僕は拒絶した。 何度も傷つけた。 否定して、馬鹿にして、嫌いだと言った。 でもお前は傍に来た。 近づいて、話しかけてきた。 大丈夫だと、一緒に居ようと、大好きだと言う。 死んでしまえと願ってしまった。 それで本当に死んでしまっても悔やむくせに。 月に願った。戯言を、恰も夢見るように。 そんな夜の次の日も、お前は笑いかけてくる。 辛かった。 このやり取りは、大嫌いな虫を無理やり近づけてくるようなものだった。 払い除けても、やめてと叫んでも、相手にとってこれは愉悦なのだ
愛してるから、別に嫌いにはならない。 そんな僕を、友人は「君は優しいね」と言う。 愛してるからって、信じてるわけじゃない。 それのどこが優しいんだろう。 優しいと言われるのが嫌なわけじゃない。 本当に優しく在れたなら、どれほど嬉しいことか。 だから、覚えておいて 中途半端に優しいというのは残酷だから 僕を優しいと言って傷つくのはあなただから お願い、覚えておいて 優しさは毛布の様だけれど 毛布でも人は殺せるの 貴方のことを愛してる。 友人のことを愛してる。 でも、誰も信
人に信頼されたい。 頼りにされたい。 いざと言う時相談される人でいたい。 信用されていたい。 でも、すべてたらればでしかない。 されたいからといって、いざ信頼されたらどうすればいいか分からない。 信頼されることには慣れていない。 頼りにされた時それが僕でいいのか分からない。 相談されたって正しい答えが出せるとは言えない。 信用に値する人間だと自分で思えない。 自分が自分にできないことを、人に求めている時点でダメなのかもしれない。 自分自身を信用していないのに、その自分自身
人って、アイライキューだけでどこまで出来るんだろ。好きなだけでなんでも出来たらいいのに。 誰かを好きな気持ちだけで。 それだけで宇宙へ行けたら、お菓子の家を作れたら総理大臣になれたら。 誰かを、世界を救えたら良いのに。 自分に出来ることはあまりに限られていて、その中で誰かに恩恵を与えられるものは更に少ない。 助けたいの一心で行動したって助けられないことがある。なんだかこれがとても虚しく感じる。 本心はさ。 好きだから、僕にできることをしてあげる。 だから僕のそばに居
僕が愛した君に、僕のことを忘れて欲しい。 大好きで、大切で、もう会わなくなってしまった今でも君のことを覚えてる。 君の声を、言葉を、髪を、瞳を、忘れたことなどない。 君にとって僕は、どうでもいい存在かもしれない。 とっくに忘れてしまっているかもしれない。 でも、もしかしたら君とまた会えるんじゃないかって、君は僕を忘れてないんじゃないかって思う度に、僕は君に言葉を送る。 他愛無い言葉に、君は一言返事をする。 それでおしまい。 でも、それだけで僕は逃げられなくなる。 君
何も考えず、享受していたいだけ。 1+1は2で 2÷1は1だ 1×1は1で 1- 1は0だ 2分の1個の林檎を2分の1個用意したら用意されるのは4分の1個の林檎。 20個のキャンディを3人で分けたら2個余る。 何も考えず、与えられた数式だけで解いていくだけ。 ここに「なんで?」「どうして?」なんて必要ない。 これと同じ。 涙を流したら悲しくて。 笑っていたら嬉しくて。 笑い声がしたら楽しくて。 大きな声がしたら怒っている。 人が死んだら悲しくて。 嫌われたら辛く
どうか殺して欲しい。 そう願ってやまないよ。 「殺して」 そう言ったらきっと誰かは首を縦に振る。 誰かは首を絞めてくれるだろうし、誰かは道路に突き出してくれる。海に落としてくれる人もいるだろうし、ぐさりと刃物で刺してくれる人だって居るだろう。 でも、そんなの興味無い。 僕が好きになるくらいなんだから。僕のお気に入りの人たちはきっと、僕のことを殺せないくらいには優しい人だから。 嫌だって、無理だって、殺したくないって泣きながらきっと僕のお願いを聞いてくれる優しい人だか
