今はただ「荷物が多い人」だけど、夢はだれかの猫型ロボット
少し前までぜんぜん夏が終わらないなって思ってたのに、気付けばもう寒い。
街はクリスマスだ。うれしい。
何がうれしいって、持ち歩いてる飴ちゃんがどろどろしなくなった。
常日頃から私は荷物が多い。
出先で災害が起きたときに「あれを持ってれば」と無念を抱いて倒れていきたくはないので、荷物が多いくらいで生き残れるなら生き残ってやろうじゃないかと、いつもあれこれ持ち歩いている。
その一環で、非常時のカロリーや糖分補給に「チョコレートは無理でも飴ならいけるでしょ」と少しだけ甘いものを持ち歩くようにしているのだけど、夏のあいだは飴でもすぐに包装のなかでどろどろしてしまって困っていた。
たぶん、どの成分がどのくらいの温度で溶けだすかって問題なので、水飴が多くない飴ちゃんならここまでどろどろしないんだろうなぁとは思っていた。
スッキリ系でのど飴とか、キシリトールキャンディとかなら多少マシなんだろう。試してないけど。
私が持ち歩いているのがどろどろしがちな飴ちゃんなのには理由があって、最初に言ったように非常食はもちろんなんだけど、密かな夢があるからだ。
街中や電車やバスで、ご機嫌が斜めになったり泣いたりしているお子さんがいたとして。
かばんから颯爽と、シールや飴ちゃんを出してお子さんの興味を惹いて、笑顔にさせる通りすがりの人。
噂でだけはたまに聞く、そんなヒーローに、いつか私もなってみたいのだ。こんな僕も君のヒーローになりたいのさ。
けっして、不機嫌なお子様を見たら無理矢理にお菓子を押し付けて無理矢理に笑顔にしようなんて、善意の押し付けみたいなことをしようとは思ってない。
ただ、少なくともそんな場面に出会ったときに、なにもできない自分でいたくない。
「持ってればよかった」って後悔はしたくない。準備だけはしていたい。
そう思って、できるだけ好き嫌いが少なそうで、できるだけアレルギーの心配もなさそうな飴を選んで持ち歩いている。
牛乳のアレルギーがあるかもしれないから、ミルク系は避ける。
りんごとオレンジもたまにアレルギーがあるから、ぶどうといちごも持っておく。
自然派の方もいるかもしれないから、はちみつのキャンディも。自分用のど飴にもなるし。
でもはちみつは年齢によっては乳児ボツリヌス症の懸念もあるし、そもそも飴はのどに詰まらせる懸念もあるから、溶けやすいラムネも持ち歩いておく。自分のブドウ糖の補給にもいいもんね。
あと、どこのメーカーか分からないものは親御さんも心配だろうからと、飴ちゃんとラムネは定番のシンプルなお菓子が多い無印良品で仕入れることが多い。
カラフルなセロファンに包まれた個包装のラムネは個人的にもお気に入りだ。たぶんお子様も好きじゃないかな、このカラフルさ。めちゃくちゃいい匂いするし。
そんな機会があるかどうかもわからないのに、これほどガチである。我ながら想像力が暴走していると思う。
ちなみにお菓子は自分も活用できるから持ち歩いているけど、シールは日頃の自分の生活で需要があんまりないので持ち歩けていない。私に四次元ポケットがあるなら絶対に持ち歩く。
かわいい系おもしろい系かっこいい系癒し系、キラキラ系や立体系まで、幅広い年齢性別に対応できるよう、さまざまなバリエーションのシールをほんとは持ち歩きたい。
そもそも、いつかなんとかしてみせたいのはこの状況に限った話ではなくて、
とにかく「誰かが困っている場面に出くわして、それが『ありそうで持ち歩いてないアイテムがあればなんとかなる』場面だったらなんとかしてみせたい」のだ。
これまでにもときどきそんな場面はあって、「なんで持ってるの?!」と言われながら感謝された瞬間が、やたら気持ちいいから。
まあね?無駄に荷物多いわけじゃないからね?
ちゃんとこんなこともあろうかと想像して準備してたんですよ?
