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スピルオーバー

 「仕事とプライベートを切り離して・・・。」なんて言葉は至る所で溢れていますが、職業人も家庭人としても同じ人物が担う以上、なかなか切り離すは容易ではありませんよね。
 現在は、ITの普及や在宅勤務が増加したことからも、いつでもどこでも仕事をすることが出来るようになりました。このことは便利になった一方で仕事とプライベートとの境界線を引きづらくなったとも言えます。私たちは日々様々な役割を担っており、この役割が多彩であり、深みがあると人生を豊かにしますが反対に負担となることもあるでしょう。

 私たちが担う、ある役割が他の役割に影響を与えることを「スピルオーバー」と言います。
今回はこのスピルオーバーについて記載します。

スピルオーバーとは
 スピルオーバーとは「流出」「「こぼれ出る」などの意味で、「ポジティブ」なものと「ネガティブ」なものがあります。家庭と仕事の二つの役割で例に考えてみます。

ポジティブ・スピルオーバー
 
ポジティブなものとしては、結婚や子供ができたことで責任感が高まり、仕事への取組み方が意欲的になる。パートナーと家事を分担することで家庭内でのコミュニケーションが豊かになり、仕事への協力も得やすくなる。その結果仕事で成果を上げやすくなる。などが該当します。
また、仕事から家庭への影響を与える例では、仕事で評価され収入が上がったことにより、金銭的余裕が出来て旅行へ行くなど家族との余暇活動を充実させることに繋がる。などが該当しこれらを「ポジティブ・スピルオーバー」と言います。

ネガティブ・スピルオーバー
 一方、ネガティブな場合を指す「ネガティブ・スピルオーバー」では、子育てや介護などの疲労から、仕事に集中できずに効率が落ちる。その結果社内での評価も下がり、家庭内での評価も下がる。仕事が忙しく休日のほとんどを寝て過ごすため、家族とのコミュニケーションが減る。その結果、パートナーとの関係性が悪くなり、仕事への協力も得にくくなる。などがあげられます。

 これらは、当事者だけではなく、家族や同僚にも影響を与えることにも繋がり、メンタルヘルスの視点でも近年注目され、様々な研究が進んでいます。

 誰もが職業人や配偶者といった役割の他、子ども、学生、余暇人など様々な役割を担っています。バランスをとりながらそれぞれの役割との調和を目指していきたいですね。

では、また。

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