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未来への不安を減らし、よりよい自分に近づく。私が考える「キャリアプランの作り方」

驚かれることも多いのですが、私は10年間、毎週、毎月、毎年欠かさず、キャリアプラン、ライフプランから落とし込まれた行動と振り返りをやり続けてきました。

ここでいう「キャリアプラン・ライフプラン」は、仕事や私生活における将来の理想の状態を定め、現在の状況と比較し、「理想」と「現状」のギャップを埋めていくため、具体的な「行動」を計画していくことだと想定してもらえればと思います。

今回の記事では、このキャリアプラン・ライフプランを、私がなぜ更新し続けているのか、具体的にどのように作っていくとよいと考えているのか、ご紹介してみたいと思います。

キャリア・ライフプランをつくる理由、自己達成予言と行動

正直、「キャリアプランやライフプランを考えるってちょっとめんどくさい」とか「好きじゃない」という人もいると思います。

しかしながら私は、どのような人でもキャリアプランやライフプランを持っていたほうがよい、あって無駄になるものではないと考えています。

将来へのプランが常に思考のベースにあることで、人生の要所要所で物事を判断していく基準ができるからです。自分は将来どこを目指していて、そのためにどんなアクションができているのかを振り返ることで、自分の人生を自分で充実させにいく能動性が生まれ、前に向かっていける自信にもなります。

「予言の自己成就」という言葉をご存知でしょうか?「自己達成予言」なんて言われたりすることもありますが、ざっくりいうと「自分なりに何かを予期(予言)すると、意識的もしくは非意識的にそれを実現するような行動をとり、結果として予期が現実になる」みたいなことです。

キャリアプラン・ライフプランは自分にとっての予言になり、日々の行動を変えてくれるかもしれません。

実は私自身、ライフプランで決めたとおりのタイミングで結婚できましたし、アディッシュの立ち上げの背景にもキャリアプランの影響があります。

当時自分のキャリアプランには、「社会に貢献し、かつ持続可能な事業を実現していきたい」と描かれていました。そのために自分たちで主体的に経営していった結果、アディッシュとして独立することになりました。

就職や、転職、起業、さらに結婚といった、人生において大きな決断をするときにこそプランを活用できると、とても役立つと思います。

キャリアプランはいつ作る?社会人4年目までには一度、0ベースで考え直してみる

キャリアプラン・ライフプランはどのタイミングで作るべきなのかという質問をよく受けます。基本的にどのようなタイミングでも作成したほうがよいでしょうが、社会人になって数年(早い人で1年、遅い人で4年くらい)経ったら、一度0ベースで見直すのが現実的にはよいのかな、と思っています。社会人としての経験をある程度積むことによってようやく、自分の強みの意味、仕事のやり方、人生における仕事の位置付けがおぼろげながら見えてくるからです。

実は、私の場合、自分が社会人になってすぐの頃に作成したキャリアプランは大失敗しました。社会人経験が浅く、見積もりも何もかもが非常に甘いプランで、まったく現実に即す形にならず、結果、なにひとつプラン通りに達成できなかったんです。

その後、ある程度仕事に慣れてきた社会人4年目、26歳の頃にもう一度、0ベースで考え直すことにしました。そのとき、いきなりプランに入るのではなく、自分が大事にしたい考え方、信条をまず作り、その後に、プランに落とし込む形にしました。

その時に再設計したプランをもとにキャリアを重ねていますが、その実現度は今のところ8, 9割の精度です。

プランのベースを作る3つのアクション

具体的にキャリプラン・ライフプランはどのように作ったのか、あくまで我流ですが、その方法をご紹介します。一度、大きく失敗してからやり直したやり方なので、多少なりとも参考になるといいなと思います。

アクション①
まず最初のアクションは「言われて嬉しかった言葉を10個以上書き出すこと」です。上司、部下、同僚、友達、親、兄弟、親戚、趣味のコミュニティなどなど、とにかく身の回りのステークホルダーの人たちからの声を集めます。

またその際、言われた言葉の背景やストーリーを大切に残しておくとよいと思います。自分のことでも、後になってしまうと意外と忘れてしまうもの。なるべく具体的に文字に残しておき、振り返りのときにイメージしやすい状態をつくることができます。そうすることで、「自分はなぜこの言葉を言われて嬉しかったんだっけ?」と自分自身に問いかけ、深掘りしやすい状態になります。

アクション②
次は「人生における自分の役割を書き出してみる」ことです。これは仕事だけでなく、人生全体のライフスタイルにおける役割も含んでいます。

例えば私の場合、
・家庭での夫としての役割
・父親としての役割
・仕事人としての役割
・社長としての役割
・学び続ける人間としての役割
などを考えました。

これは、人によって違うと思います。どういう役割として自分を捉えているか見えてくるので、もしかしたら、何を大事に思っているか、自分を発見する機会になるかもしれません。

アクション③
アクション①②を組み合わせ、それぞれの役割で、未来、最終的にどうなったら最高にうれしいのか、それぞれの役割の関係者から(夫としてならば、妻から)最終的にどう言われたら嬉しいのかを書いていきます。書き出していくことで、何か統一したテーマや、ゴールイメージがおぼろげながら見えてくるはずです。役割ごとに考えていくことで、自分が自分の人生をどのようにしていきたいのかが見えてきます。

この3つのアクションが、キャリア・ライフプランを考えていく上でのベースとなります。

▲実際に当時書いたノートの一部です。

プランは5, 10年単位で。息切れすることなく続けていくこと

プランのベースが固まったら、あとは、①いつどういう状態を実現したいか、②そこに至るためにどんなアクションをとるべきかブレイクダウンしていきます。

何年後の目標にするかは人それぞれだと思いますが、自分の場合は50歳を目標にしました。ただ、50歳である必要はなく、自分がイメージでき、そして息切れすることなく実行できる最適なスパンがよいと思います。1年後はさすがに短いので、5, 10年の単位で考えるとよいのかな、と思います。

また役割ごとに書き出すアクションは、能動的な書き方をオススメします。「〇〇を実現し、〜〜に貢献していたい」という「貢献」にフォーカスした書き方にすると、プランを立てる時、振り返るとき、ポジティブな思考になれます。

自分の場合、「自ら主体的につくる事業を通じて、社会に貢献すること。関わっていく人に社会に貢献したと言ってもらえること」といった感じです。

将来のプランは一回作成してそこで終わるようなものではありません。立てたプランを実行し、定期的に振り返るためのものです。往々にしてプランからズレますから笑、どうズレたかを振り返って、アクションを再設定していく。それを繰り返すことで、徐々に徐々に精度を高めていき、自分の人生を自分で充実させにいくことができると、大きな自信が生まれてくると思います。

次回はこの記事の続きとして、キャリアプランの実現方法や、キャリアプランを立てたことによって変わった社員のことなど、事例を交えながらご紹介できたらと思います。

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