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シリコンバレーバンク破綻!リーマンショックの再来か!?
今年に入ってからシリコンバレーバンクは顧客からの現金引き出しが増加し、それに伴い預金が予想より急激に減少したため、バランスシートを補強する必要が生じました。
そして、3月8日に同銀行は保有債券の売却に伴う損失計上や増資計画を発表。
しかしその後、同銀行における信用不安が高まり、翌日の9日に株価が60%暴落し、その翌日も40%暴落。
経営存続が困難となり米金融当局の管理に置かれることになりました。
バランスシート補強のための増資計画発表からわずか数日での破綻でした。
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【ニューヨーク=大島有美子】米連邦預金保険公社(FDIC)は10日、テック関連のスタートアップへの融資で知られる銀行持ち株会社SVBファイナンシャル・グループ傘下のシリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻し事業を停止したと発表した。米連邦準備理事会(FRB)による利上げで含み損を抱えた保有債券の売却や、取引先の新興テック企業の資金繰り悪化に備えた資本増強策を8日に発表したが、信用不安を招き株価が急落していた。(関連記事総合面に)
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【ニューヨーク=竹内弘文】テクノロジー関連のスタートアップとの取引で知られるシリコンバレーバンク(SVB)は10日、地元カリフォルニア州の金融当局により事業停止となり、米連邦預金保険公社(FDIC、総合2面きょうのことば)の管理下に入った。債券投資に傾斜し損失が膨らんだ。破綻規模はリーマン・ショックの2008年以降で最大、過去2番目となる。米国が金融緩和から急速な引き締めに急旋回し、金融システムにきしみが生じている。
なぜ破綻したのか?
1:債券価格の暴落による債務超過
コロナ禍で預金が増える一方、株式で十分に資金調達していたスタートアップへの融資需要は低かったため、シリコンバレーバンクは運用先として住宅ローン担保証券(MBS)など有価証券の購入にあてました。
そして、米連邦準備理事会(FRB)が22年3月に利上げを開始し、急な金利上昇に伴い保有する債券の含み損が想定を上回って拡大。
含み損を考慮すると、シリコンバレーバンクはすでに実質債務超過の状態にありました。
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2:取り付け騒ぎ(預金の一斉引き出し)
1の事情により、シリコンバレーバンクは17億5000万ドルの株式売却などの増資計画を発表しました。
しかし、この増資計画がかえって信用不安を拡大させてしまったのです。
「一部のベンチャーキャピタルなどが出資しているスタートアップ企業に対してシリコンバレーバンクが資金を引き揚げる指示を出した」などの報道が出たことにより、一気に取り付け騒ぎになりました。
これらの理由によりシリコンバレーバンクは破綻となりました。
資産規模2090億ドル(日本円28兆円)で米国内では16位の銀行であるシリコンバレーバンク。
この破綻規模はリーマンショック以来最大級です。
さらに、実はその他銀行も破綻しています。
3月8日には暗号通貨関連企業と取引しているシルバーゲートも同時期に任意の会社清算を発表しました。
さらに、3月12日には米銀29位のシグネチャーバンクも事業停止を発表しました。
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【ニューヨーク=竹内弘文】ニューヨーク州金融監督当局は12日、同州地盤の米銀シグネチャー・バンクの事業を同日付で停止したと発表した。10日に経営破綻したシリコンバレーバンク(SVB)に続く破綻となる。資産規模で全米29位のシグネチャー・バンクは米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に入り、預金は全額保護される。
リーマンションショックの再来か?
リーマンショックとは?
