見出し画像

道具の話Vol.3 S字フック

雑貨屋店主であり、モノと暮らし愛好家である、きさらちさとが自身の視点で足立道具店のプロダクトのちょっとコアな部分まで魅力をお伝えする、道具の話。

今回は足立道具店の「S字フック」についてご紹介します。


普段はあまり気にも留めない小さなアイテムですが、家を見渡してみると意外と常に見える所に存在しているS字フック。
バッグやベルトなどの衣類の収納、キッチンツールや鍋つかみ、ドライヤーをかけて…。
 
…とここまで書いて、これを読んでいる皆さんの、疑心暗鬼な顔が目に浮かびます。(笑)
気になるけれど、なかなか購入にまで至らない人へ、この記事が届くと嬉しいです。

工場の特技を存分に生かしたプロダクト

岩城工業さんでは、既存の曲げ型を使いながらさまざまな金属の曲げ加工を行っています。岩城さんの得意な技術を、そのままプロダクトに落とし込んだのが、足立道具店のS字フックです。

厚さ3mm幅9mmの1フラットバーを2回曲げただけの、とってもシンプルなカタチ。
シンプルだからこそ、職人の技術がわかりやすく光るアイテムです。傷をつけないように曲げる技術はさすがのものです。


原点となるエピソードは、「足立道具店」が生まれる前までさかのぼります。
岩城工業さんとカブデザインさんが異業種交流会「足立イコー会」のイベントで、子どもたちに工場の技術を伝えるために行った「金属を曲げてつくるS字フックのワークショップ」が始まりでした。当時は真鍮製で、小学生などの小さいお子さんでも簡単にできるけれど、工場の技術を伝えやすいプロダクトとしてカブ・デザインの代表、齋藤さんが起用したアイテムでした。「なんで齋藤さんが金属の『角棒』でやりたがったのか、現物を見てやっとわかった!」と言うのは岩城社長。よくある丸棒で作られるS字フックが、素材や素材のカタチを変えるだけでこんなにも見た目に影響するのかと驚かれたそうです。

日常に溶け込みながらも、きらりと光るプロダクト

家の中を見渡してみて、自分にとって特別に感じるモノと一緒に使うことからはじめてみるのがおすすめ。お気に入りのジーンズや愛着のある観葉植物などをかけてみたり…!
足立道具店のハンガーと同じく、お気に入りのアイテムを更に好きにさせてくれるようなプロダクトだと感じます。

なんと、バナナかけにも(…!)
バナナは吊るして保管する方が長持ちしてより甘く追熟するそうですよ。
ステンレス材は錆びにくいので、水回りでの使用も気にせずにお使いいただけます。
32φまでの丸棒にかけることが可能です。

自分が一番大事にしている場所やモノのフックを試しに変えて、少しずつ揃えてみるのはいかがでしょうか?本来はこだわる優先順位が低いS字フック。インテリアを整えるために、あえてここから手をつけてみると新たな世界が開けるかもしれません。
 

これぞ暮らしの中の、名わき役。

誰もが想像する普遍的なカタチ。それが究極の飽きずに長く使い続けられるカタチのヒントだと、足立道具店の店長である市橋さんは言います。
奇をてらったものではなく、当たり前に存在していて、けれど存在感はしっかりと放っている。主役を引き立ててくれる名わき役がいるからこそ、小さく暮らしが向上していくことを実感できるのではないでしょうか。


足立道具店 S字フック
サイズ:W9×D101×H40mm
素材:ステンレス(SUS304)
値段:¥1,320(税込)
製造:岩城工業株式会社
オンラインショップ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?