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今日の気づき_6

プロジェクトを組むとき、その中に初めてメンバーとして組む人が居る場合に起こりやすいことが有ります。
それは、プロジェクトとして大切なことと自分が大切に感じている事の違いが分からずに、とりあえずお互いが大切に感じている事を前面に出してしまう傾向があることです。

例えば、締め切りまで時間的な余裕が無ければ、急いでください。
と伝えますし。

例えば、分かっている事が全体の中の少しなら、ここまでは分かるけれど、その先は分からない。
とも伝えます。

そうなんです。
始めの一言は、不安に感じている事を、伝えたくなってしまうのです。

でも、実際のプロジェクトでは、分かっている事をきっかけやヒントにして、分からない事を具体化していかないと、ならない時があります。

まさに今、検討を始めたばかりのプロジェクトです。
今日の気づきは、久しぶりに感じた、プロジェクトの始め方についてまとめます。

今までの経験からすれば、珍しい事ではありませんが、・・・・・。
中には、プロジェクトは何時も近くにいるメンバーと組むことが多い人も居て、初めての人とプロジェクトを組むことは、多少勝手が異なる様子です。
なんか、戸惑っている感じが伝わってきます。
お互いに初めてプロジェクトを組むわけですから、まさに『未知との遭遇』です。

では、初めてプロジェクトを立ち上げるときどうすれば中断せずに、分解せずに、円滑に進められるでしょうか。
色々な手法が有ると思いますが、多くの場合は本題に入る前に、自己紹介などのアイスブレークと呼ばれるイベントを入れると善いとされています。

という具合に、
アイスブレークの次はAAAAA、
その次は、BBBBB、
という具合に継ぎ足してプロジェクトを進める事も出来ますが、
今日は、異なる進め方。
こんな進め方もあることを、記憶の整理もかねてまとめていきます。

プログラム開発などの分野、いわゆる情報処理の技術として知識体系化されている技術に『PDPC法(Process Decision Program Chartの略)』という技法が有り、日本語訳は『過程決定計画図』と呼ばれ、これから取り組むプロジェクトがお互いに初めての経験で、今後の予測が困難である場合に、今後どうやってプロジェクトを立ち上げ、空き時間を作らず、お互いの作業をスムーズに引き継ぐことが出来るかなどの実行計画を策定する時にとても便利な技法です。
ご存じの方も、大勢いらっしゃると思います。
何故なら、1968年、東京大学工学部の近藤次郎教授が、危機に直面してどうしたら最悪の事態を回避できるのか、どうしたら有利な展開になるのかなどをシミュレーションしたときに開発した技法として有名だからです。
この『PDPC法』は、新QC七つ道具の中の一つです。
更に、便利な技法には、『アローダイアグラム法』という技法もあります。PERT図を使って、クリティカルパスを見つけて、事前に対策を用意する時に使います。
この二つの技法を具体的な活動(アクション)にするときに使える技法もセットであります。
それは、同じく新QC七つ道具にエントリーしている技法なんですが『系統図法』という技術です。この『系統図法』は、目的と手段を階層的に繋いで表す技術です。目的と手段に深さを持たせて、まとめるときに便利です。
更に、この『系統図法』は、結果と原因を多段階層にして真の原因まで遡るときにも有効な技法です。

もう、これらの考え方が分かったら、冒頭に書いたプロジェクトで初めて組む人が居て、お互いに戸惑ってしまう場面で、どうしたら良いのか??に応用できるようになると感じています。
いわゆる、プロジェクトマネジメント技法(JIS Q 21500)の考えを使う場面です。

プロジェクトは、
①立上げ
②計画
③実行
④終結
という流れで、進めます。
システム業界だけではなさそうですが、プロジェクトにはQCDといって、守るべき品質、コスト、納期が決められていて、9割以上のプロジェクトがそのQCDを守ることが出来なかった。
というレポートが沢山あります。

自分の経験から言うと、プロジェクトを立ち上げるときに、出来る事と出来ない事を仕分けて、出来る事のみにリソースを割り振ることが重要と考えています。
このブログのアイコンに使った図は、弊社が開発した『サービス実現モデル』です。
このモデルは、新QC七つ道具の『PDPC法』『系統図法』『アローダイアグラム法』を応用して考案したモデルです。
どうしたら有限なリソースの中で、QCDを守り、プロジェクトを完遂できるのかを考え抜いてモデル化いたしました。
そしてこの『サービス実現モデル』を使って、システム設計と構築に応用しています。
このモデルを応用して構築したコールセンターは、QCDを守ったことは勿論、20年経過した今でもシステム停止をしたことが無く、お客さま企業内の情報システム部の中でも、コールセンターシステムに対してアラーム確認や停止と再立ち上げの手順書が無くなっていて、もし何かシステムトラブルが発生したときには、もう誰も対応できない。と半分笑い話になっているようです。

ちょっと横道にそれてしまいまはしたが、プロジェクトの立ち上げで大切なことは、プロジェクトの目的と手段の候補を分かる範囲でかき集め、『サービス実現モデル』や『PDPC法』『系統図法』『アローダイアグラム法』などの手法を使って、プロジェクトのスコープを定義する作業を行います。
スコープとは、
①プロジェクトの目標
②活動範囲を定める
③達成すべき成果物を共有します。

理由は、プロジェクトでは使える予算や期間と人やシステムなどの資源(リソース)が他の業務と兼務していたりして譲り合いながら使うなどの制限があるためです。

これらの制限の中で、待ち時間や後戻りを無くし、無駄を省く作業を洗い出した作業を抽出します。
この洗い出した作業を、時系列に並べればよく見かける『線表(ガントチャート)』になります。ガントとは、このチヤートを考案した人の名前です。

プロジェクトの立ち上げは、このガントチャートが出来れば、QCDを守ることが出来るのかほぼ感触が見えてきます。
なるほど、このブログを書きながらプロジェクトの立ち上げを思い出してきました。
このブログを公開したのちに、現実世界のプロジェクトの立ち上げに戻ります。

以上

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