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①カフェから見た人間観察

#私のコーヒー時間
休職してから、休職する前からも毎日コーヒーを飲んでいる。でも今の方がずっと楽しい。気分によって行きたいカフェを変えられるから。コーヒーにはカフェインが入っているから頭がキリッとする、キリッとするのにホッともする。不思議な飲み物だ。コーヒーは大抵ブラック、疲れてる時にはミルクを入れる、ガムシロップは入れない、これが私流。
コーヒーは、香りや味も楽しめるけど、実はカフェでの人間観察が好きだったりする。コーヒーを飲むのは、実は言い訳かもしれない。そんな人間観察を、短編小説的にぽんぽん紹介していく。

カフェでの人間観察

①ねずみ講の男
この前はねずみ講ビジネスの話をしてる人がいた。しかも隣で。多分間違いない、ああいう類のビジネスの話だ。大学生と思しき人が、パリッと糊のきいたシャツを着たスーツの男と話してて、パンフレットを広げながらあれよあれよと話を展開していく。ああ、こういう時に衝動性が発揮出来ればいいのに!!「やめな!逃げよう!」と大学生の肩をがくがく掴んで脳みそを振り回してやりたい。でも、こういう時に限って発揮出来ない。結局商談は未遂に終わったのだけど、学生よ、親と相談してくれよと切に願った。巡り巡って、明日の今頃にでも願いが届いているといい。

②寂しい寂しいのおばあさん
「あなた、絵を描く人なの?」おばあさんが不意に話しかけてきた。と思ったら私じゃなくて隣の女性に話してた。体は動かさず目の端ギリギリで見ると確かに、スケッチブックのようなものに何か描いてある。ただ肝心の描いてるものは、筆圧が薄くてよく見えない。「はい、美大に通っています。1年生です。」すげえなあんた、と思った。女子大生よ、物怖じせず答えて偉い。私が貴方で女子大生なら、急に声を掛けられたなら、びっくりして声も出せないと思う。彼女はしっかりした声で話していた。「私は絵を描けないけど、姪っ子も美大に通っていた時があったのよ。夢があるって素敵よね。」おばあさんは言う。女子大生は頷く。そして話のラリーがいくつか進んだあと、最後におばあさんは言った。「ごめんね急に話しかけて。おばあさんになるとね、とても孤独なの。話し相手がいないのよ。だから誰かと話したくて話しかけちゃった。本当にごめんなさいね。」私は急に切なくなった。帰るおばあさんの背中は、少し丸く曲がっていた。

今日はこの2つだけ。
面白いから不定期で、何回か投稿していきたい。
だから頭に①、とつけた。

さあ今日も、カフェへ出かけよう。

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