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大人は未完成。悩んで学んで生きていく。

コモンビートには、いろんな年齢・職業の大人たちがたくさんいるので、たまに彼らをゲストに招いて、大学生と一緒に「キャリア」について考えるイベント「ジョブビート」を開催している。うちの事務局に来たインターン生だったり、つながりのあるサークルや校友会などに提供していたりする。

僕自身が大学生で就活の時期を迎えた時に、そのままなし崩し的に就職をすることに強烈な違和感を覚えた。それまでに出会った「職業」と言えば、サラリーマンと学校の先生くらいで、そこに多様性は存在していなかった。選ぶには狭すぎると感じてしまった。就職説明会などを回ってそれを自力で調べていくのが一般的なのだろうが、僕はそれができなかった。準備ができていなさすぎて、波に乗れなかった。結果的に就活はほとんどせず、地球一周の旅にでるわけだが、この出来事は僕の人生を豊かにしてくれているので、なんの文句もない。

ただ、自分だけではなかなか多様な職業には出会いきれない。実際に働いている大人たちの生の声も聞こえてこない。できれば大学生たちに職業や働くということへの「選択肢」を届けたいという思いから、仲間と共にこの企画を細々と続けている。

このイベントで大学生はいろいろな大人に出会う。大卒で大手企業に就職してバリバリ働いている人、一般企業から転職して教師になった人、フリーランスで自分の得意を活かしている人、活躍の場を日本から海外に移した人などなど。イベントの立て付け上、大学生にとって彼らは「自己選択」をして生きていて、かっこいい大人に映る。自分たちよりも大きく見える。そんな生き方がしたいと憧れる。

でも、大人たちはみんな「かっこいい」と言われても困り顔だ。彼らもまだまだ悩みながら人生を歩んでいる。就職をするときも転職をするときも、起業する時も不安と葛藤に苛まれたはず。でも、それを乗り越えて選択した結果が今だ。「たくましい」という言葉の方がぴったりくるかもしれない。

大学生は大人たちを「完成されたもの」と見ている節がある。だが、僕自身もそうだが「未完成」なはずだ。完成された大人なんてどこにもいない。みんな何歳になっても人生に悩みながら、でもその中で喜びをみつけて生きている。

だからこそ、大学生にそんな大人の「素の」姿を見てもらいたい。就職活動という一時期の選択だけで人生が決まりきってしまうことはない。生き方は多様で、全て自己選択の結果だからだ。

「大学生→就活→企業」という流れの中に、どれだけ選択肢を持てるか。企業に就職した後に、どんな人生を描いていくか。それも全て自分次第。でも、狭い中に閉じこもっていたら選択肢は出てこない。これからも「ジョブビート」はそんな選択肢を提供できる場でありたい。

ちなみに、ジョブビートを受ける学生は「モヤモヤ」することが多い。自分の信じて進んできた道が揺らぐからだ。でも、その揺らぎの中で、もともと信じていた道を進めたら力強くなる。新しい選択肢に飛び込む踏ん切りがつくことも力強い。

一度きりの自分の人生だ。自分で選択していこう。


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