白い肌。薄い唇。緩いカーブの黒い髪。真っ直ぐな黒曜石の目。控えめな引き笑い。回転の早い頭。ユニークな思考。 僕のあこがれの人。 透けて稀に赤色に見えるストレートの髪。切れ長の目。真っ直ぐな眉に、引き結ばれた口元。高い身長。冷酷な性格。 僕のあこがれの人。 綺麗な白金の髪。夢を語る蒼の瞳。猫みたいに笑う口元。跳ねるように走る足。夢を語る声。 僕のあこがれの人 薄茶の跳ねる髪。伏し目がちな目。高らかに笑う声。視力の良い目。好きな物が沢山あって、自分の表現が上手い。 僕の
愛してくれるならなんだっていいよ。 一番にしてくれるなら誰だっていいよ。 唯一にしてくれるならどうだっていいよ。 僕は選べない。 だって選べる立場じゃないからさ。 その代わりに、そばにいて欲しいだけ。 僕の全部をあげてもいいから。 君の両腕を、両足を、両目を、心臓を、僕に頂戴。
求められなきゃ何もしないのは悪いこと? ちゃんと言われた通りにしてるのに。 生きてと言われたから生きて、死ねと言われたから死のうとした。 頑張れと言われたから頑張って、頑張らなくていいんだよと言われたからそれを放棄した。 痛いのは嫌、辛いのは嫌、怖いのも苦しいのも嫌。 でも、求めてくれれば、その通りに動くよ。 僕に何かを求める手段は簡単だから。 僕の信頼を得て、僕が空っぽの時に、どうにか心を埋めてくれれば、発条仕掛けの人形は動けるよ。 その手に落ちた人形の、撥条を三周半。 ル
世界で生きていると、水槽で生きているみたいで気持ち悪い。生かされているから気持ち悪い。 ゆらゆら、ゆらゆら、泳ぐ場所はずっとおなじ。 狭い空間を、ぐるぐる、ぐるぐる。 世界は僕を認めないから、水槽は魚を生かすためにある訳じゃあないから。 今日も今日とて水槽の中を泳いで回る。
多分、僕が悪い。 なにもかも、僕が関わってしまった全てに、手を差し出してしまった全てに、手を取ってしまった全てに於いて。 きっときっと、僕が全体悪いよ。 しかし、だからといって君たちに僕を責める権利はない。 だって、君たちは、僕を許容した。 僕が関わることを認めて、許して、頼った。 僕を君たちは止めなかった。 僕に全部投げ出した。 だから君は、僕を責められない。 君は僕を許さなくちゃいけない。 悲しいね。 結局は、利用関係だ。 とどのつまり、僕は悪役のままだ。
ふと、手元にアルコールとインクと香水があって、何だか綺麗だったから。 全部ぶちまけてみた。 白い卓上は青と薄黄色にそまって、酷く変な匂いがした。 僕の描いた絵、僕の書いた楽譜、僕が画いた物語。綺麗だったけど不良品だったから。 全部やぶってみた。 紙の破片が部屋に散乱して、片付けが大変になった。 針と、瓶と、コルク栓があったから。 なんとなく赤い瓶を作った。 それは綺麗じゃないけど不良品でもなかったから。無性に悲しくなって、投げ捨てた。 不良品は要らない。綺麗じゃないもの
愛されるってどんな気分? 心地いいの?鬱陶しいの?それとも嬉しいの?悲しいの?哀れなの? 愛って有償なのかな? 対価がないともらえないものなのかな? でも、きっと対価がないと嫌になっちゃうよね。 だって、親切でしたことだって、それに悪態つかれたらなにあいつってなるもんね。 逆に何をあげれば愛して貰えんのかな? 愛想?それとも献身的な態度?笑顔?利益になる何か?お金? なんか、こう考えると愛ってやっすいね。 安くて安くて、要らない気がしてくるね。 だって、手に入らないダイヤ
例えば、生きやすいならいいじゃんっていう思考があって、それを否定するだけの人生を歩めている人がいるのかが問題だよ。 好きな仕事に着いた方がいいよ。その選択肢は良くないんじゃないかな。もっと素直になれよ。やりたくないことなんてやめときなって。 こんなことを沢山の人が言いますけれど、皆、その発言に真実味を持たせるだけの人生を歩んでんのかね。 勿論、わかってるよ。これが嫌な考え方だって。 沢山の人が言ってる、僕への忠告の八割くらいは僕のことを考えて、親切で言ってくれているって。だ
全部全部思いどうりになったら嬉しい。 けれど案外なんでもどうでもいい。 そんなもんだろうと思う。泣いて叫んでも変わらなかったし、静かに耐えても助けて貰えなかった。だから、全部欲しいけど全部要らない。 これからの矛盾だらけのお話に、貴方様が何か価値を見出すのなら、どうかご覧下さいませ。 出来損ないのお話でございます。