半年育休+パピートラック入りした自分が、気持ち的に救われた記事

1.前置き

 自分が半年の育休を取ってたときに疑問に思ってたことを女性視点から書かれていて、気持ち楽になった記事を紹介したい。父親が使えないのは本人の責任だけではなく、「知識なし・経験なし・支援なし という社会構造がパパを使えなくしている」と書かれていて、この本を先にみてたらもう少し気持ち楽に過ごせたかもしれない。
 大半の父親が育児参加が出来てないのあれば、個人<環境 なのは言われれば当たり前なのに何故か個人のせいにされる風潮。
 仕事に置き換えると、毎年新人が同じ失敗するのを見て「マニュアルや教え方が悪いかもしれない」とならず、「毎年新人の質が悪い」と嘆いているだけで何も改善しないかんじ。正直、ヤバい。

 長期で育休を取る父親(+その妻)の置かれた状況は中々乱暴で。
・国「男が育児しないのは社会の悪。育休制度作ったからやれるやろ」
・国「育休取らせない会社は努力不足。それで仕事回らなくなっても知らんけど」
・女は自力で社会進出をしたのだから、男が家庭進出しないのは努力不足
・なお、家計責任は男にあるから仕事セーブして収入減るのは男が悪い
(※男が稼いで女が家事育児をする前提の社会モデル・風潮は残っている)

2.知識なし・経験なし・支援なしの実感

(1)知識を得ようとしても有用な情報が少ない

 知識がないというより、男子は育児から遠ざけられて育ったが正しいと思う。なぜか性教育とか男女別の教室だったし。だいたい、習う情報って「妊娠させるな」だけで、子育てをどうするか仕入れれる場所は基本的にない。
(父親が子育てしなかった世代が教科書作るからそりゃそうなんだけど)
 
 知識を得るために調べようとすると、情報がほとんど母親にチューニングされていて、愚痴と批判ばかりで役立つ情報があまりにも少ない。
 (1)男が育児に参加すべき、両立を頑張るべき、できないやつはダメ
    (だからどうすればええか調べてるんだけど…)
 (2)育児をしないと妻に恨まれ捨てられる。だから育児をすべき。
    (だから調べてるんだけど具体的なポイントは?)
 (3)会社が育休を推進すべき、配慮しない会社はダメ。
    (でかい主語の話はいいから、うちの家庭の話…)
 このような、使い物にならない情報にあふれている。

 経験者から情報を得るしかないが、育休をがっつり取る父親がほぼいないのでロールモデルがなく、話を聞いて疑似体験することが難しい。だからこそこのnoteを書いているわけだが。
 自分の周りには男で数ヶ月取った人がいたのがラッキーだった。
 
 加えて、育児の情報が曖昧すぎる問題。これは父親がどうって以前に妻も怒ってた話で、育児関連の情報は基本的にゆるふわ文系的で曖昧な表現ばっかりで、理系夫婦にとってはうんざりする。
 育児の情報を、そのまま製造業の手順書に変換すると事故を誘発するマニュアルになる。
・子供が嫌がるまで与えて、嫌がったらやめましょう
 →機械から変な音が出るまで薬剤を入れて、変なかんじがしたら止める
・ちょうど良い温度になるまで冷やす。温度はほっぺたで確認する。
 →(温度計はないけど)ちょうど良い温度に調整する
・個人差で片付けられる
 →仕方ないことなんだけど、それを言ったら全部おしまい

(2)経験しようとしても遠ざけられる

 経験がないのは夫婦同じなのだが、どちらかというと育児経験から遠ざけられていると感じた。会社・両親・世間・病院に加えて、妻も夫を育児から遠ざけるのに加担しているケースもあると思う(里帰りとか)
 会社・両親・世間は説明不要として、自分の経験で気づいたのは
<病院>
・産婦人科の診察室に入れないし、医者と直接話ができない。
 ひどいところだと病院すら入れない。
 診察室の外で待ってると、待合室にいる女達から睨まれる。
  →質問して欲しいことをメモで全部渡した
・赤ちゃんの体調不良で病院に問い合わせの電話かけたとき、
  病院「お母さんはいますか?」
  ワイ「質問したいのは自分です」
  病院「赤ちゃんの普段の様子を聞きたいので、代わってください」
  ワイ「育休中なので、普段の様子を把握してます」
  病院「そういうのって普通は母親が心配性で電話してきて、父親は楽観的だったりするんですけどねー」
  ワイ「そうですか」(知らんがな)
 みたいなやり取りが何度もあった。
 妻のフォロー+自分の図々しい性格がセットでギリ乗り切れるレベル。

(3)支援を受けられない、遠ざけられる問題

 支援なんて甘ったれるな、と言われるだろうが実際その通り。
 検診・講習・相談会は全部ド平日のみだから、普通の人は多分無理。妊娠中の検査とか育休中の検診や予防接種は全部一緒にいったけど、仕事に復帰してからは中々行けてないのが正直なところ。
 情報を聞ける場所がとにかくない。4月から毎日保育園に送ることになってるけど、元々出張の多かった自分が全部断ったらキャリアがどうなるのか正直わからない。

3.父親の育児シフトへのハードルは、家計責任の偏り

 最も邪魔をしていたのは「男に家計責任がある」という風潮+思い込み。
 ぶっちゃけ、父親の育児参加はこれを打破できるかどうかで決まると言い切って良い。
 子供が生まれるとなったとき、ほぼ全ての父親が考える、
「もっとお金がかかるから、もっと頑張って稼がなければいけない」
 という純粋な気持ちを破壊するのは中々難しい。

「お金は後で二人で稼いだらいいでしょ。家計が悪化しても旦那のせいじゃない。」これが言い切れるかどうか。
(別記事で書いたが、実際は家計はほぼ悪化しない事実は知られていない)
 自分も、「妻がフルタイム共働きで家計は共同責任」という前提がなかったら育休を取ってなかったと思う。

 「家計が夫依存」と「育児が妻依存」はセットになっているので、共働きで自立している女性とのマッチングして、古き悪しき父親像(父親は、家庭を無視してでも家計責任を全て負わなければいけない)するのがスタートラインな気がする。鶏と卵どっちが先かみたいな話になるので難しいけど。

 統計によるとフルタイムで働く女性は2~3割らしいので、長期育休とってフル育児できる父親もやっぱり2~3割になるんじゃなかろうかと思う。あとは資産家くらい。

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