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プランで行動は変わる。キャリアプランをメンテナンスし続ける方法と、ある元社員の話

前回の記事では、キャリア・ライフプランの必要性、ベースを作るために必要な3つのアクションについてご紹介しました。一方、どんなに綿密に目標を描き、プランを練ったとしても、それを実行に移し、継続していかなければ意味がありません。プランを立てたあとも、継続してメンテナンスしていくことが重要です。

今回は、一度作ったキャリアプランを現実に即してメンテナンスしながら、目標に近づくためにはどのように行動していけばよいのかをお伝えしていきます。また、実際キャリアプランを立てたことで変化が起きた社員のエピソードもご紹介します。

年単位から週単位までブレークダウン。作成したプランをメンテナンスしていくコツ

前回の記事でも書きましたが、私は26歳の頃に再設計したプランをベースに今のキャリアを重ねており、今のところ8, 9割の精度で達成できています。

なぜそれができているのか。それはプランを作りっぱなしにするのではなく、定期的にメンテナンスしているからです。

私の場合は、1年>3ヶ月>1ヶ月>1週間、全体の目標からブレークダウンし、それぞれの期間で見直せるよう手を加えています。週単位までブレークダウンしていくことで、目標との誤差を最小限におさえられ ます。

1年単位で目標を作っただけでは、周りの環境の変化や自分の成長速度とあわない可能性があるため、その数字は当然ズレてきてしまい、プランの意味がなくなってしまいます。

ではメンテナンスの大まかな流れを説明します。
まず元々の大きな目標から、1年ごとの姿まで落とし込みます。その段階ではざっくりしたもので大丈夫で、例えば、この歳にこのくらいの規模感の新規事業を始めるといったものですね。

そしてその年の始めに、1年の年表を4つに割り、3ヶ月ごとに落とし込みます。つまり、1Q、2Q、3Q、4Qの目標をそこで作成します。その3ヶ月に落とし込んだ計画を、月ごとに分解し、その前月までに毎週、週ごとにブレークダウンしていきます。

この一連の流れを実行していくだけ、簡単だし当たり前のことですが、自分はそれを10年間続けてきました。

そして年末、Q末、月末、週末にアクションを振り返り、できたこと、できなかったことを振り返り、現在の目標との乖離を把握します。そしてなぜできなかったのか、できなかったものを翌年、翌Q、翌月、翌週はどうすべきなのかを踏まえた上で、次の計画に移っていきます。

ここまでプランを決めていると、「プランに縛られすぎないか」と聞かれることがあります。

確かに、ガチガチにプランを固めすぎても良くないので、プランに遊び要素、楽しいものもいれることにしています。そのよい例は旅行で、事前に計画に組み込むことで大きなモチベーションになります。

また、プランには「実現できること」「実現することで自分の人生が楽しくなるようなもの」だけを設定していくことで、プランによって行動の幅が狭まるようなことはないようにしています。

プランを作成することで、人の行動は変わる

まだまだ部分的ではありますが、アディッシュでは社員が自身のキャリア・ライフプランを考えるような場を設けています。定期的にカフェミーティングというものを開催し、「コーヒーを飲みながら、自身のキャリア・ライフプランを事業責任者クラスとディスカッションできる」というもので、これを毎年続けています。

決して強制ではなく、希望する社員のみが参加しています。会社から強制されて作るものではなく、あくまでも自発的に、自分自身の目線をもとに考えてもらいたいからです。

また、そのほかにも個人のキャリア・ライフプランを言語化するための、adishional valueシートというものがあるのですが、ひとりひとりがキャリアについての22の質問について書いたものを、社員全員に公開しています。

実際、このプランを作成することで人はどのように行動が変わるのか。
過去に荒井智子さんという、当時アディッシュの社員だったメンバーのプランを一緒に作ったことがあります。

当時、彼女はそもそも自分が何を目的にしたらいいのか明確に言語化できていませんでした。プランを考えるときは「何に貢献していけばよいのか」の言語化に一番注力しました。

彼女の場合、過去の体験や「今まで言われてうれしかったこと」を掘り下げていくと、身近な周りの人を幸せにしていきたいという価値感が根底に流れていました。例えるなら、学校の保健室の先生。生徒一人ひとりに寄り添い、悩みを聞いてあげるような人物像を目指していたのです。

そして、「食」に対する思いも人一倍強く、「いいものをしっかり食べるといい人生になる」という思想を持っていました。それらを踏まえて周りに貢献し、幸せにしていくような仕事であれば、それが生きがいになるのではないか、という結論に至りました。

このステップを経たことで、荒井さんはアディッシュを卒業し、株式会社ガイアックスのオフィスの1階にあるカフェレストラン「tiny peace kitchen」を立ち上げることになりました。


キャリア・ライフプランのおもしろいところは、作成していくプロセスの中で、自分の人生で果たしていきたい役割を考えられることができるようになる点です。確かに5年10年先を想像することは難しく、実際将来どのように変化するかは誰にもわかりません。しかしイメージすることは決して無意味ではなく、より将来に対してポジティブに考えられるようになるはずです。

自分の人生を、自分の手でより良いものにしていきたい。そんな気持ちが少しでもある方は、まずキャリアプランを作ることから初めてみてはいかがでしょうか。

そしてできれば、書きっぱなしにせず、振り返りやメンテナンスもしてみてください。

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