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119万アクション達成! フェアトレード・キャンペーン大成功の裏側


2021年5月、オンラインとリアルの両方を舞台に、フェアトレード・ラベル・ジャパンさん主催「フェアトレード ミリオンアクションキャンペーン」が実施されました。

キャンペーンでは、市民や企業のみなさんにフェアトレードラベルがついた商品を買ったり、イベントに参加したりなどのアクションを促進。たくさんの人の参加を集め、なんと総計119万アクションを達成することに成功!

今回は、キャンペーンの成功の裏側について、事務局のお二人にインタビューさせていただきました!


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左:事務局シニアディレクター 中島 佳織さん /右:事務局長 潮崎 真惟子さん


潮崎 真惟子さん プロフィール

認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン事務局長

デロイト トーマツ コンサルティングを経てオウルズコンサルティンググループにてマネジャーを務める。2021年4月にフェアトレード・ラベル・ジャパン事務局長に就任。コンサルタントとしてはサステナビリティ・SDGs関連の事業戦略や政策立案、ルール形成、人権デュー・ディリジェンス、NPO/NGO向けコンサルティングなどを多数担当。「児童労働白書2020 ―ビジネスと児童労働―」執筆。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了(地域開発)


中島 佳織さん プロフィール

認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン シニアディレクター

大学卒業後、化学原料メーカー勤務を経て、国際協力NGOでのアフリカの難民支援やフェアトレード事業、タイ・チェンマイでのコーヒー生産者支援プロジェクトの立上げと運営に従事。その後、ケニアでの日系自動車メーカー勤務を経て、帰国後、2007年フェアトレード・ラベル・ジャパン事務局長就任。2021年4月より同シニアディレクター。グリーン購入ネットワーク理事。共著に『ソーシャル・プロダクト・マーケティング』(産業能率大学出版部)など。


ー キャンペーンの概要と成果について教えてください!


潮崎 真惟子さん: 2021年5月の1ヶ月間、フェアトレードの認知拡大と購買促進の目的でキャンペーンを行いました。これは「ミリオンアクション」という企画が主軸で、フェアトレード関連の商品購入、SNS投稿数、イベント参加数をすべてカウントして、1ヶ月間で合計100万を目指すというものです。

主には、フェアトレードを知らない、興味をまだ持っていない方に届くような意志を持ちつつ、もちろんすでにご存知の方にも取り組んでいただけるように実施しました。

キャンペーンの成果として、最終的に「119万アクション」を達成することができ、86団体、商品販売数100万以上、全国のイベントでは12,000人のご参加がありました。

さらに経済効果としても、キャンペーンにご参加いただいた35%の企業が、売上増加を実感したとのデータも得られました。コロナ感染症の影響で、飲食店やアパレル店舗などは難しかったところもありますが、キャンペーン効果はある程度大きかったと思います。



ー 今回のキャンペーンのご協力団体は?


潮崎 真惟子さん: すでにフェアトレードに取り組んでいる企業のみなさんに企画推進主体に入っていただきながら、小売店や飲食店、あとは企業や自治体の食堂、市民のみなさんに呼びかけていったという経緯です。

今回は、認定を受けたフェアトレードタウンとともに、現在フェアトレードタウンを目指しているみなさんにも一部、キャンペーンにご参加いただきました。


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ー キャンペーンでは具体的にどのような仕掛けをしたのでしょうか?


潮崎 真惟子さん: アンケート結果から、特に効果的だったキャンペーンの施策として「特設WEBサイトの設置」「共通ビジュアルでの宣伝」「多数団体の参加」だとわかりました。

特設ウェブサイトには関連情報をまとめたり、市民のみなさんがSNSで使える素材を提供したりもしました。各企業から商品を募って、投稿してくれた人にプレゼントをする企画なども行い、これも好評でした。

また、店頭で共通デザインのPOPやフライヤーを設置・配布いただきました。デザインは、これまでとは変えてポップに、テーマカラーを水色にして、この水色を見ただけでなんとなく思い出していただけるよう工夫しました。

他にも、小売店の特設スペースや棚などの設置の呼びかけや、事務局主催で「コーヒーとスパイスのマリアージュ」をテーマにしたトークイベントやビジネスパーソン向けパネルディスカッションイベントを開催したり、日本サステイナブル・レストラン協会さんと連携して、レストランでメニュー提供を呼びかけたりしました。


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ー 準備期間はどれくらい要したのでしょうか?