リーマンショックとは、サブプライムローン問題をきっかけに金融不安となり、極度の金融収縮に陥ったことです。
米国内でサブプライムローン問題(住宅ローン焦げ付き)が発生した2007年夏頃。
当時の日本では米国で起こった「対岸の火事」であり、日本の経済や金融市場には影響は少ないと考えられていました。
しかし、2008年年明け頃から日本の不動産市場にも違和感のある動きが出てきました。
そして、2004年頃から上昇局面にあった不動産成約に陰りが見え、2008年6月頃からは不動産会社への「融資の貸し剥し」が顕著化しまた。
この「貸し剥し」によって黒字倒産が続出し、半年の間に1日1社のスピードで新興デベロッパーを中心に倒産が連鎖し続けたのです。
その頃の都心の不動産価格は1年間で▲30%以上暴落したと記憶しています。
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用語解説:サブプラムローン問題
サブプライムローンとは、米国の住宅ローン形態の一つ。
クレジットカードで延滞を繰り返すなど信用力の低い個人や低所得者層を対象にした住宅ローン融資のことです。
サブプラムローンによりリスクが高い債券が証券化されたのですが、信用度の高い債券とミックスすることで「信用度が高いトリプルA債券」として市場にバラまかれていました。
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リーマンショックとの違い
リーマンショック時の最大の問題は、「どこにサブプライムローンが潜んでいるかが不明」ということでした。
金融市場全体が「どこに問題が潜み」、「どこを処理すれば良いのか?」という対処すべき「敵」がわからなかったのです。
そのため、当時の金融市場は極度の疑心暗鬼状態であり、むしろ「すべてが敵」であるかのように妄想拡大し、市場から一気にお金が引き上がってしまいました。
今回のシリコンバレーバンクの破綻原因は、リーマンショックの時とは違い債券価格の暴落によるバランスシート悪化が問題であるため、リーマンショックの時のような「見えない敵」という難題ではありません。
したがって、歴史的な金融危機にはならないと考えられています。
ただし、注意しなければいけないのは2007年のサブプライム問題前も同じような空気感だったのに、1年後にはリーマンショックのような歴史的金融危機に陥ったことです。
今回、過度な心配は不要ですが歴史的な転換点になる可能性も秘めていますので今後も注視は必要です。
今後の影響
新興企業のデフォルトリスク
そもそもスタートアップ企業の多くは赤字です。
その会社に積極的な融資をしていたシリコンバレーバンクが破綻することによって、今まで以上にスタートアップ企業の資金調達が困難になるのではないでしょうか。
小規模金融機関から預金が流失
連想ゲームのようにシリコンバレーバンクと同程度の銀行への信用不安が高まり預金の引き出しが加速することによって、小規模銀行を中心としてデフォルトリスクが高まると考えられます。
しかし、3月13日月曜日の日本東京株式市場スタート前に米財務省とFRBが「シリコンバレーバンクの預金全額を保護した」と共同声明発表したので、一旦は回避できそうです。
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【ワシントン=高見浩輔、ニューヨーク=斉藤雄太】米金融当局が金融システム不安の未然防止に動いた。12日、シリコンバレーバンク(SVB)など破綻した米銀2行について預金を全額保護すると発表、預金流出の広がりを防ぐとともに、銀行への資金貸し出しも拡充する。金融緩和下のカネ余りで潤った米ベンチャーと銀行が負の共振に陥った。急速な金融引き締めが米経済の弱点をあぶり出している。
SVBと、ニューヨーク州金融監督当局が12日付で事業停止を公表したシグネチャー・バンクの預金を全額保護の対象とする。
米連邦準備理事会(FRB)方向性の変化
恐らく今回の銀行破綻問題を拡大させないために、「預金の保護」や「銀行業務の管理見直し」などを行い、これ以上取り付け騒ぎが起きないよう早期対策を打って出るでしょう。
また、昨年から40年ぶりの高インフレ経済を沈静化させるために0%だった政策金利を急ピッチ(2月時点で4.75%)で上昇をさせてきましたが、政策転換や見直しとなる可能性があります。
日本経済や不動産市況への影響
融資基準の厳格化
この破綻劇を受け、日本の銀行内でも融資体制の見直しや財務の健全性が意識されるようになり、スタートアップ企業などの融資姿勢などが厳格化されるのではないでしょうか。
そうなった場合、小規模な不動産会社や工務店などの破綻リスクは拡大します。
特に今は「建築資材の高騰による建築の採算悪化」や「不動産価格下落基調への変化」など、不動産関連企業は収益悪化問題が露呈する可能性があるので注意が必要です。
円高方向への変化
日米の金利差縮小見込みからここ1年の円安基調でしたが、FRBの政策金利見直しにより円高に変化する可能性があります。
円高へ変化すると輸出企業とってはマイナス要因となります。
まとめ
リーマンショックからの学び。シリコンバレーバンクの破綻は「対岸の火事」ではない
経済は一時的に「金融信用収縮」へ
米連邦準備理事会(FRB)が「金利上昇見直し」「金融緩和」へ動くのか?に注目
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