さいご の けしき は なみだ が いいな。

どうか殺して欲しい。
そう願ってやまないよ。

「殺して」

そう言ったらきっと誰かは首を縦に振る。
誰かは首を絞めてくれるだろうし、誰かは道路に突き出してくれる。海に落としてくれる人もいるだろうし、ぐさりと刃物で刺してくれる人だって居るだろう。

でも、そんなの興味無い。

僕が好きになるくらいなんだから。僕のお気に入りの人たちはきっと、僕のことを殺せないくらいには優しい人だから。

嫌だって、無理だって、殺したくないって泣きながらきっと僕のお願いを聞いてくれる優しい人だから。

そんな人の泣き顔を見ながら死にたいな。

だって、それは僕が泣かせてるんだろう?

僕のせいで泣いてるんだろう?

僕のためなんかじゃなくていいから、僕が居ることで溢れて伝って落ちていくその涙を僕に頂戴。

その景色は、
きっと綺麗なんじゃないかな。

別に心中してくれたっていいけどさ、君が生きていないとどうしようもないんだよ。

あわよくば僕のことを最後まで忘れないで、死ぬ時に思い出してくれたら嬉しんだけど、どうだろう?
やっぱりダメかな?流石に傲慢が過ぎたかな?
でも、最後に思い出してくれたらきっと僕は地獄の縁まで登ってきて、君に殴られてもいいよ。それで君を天国に押し上げるんだ。
うん、いいと思わない?この計画。
まあ、君次第なんだけどさ。

とりあえず、いつかを願って、今日のところは自分で僕自身を殺しておくとするから。

君は、僕の心臓に常に刃を突きつけているって自覚しておいてね。