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大切に受け継がれる本 はだしのゲン

引越しが多少落ち着いた
そんな時間に最初に読んだのは 
 はだしのゲン です。

恥ずかしながら半世紀以上生きてきたのに
一度も読んだことはありませんでした。
怖くて読む気にならなかったというのもあるし、
本にすぐに感情移入するタイプの私は
なんとなく、読むのを避けていたかもしれません。

近年、3.11にロシアの戦争・・・北朝鮮の事
核や戦争についてより身近に感じるようになって
大人になった脳みそで考えたり、知るにつれ
これは読んでおかないといけないという気持ちになったのでした。

引っ越し前に立ちよったコンビニにちょうど
連載開始50周年記念で本が置いてあったので手に取りました。

このタイトルだけは読んでいなくても知っている
有名なタイトルです。

はだしのゲン / 中沢啓治 

最初は恐る恐るページをめくりながらも、読み進めていくうちに
あっというまに引き込まれて、面白いという表現はおかしいけれど
漫画として熱意ある良い本だと解りました。

何よりもリアルな表現と日本人の被害についてだけではなく
差別や迫害についてもしっかりと書かれていました。

原爆が落ちた後の描写は、私の世代なら学校で教わったので
少しは記憶していたのですが
かなり恐ろしいもので、目をそむけたくなりました。

けれどもこれは事実なのだと我に返ります。
漫画だから読めました。それは本当に恐ろしい光景です。

今の私は平和の時代に生きて、服もご飯も住まいも十分にある。
当たり前に思っているけれど。

それらは本当には
そういった大きな被害の上に立っていることを
忘れてはいけないんだと思いました。

沢山の悲しい命 
悲しく苦しいその後の生
戦争をするというのは 被害だけではない
したくもない、加害 犯罪が付きまとうという事。
そうして、そういった人々が繋いでいった命がここにある。

ゲンのお父さんの言っている事、今の私にはよくわかります。 
大人になって酸いも甘いもあったからこそかもしれません。
先祖代々?貧乏だったかもしれません。

沢山の思いが胸の中でうずまきました。
すべてを書くのは難しいと感じます。

今の時代にも 生活の格差はあり、
核兵器をちらつかせ脅しに使う国も無くなってはいません。

ましてや、これから、気候変動で地球がどうなるかすら分からない。
尚の事、戦争は無意味だと私は思うのです。

古めかしいとか怖いとか考えずに
是非 若い人たちにも一度は読んでほしいと願います。
そして若い人たちなりに色々考えて欲しいと願います。

はだしのゲンは原爆の代名詞ではなく
その時代の庶民の生きざまを知る歴史で
最後には勇気を貰って終われる素敵な本なのですから。