そう正直に言う。たまたまだよ〜とか謙遜しない。
だって私は四次元ポケットもない中、こんなこともあろうかと無駄に荷物を重くしているので。少しくらい報われさせてくれ。
別に荷物が重いの、そんなに苦でもないけど。むしろ軽いと不安になるんだけど。でもやっぱり喜んでほしい。
せっかくなので、これまでに「持っててよかった!」と思ったものを書き出してみる。
絆創膏、鎮痛剤、生理用品
まあ定番だよね。だいたいみんな持ってるよね。それでも持ってない人に差し出したことは何回もある。
鎮痛剤はよく二日酔いの夫に持って行かれる。解せない。
生理用品を差し出したことは意外とまだないけど、自分のためにも災害対策としても、おりものシートから多い日の夜用まで、いつでも複数サイズを持ち歩いている。いつか誰か頼ってくれ。困った同性を助けるお姉さんおばちゃんになる覚悟はある。
折り畳み傘、簡易ブランケット
これも定番だよね。
さすがに大雨予報の時は長傘を持っていくので、少し降るかどうかという場面で降られたときに最低限しのげるように、日傘兼用のものを持ち歩いている。
あと、雨が続いたときに傘を干していたら折り畳み傘を忘れて、移動してしのげない屋外での着席イベントだったので、防災用の簡易ブランケットを使ったことがある。
アルミブランケットだったのでカラス避けのごとくギラギラしていたと思うけど、確かに雨の肌寒さもしのげてよかった。災害時など、いざというときに何かと便利だと実感もできた。
スマートフォンのバッテリー、ケーブル、コンセント
これも皆さん持ち歩いているとは思うけど、複数のかばんに入れて定期的に取り出して充電している。容量は少ないけどコードレスで使えるものと、大容量で軽めのバッテリー。
ケーブルは長めのものがどこでも使えて便利で愛用してたけど、このところバッテリーもスマートフォンもワイヤレスイヤホンも、タイプAだったりCだったりLightningだったりと入力出力がバラバラになりつつある。ケーブルを何本も買って持ち歩くのは煩わしい。
なので最近は、100均で買った3in1ケーブルを持ち歩いている。ケーブルが短めなのが難点だけど、これで「タイプBだけ入れ忘れた!!」はなくなった。
→ちなみに実物はこんな感じ
消毒液かウェットティッシュ
コロナ禍は持ち歩いてた人多かったよね。
今でも外で何か飲食したいとき、手や口元が汚れたらあると便利なのでけっこう使う。わりと買い足してる。
付箋
特に仕事でわりと役立つのでペンケースに2サイズ入れてる。あと単純に目印用に、手帳用くらいの小さいスティックタイプのやつも。
少しだけメモをしたいけどノートほどのサイズはいらない、他の人が見てすぐわかるように目印を貼っておきたい、みたいな時に便利。
ミニカッターかはさみ
買ったばかりの商品のタグを切りたいとか、開かない包装を開けたいとか、服やかばんから少しだけ出ている糸を切りたいとか、たぶんいちばん汎用性が高い。
ペンタイプのカッターやはさみも多いけど、個人的には100均で売ってるキーホルダーサイズのはさみがよかった。天才。ストラップもついててガチでキーホルダーにできる。常に持ち歩くキーケースに入れてる。
めちゃくちゃ小さいので糸切りばさみくらいの機構なんだけど、工作みたいに細かい作業でもしない限りはこれで十分。
お菓子
すでに書いた飴ちゃんやラムネに加えて、個包装のゼリーや焼き菓子を持ち歩いている。
特に、ぼろぼろと割れにくくある程度日持ちしておなかにたまる点で、無印良品のミニサイズのバウムは最高。持ち歩きに向いたサイズをありがとうございます。
空腹を訴える同行者に差し出したことが何本かある。自分の残業中のおやつになることもたまにある。
たぶん他にもあるんだけど、役立ったと印象に残っているのはこのあたりだ。
もう本当は、いざという時に備えて常に一泊分の荷物くらいは持っていたい。帰宅難民になっても一晩くらいなんとかしたい。キャッシュレス社会で停電時にみんなが決済できなくても、私は現金派を貫く。便利さも大事だけどそれで死んだら世話ない。
最悪私は生き残れなくても、荷物が生き残った誰かに役立てばいい。と言いつつほんとは「手ぶらやキャッシュレス派を尻目に、私だけは生き残ってやる」とは思ってる。
でもそれには、世のかばんの容量がだいたい足りない。
TPOに反しない限りはほとんど常に、肩掛けができるA4サイズ以上が入るかばんを持ち歩いているけど、生き残るのに必要なものを持ち歩くにはかばんが重い。容量が足りない。小さいバッグがオシャレって風潮はなんなんだ?????
ちなみに無印良品の肩への負荷を減らすリュックはとても良い。
リュックなので言わずもがな大容量だし、別のかばんから荷物を詰め替えたときに体感2〜3割軽く感じた感動から愛用している。
ほんとは通勤も冠婚葬祭も常にあのリュックで過ごしたい。そうです私はもう無印良品の回し者です。株も持ってます。お世話になってます。
近年、女性服のポケットがない(小さい・少ない)問題が叫ばれているけど、本当に何かを持ち歩くための容量って足りない。私はいろんなものを持ち歩きたい。
荷物は持ってもらうもの、一緒にいる人のポケットに入ってるものを借りるから大丈夫、なんて知らない。自分に必要なものは自分で持ち歩く。
できれば人の役に立つものも持ち歩きたい。四次元ポケットの実現が待たれる。私は最終的にドラえもんみたいになりたい。
「あなたはほんとにいつも荷物が多いね」って、何回人に笑われたかわからない。
でもそれで自分や誰かが少しでも救われるなら別にいい。
「いろいろ持ち歩いてるからね、ドラえもんって呼んでいいよ」って、また今度も返すのだ。
いつか誰か、どら焼きみたいなご褒美くれたらいいなぁ。