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自閉症スペクトラム(ASD)を早期発見するための7つの兆候と早期介入の重要性

はじめに

親として、また保育者として、子どもの発達の小さな違和感に気づくことがあります。育児書などでマイルストーンを確認しても、少し曖昧ではっきりしないこともあります。また、「子どもの成長には個人差があるから、長い目で見守りましょう」などとよく言われます。頭では納得するものの、「本当にこのまま様子を見ていていいのか」モヤモヤするかもしれません。

ASDの早期発見と早期介入

自閉症スペクトラム(ASD)の早期発見・早期介入はとても重要で、それを裏付ける科学的根拠もあります。一般的な育児書や小児科医による「様子を見ましょう」というアドバイスは、「問題が表面化するまで待ちましょう」という意味です。せっかく親の直感で早く気づいていたのに、もったいないことです。

実際にその違和感がASDの初期症状だった場合、その子が成長するにつれて治っていくということはありません。早期に適切な介入をすることで、大きな違いが生まれます。

障害の有無に注目し過ぎない

このような問題に直面すると、私たち保護者は、この子は障害があるのかないのかに注目し過ぎてしまいます。そして教育者たちは保護者が早くこの子の問題に気付き、受診をすることが解決法のように感じてしまうことがあります。

障害の有無を知ることは重要ですが、そこに注目しすぎるのは良くありません。例えば生活や行動に問題がある子供が、受診の結果「障害はない」と診断されても、その診断によって行動が改善されることはありません。ですから障害の有無やIQの数字でこの子に介入するかどうかを決める基準は適切ではありません。子どもの行動特性が子どもの発達を妨げ、本人や家族の生活の質や幸福を脅かしているのであれば、障害の有無に関係なく介入すべきです。

ASDの7つの初期症状

ここでは、様子をみても大丈夫なのか、それとも具体的な介入が必要なのかを判断する指標となるASDの初期症状を7つ紹介します。この7つの症状のうち1つか2つが当てはまったからといって、必ずしもその子がASDであるとは限りません。これを書きながら、大学生の息子たちも、小さい頃にこれらの症状のいくつかを持っていたな、と感じています。もし当時の私がASD児への介入方法を知っていれば、息子たちはもっと早く言葉を覚え、私ももう少し楽に子育てができたのではないかと感じます。

ですから、ASDの子どもへの介入方法を知ることは、障害のない子どもを育てている親や養育者にとっても有益なのです。

以下の乳幼児のASDの7つの兆候は、国立衛生研究所とCDCからの情報をもとに、小児言語聴覚士のLaura Mizeがまとめたものを参考にしています。

1. 一貫性のないアイコンタクト(1歳)
2. 名前に反応しない(1歳)
3. 興味のあるものを指さしたり見せたりしない(1歳~1歳3ヵ月)
4. おもちゃで遊ぶのが難しい(1歳3ヵ月)、ごっこ遊びができない(2歳)
5. 真似をしない(1歳)
6. 非言語的コミュニケーションの困難(1歳4ヵ月)
7. 言葉の発達の違い(1歳~1歳3ヵ月)

1. 一貫性のないアイコンタクト(1才)

ASDの初期症状の1つ目は、アイコンタクトや視線に違いが見られることです。ASD傾向の子供は、相手の顔に注意を向けることが難しいため、目が合いにくいのです。

通常1才になると、アイコンタクトをしたり、視線を使って、他者とコミュニケーションをとるようになります。何かを見せたり、会話を始めたり、感情を表現したり、何かを要求したりするためにアイコンタクトを使って意思を伝えようとします。ASDの子供はこのような行動が少ない、もしくはありません。

例えば、子供とボールを交互に転がして遊んでいる時、あなたがそのボールを転がすのを突然止めたとします。すると通常子供は「あれ?」と不思議そうな顔をしたり、「ねえ、ボールをちょうだい」と訴えるような表情であなたに目を合わせてきます。
ASD傾向がある場合は、このように目で訴えることをしませんので、親の顔を見ずに、ボールを見続けているかもしれません。

またお散歩中に「ほら、ねこだよ!」と言って指を指しても、子供はその指の方を見ないかもしれません。

乳幼児は通常、ひとりで遊んでいるとき、頻繁に親の方を見て確認したり、親と目を合わせて微笑んだりしますが、ASD傾向があるとそのようなことをあまりしません。ニコニコして遊んでいても、親の方を振り返得ることは少ないのです。

2. 自分の名前に反応しない(1才)

自閉症の2つ目の兆候は、子供が自分の名前に反応しないことです。子供の名前を呼ぶ時、あなたを見るのに時間がかかったり、何度も呼ぶ必要があったりします。無視しているようにも見えたりします。

子供は1才になる頃には、自分の名前にはよく反応するようになります。知的障害を伴うような障害を持っていても、名前には反応します。しかしASD傾向があると、自分の名前に反応するのが難しいのです。呼んでも振り向く時もありますが振り向かない時もあり、一貫性がないのです。

もし子供が非常に社交的で、遊びの中で親と交流しようとし、喃語を話し、微笑んでいるにもかかわらず、背中を向けているときに名前を呼ばれても反応しないのであれば、聴覚に問題がないか受診をお勧めします。


この情報は専門的な知識を必要とし、また、個々の状況により適切な解釈が必要となります。そのため、このブログの後半部分は有料とさせていただくことにしました。ASDは非常に敏感な問題であり、情報の誤解や誤解を避けるためには慎重さが求められます。私は本ブログの内容について深い理解と専門知識を持ち、信頼できる情報源から情報を収集しています。しかし、それでも情報の公開には慎重さが必要です。有料化することで、読者の皆様には真剣にこの情報を受け取り、適切な医療専門家と相談することを奨励します。

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