潮崎 真惟子さん: 2020年の12月頃に準備をしはじめて、今年の3月まで大きく動いていました。通販のカタログなどを提供している会社さんだと、その〆切が半年前だったり、店頭の催事系も〆切が前倒しで、より早めに取り組む必要があったなというのが反省点です。

中島 佳織さん: 年明けから声がけをはじめて、2月に短期集中して事務局からは私たち2人を中心に全力投球しました。デロイト トーマツ コンサルティングさんやInnovation Designさんに企画から入っていただいたのも大きくて、そのお力添えがあって実現できたと思っています。

名古屋市はこれまでもフェアトレード月間の5月には100本以上のイベントをしているくらい熱心で、他のフェアトレードタウンのみなさんももともと積極的にフェアトレード普及に取り組んでいらっしゃるので、

そこを「ミリオンアクション」という共通テーマのもとで発信することで社会的インパクトを高められればと考え、フェアトレードタウンの認定をしている日本フェアトレード・フォーラムさんとも連携させていただいて今回キャンペーンを行った感じです。


ー 参加したみなさんの声はどうでしたか?


中島 佳織さん: もともとフェアトレードタウン6都市の市民同士は、お互いに知っていてつながっていたんですけども、行政担当者同士が一斉につながる機会はなかったとのことで、日本フェアトレード・フォーラムさんとも相談してキャンペーンをきっかけに集まっていただくことになりました。

これが良かったと言っていただけたのと、フェアトレードのアクションが、日本全国やグローバルの取り組みであるというのを、地域の人に見せられたというご意見をいただけたことは良かったです。

それと、市民団体のみなさんに向けて、3月に1度ミーティングをやったのが好評でした。ご活動を紹介しあって、お互いの活動の参考になったり、モチベーションになったりしたようです。


潮崎 真惟子さん: 企業さん向けには、参加プランをいくつかご用意してプランに応じて広報物を提供しご活用いただきました。市民のみなさんからは「キャンペーンを機に初めて商品を買ってみました」という嬉しい声もありました。

イベントにご参加いただいた親子の方で「イベントで紹介されていた淹れ方で子どもがコーヒーを淹れてくれて、豊かな時間になりました」というご感想もいただけました。家族で家の中で楽しめる仕掛けで、みなさんの良い時間を作れたのは本当に良かったなと思います。


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ー キャンペーンは来年も開催しますか?


潮崎 真惟子さん: 毎年フェアトレード月間の5月の開催を目指しています。理想としては年1回ではなく、細かな波もつくっていきたいです。コーヒー、チョコレート、コットンなど産品ごとのキャンペーンなども今後考えてみたいですね。


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キャンペーンの工夫について、たくさん教えていただきましたが、他のアクションのキャンペーンもあると、もっと気軽に、楽しくアクションできる人が増えそうな気がします。

改めて、わたしたちの普段使っている服・食品・日用品・家・・・はどこから来ている? それらをつくっている人は安全に安心に暮らせている・・・?

SDGsって 何からはじめたら良いかわからない! という方も、
そんなふうに想像することから、はじめてみるのも良いかもしれません!


SDGs関連ゴール

1.1
2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。


2.3
2030年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させる。


8.5
2030年までに、若者や障害者を含むすべての人の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。

10.1
2030年までに、各国の所得下位40%の所得成長率について、国内平均を上回る数値を漸進的に達成し、持続させる。


出典/UN Global Compact Network Japan


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