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【#28 千林】大阪3大商店街でお好み焼きを食べながら残りの人生について考える

Additional time blues (ポッドキャスト📻)
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大阪3大商店街 千林商店街

とてつもなく長い千林商店街を、地元民ごとうさんに案内していただきました。

大阪3大商店街 千林商店街!

「大きな商店街」と聞いて「一直線のアーケード街」を想像していた僕ですが実際に行ってみて驚きでした。アーケードは蛇行し、枝分かれしていて初見では全容を把握するのは難しいです。いくつかのブロックに分けて商店街の案内図が掲示されていますが、それでも迷いました。
八百屋、精肉店などの定番商店や、お好み焼き屋等の飲食店だけでなく、行列ができるスイーツ店もあり若者の需要も満たしている所が凄いなと感心しました。

千林商店街にやって来た理由はもちろん以前から来たかったからと云うこともありますが、それに加え人生の先輩であるごとうさんに「ゴールデンウィーク直前に僕に降りかかった大事件」についてお話したかったからです。

治る希望がない患者には手術はしません

ゴールデンウィークの直前に、定期検査の結果を見た主治医から
「んー、また右肺に転移していますね・・・」と告げられました。
すぐに、転移箇所が一か所だけなのかを調べるため連休途中の平日に詳細検査(PET-CT)を受けました。

実は、PET-CTを受ける前に医師からは


「PET-CTの結果、転移が一か所だけなら手術します。もし複数個所見つかってしまったら手術はしません。
医者は希望がある患者にしか手術はしないんです」


と言われていました。
その時僕は声にならない声で、でも先生の目をしっかりと見て
「はい、わかりました」と答えました。

告げる方も答える方も辛く残酷な会話です。
でもここは国立がん研究センターです。医師は「全員がん専門医」で、患者は「全員がん患者」です。その前提があるからこそ成立する、遠回しな表現が一切ない会話でした。
いち早く事実を伝え、患者が考える時間を少しでも多く持つことが結果的に有益なのです。

お好み焼きを食べながら

そんな辛いゴールデンウィーク前半を過ごした僕がしたことは”現実逃避”です。
PET-CTの結果が出る前なら、まだまともな精神でいられる。
そう思って大阪行きの飛行機に飛び乗り、会いたかった人たちと会う予定を次々と入れました。
桜川ショーパブのダンサーさん達、シンガーソングライターのpaddyさん、トークライブハウス・オーナーのぶっちょカシワギさん、ちょうど来阪していたルポ西成著者の國友公司さん。
その「会いたい人巡り」の途中で千林商店街にたどり着いたのでした。

広島「風」お好み焼き スペシャル

今回の転移で4回目の手術となります。
前回(3回目)の手術で右肺の一部を切除したのは、たった1年半前の事です。
正直、「これからしばらくは転移はないだろう」と高を括っていました。しかし、またも同じ右肺への転移。否が応でも動揺します。

キューブラー・ロスの“死”の受容への5段階モデル

死を覚悟する時、すんなり受け入れられる人は稀でしょう。
誰しもこの5段階を踏むのだと、敬愛するプロフェッサーN氏から教わりました。


キューブラー・ロスの“死”の受容への5段階モデル
第1段階:否認、第2段階:怒り、第3段階:取り引き、第4段階:抑うつ、第5段階:受容


初めての告知では無いので、「そんなハズはない!(否認)」と全てを否定したり、「どうして僕なんだ!(怒り)」といった感情に襲われることは幸いありませんでした。
しかし、4回目の手術とは言え、やはり落ち込みました。でも直ぐに気持ちを入れ替え、手術の方式や日程を決めるべく連休後の執刀医との面談予定をいれました。

高を括っていた僕は、今年の夏の旅計画も立てていました。
5月バンコク、6月札幌、7月フランクフルト
既に航空券もホテルも予約済みです。
この時点では手術日程は決まっていませんでしたが、術後のリハビリ期間等を考慮すると、どうやらキャンセルせざるを得ないのは確実でした。

また狂いだした人生プラン

いつまで働くのか、残った人生を有意義にすごすために

今回の手術を無事に終えたとしてもまた再発するリスクは健常者よりは常に高い状況です。そんな状況の僕にとって「いつまで働くか?」という問題はとても大きなものです。

僕は、もうしばらく転移は無いだろうという根拠の無い前提で定年後の人生設計を考えていました。今年56歳になる僕は、60歳の定年まで働くつもりでいましたが、身体が動く内にリタイヤして残された人生を楽しんだ方が良いのか・・・
千林商店街で僕を迎えてくれたごとうさんは2年前に定年を迎え、現在は雇用延長で同じ職場にお勤めされています。僕の人生のモデルケースであり、頼れる先輩です。

お好み焼きを食べながら人生の先輩であるごとうさんにとても有益なアドバイスを頂きました。大阪に来てよかった。
頂いたアドバイスは、お好み焼きの味と共に僕の記憶に強く残りました。


Additional time blues(Podcast📻)
Opening曲: a day /Paddy Ending曲: TWI-LIGHT /Paddy
Starring:
 ごとうさん、ニコラス(2024.05.5収録@千林)


ニコラス・ケイイチ
元気ながん患者。2024年秋頃に生前葬をするのが当面の生きる目標
サポート戴けたらpaddyさんの音楽活動と生前葬の費用として活かします



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