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組織内キャリアの描き方

 仕事上の悩みとして、「希望する部署に配属されない」「給料や福利厚生などは恵まれているものの、仕事内容が想像していたものと違う」など、ご自身の期待と現状のギャップを感じ悩んだことはありませんか?
 新卒採用にて希望通りの就職が叶ったとしても、必ずしも期待通りの仕事に就くとが出来るとは限りません。これは現在の日本企業の多くが、入社してから職種や配属先を決めることが影響しています。労働者側から見ると就職というよりも就社とった方がしっくりくるのではないでしょうか。
 また、組織内での人材育成はジョブローテーションをとおして行われることが多く、従業員は慣れ親しんだ仕事からの転換や仕事の仕方が変わり、その都度適応していくことを求められることとなります。そのため、上述のようなギャップを感じて悩むこととなります。

 では、希望する職種ではない場合は転職をすればいいのかというと、場合によっては条件面が悪くなることや、転職先でも同じ状況を繰り返す可能性も否定できません。組織の中で働く以上は、必ずしも自分の希望が叶うとは限りませんが、労働者側の「個人の視点」と会社側である「組織の視点」の両者でキャリアを考え調和をとることで、自身の望むキャリアを描いていくことが可能となります。
 今回は組織内でのキャリア形成について「前編:個人の視点」「後編:組織の視点」の2回に分けて記載しますね。

前編「個人の視点」

キャリア・アンカー
 私達は組織の中で様々な仕事経験を通じて、徐々に働く上での自己イメージを確立していきます。仕事をしていくうえで「どうしても譲れない犠牲にしたくないもの」「自分らしさを認識するもの」は何ですか?と問われたときに何と答えるでしょうか?この答えとなるものが「キャリア・アンカー」と呼ばれるものです。これは、工科大学スローン経営大学院のエドガー・H・シャイン教授が提唱したもので、「船の錨」という意味があります。錨は船をつなぎ留め安定させるのに必要なもので、個人のキャリア軸となる意味で「キャリア・アンカー」と名付けられました。
このアンカーを開発することにより、自分らしいキャリアを考える拠り所として活用することが出来ます。

では、キャリア・アンカーとはどのような種類があるのでしょうか。

キャリア・アンカーの種類

1、専門・職能別コンピタンス

 特定の仕事に対して高い才能を発揮し専門家としてのスペシャリストであろうとします。自分の能力やスキルを発揮しながらチャレンジできる仕事を好みます。

2、全般管理コンピタンス
 いわゆるゼネラルマネジャーです。責任ある地位に立ちリーダーシップを発揮しながら組織に貢献しようとします。

3、自律・独立
 仕事のやり方やペースなど自分で物事を進めることを好みます。制約のない自律的であることを優先させます。

4、保障・安定
 将来の見通しが立ちやすく安定した生活が保障されることを望みます。仕事そのものよりもどちらかと言うと給与や働く環境などに拘ります。

5、起業家的創造性
 新しいサービスや製品、仕組みなどを開発するなど、自分で生み出すことを好みます。組織を離れて自ら新しい事業を立ち上げる人も居ます。

6、奉仕・社会貢献
 社会を良くしたいという欲求を持っており、自分の能力や仕事の分野にこだわるよりも自分の価値観を大切にします。

7、純粋な挑戦
 難解で不可能言われるような問題をクリアしていくことを好みます。仕事で絶えず自らを試す機会があるかが重要です。

8、生活様式
 個人のニーズ、家族のニーズ、キャリアのニーズなど生き方全般的な意味でのバランスや柔軟性であることを望みます。

みなさんは どのアンカーでしたか?
次回後編は組織の視点について記載します。
では、また。

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