、引き続きよろしくお願いいたします。
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