仮面ライダーのロゴを300個作ったので一つずつ紹介したい 昭和編
『仮面ライダーW』に登場する変身アイテム「ガイアメモリ」には、その属性をイメージした形状にアレンジされた属性名のイニシャルが刻まれている。
私はこの「ガイアメモリのロゴ」がデザインとして死ぬほど好きなので、このたび1号からギーツまでのほぼ全仮面ライダーのイニシャルをロゴにした。
せっかく作ったので、いくつかの記事に分けてここで一つずつ紹介しようと思う。ツイッターにもPixivにも載せていないことを中心に、製作中に考えていたことを残す備忘録兼メイキングのつもりで書いていく。
昭和ライダー編(1号〜J)
1号/ICHIGO
1号はシンプルに変身ポーズをチョイス。開いた両足・右手・マフラーの三点で「I」の上下のセリフ(出っぱり)を表現。
1号〜4号には「どこかに数字を入れる」という法則を設けているが、これは公式の英称が「KAMEN RIDER 1」であり、1号のレジェンドライダーメモリでも「1」としか書いていないことから。
身も蓋もない言い方だが、「公式表記はICHIGOではなく1ですよ」と指摘された場合に「1も入ってますから!!」と開き直れるようにするための予防線である。公式に寄せた結果「全仮面ライダーの"イニシャル"をロゴにする」という命題に一発目から矛盾してしまうのもアレだしね。
右手の「1」のもう一つの役割としては、単にポーズを切り出すだけだと動きが感じられにくいので「右手を伸ばす動き」を強調するための効果線として用いている。
2号/NIGO
ダブルライダーはやはり統一感を出したかったので、こちらも変身ポーズを採用。「N」としての体裁を保つための代償として、実は左腕と頭部のサイズ比がめちゃくちゃになっているが、勢いで誤魔化した。
V3
実は思いつくまでに結構時間がかかった一体。
V3のマフラーは主題歌でも「白いマフラーV3 空にはばたく2枚の翼」と歌われているように、大きな特徴の一つなので採用するならこれだと思い決定。
V3と認識できる確率を高めるために、他ライダーと比べて大きめな襟と小さめな目も強調した。
マフラーの皺として「3」を入れる案もあったが、入れてみたらどこかクドくなったので没に。
ライダーマン/RIDERMAN
アイデアはすぐ思いついたものの、調整に時間がかかった一体。素顔部分の「出てる具合」が結構難しかった印象。
X
まんまである。ここ以外ないと思った。
名前にXが入るライダーは腐るほどいるが、「イニシャルがXなのはエックスライダーしかいない」という割と衝撃の気づきがあった。
アマゾン/AMAZON
正面顔をモチーフにした別案が完成していたが、だいぶ後になってアマゾンアルファのロゴをデザインする際、「傾けた横顔」の方がシンプルかつよりAっぽく見えることに気づいて急遽変更した。
Aとしての可読性もキープしつつ、傾けると本当にアマゾンが出てくるので結構お気に入り。
ストロンガー/STRONGER
これもまんま。アイデアも清書もスムーズに進んだ。
スカイライダー/SKYRIDER
この後も出てくる「軌跡タイプ」のロゴの一つ。本家ガイアメモリの「EDGE」「UFO」「BEE」などから着想した類型になる。
両腰のスイッチをしっかり描くことを念頭に置いた。
スーパー1/SUPER-ONE
よく見ると5本中2本は赤心少林拳の構えになっている。
スーパー1の公式クレストがローマ数字の「Ⅴ」を表しているように見えたので、こちらのロゴはアラビア数字の「5」に見えるようにしている。
最初はストロンガーのような顔モチーフだったが、スーパー1といえばやはりファイブハンドだろうということでモチーフごと変更した。
ZX
ゼクロスといえば左右非対称のデザインなので、それをそのままZの形にアレンジ。一発で胴体モチーフだと分かるように、後から腰のベルトを描き足した。
BLACK
今回のシリーズにおいて、「B」のロゴは「90°横にした両目」で表現するのが頻出パターンになっていくのだが……ブラックはそこに一捻り加えて、変身中に一瞬だけ出現するバッタ男の顔をオーバーラップさせた。あいつの異形感が好きなので。
BLACK RX
超難しかった!! これ本当にやばかった……顔が縦長なので「90°横にした両目」方式が通用せず大苦戦。
一欠モチーフは一番最初の案だったが、どうしても良いバランスが出せなかったので一旦棄却し顔メインで模索することに。しかし何回トライしてもうまくいかなかったので、結局初期案に戻って決着。
字形としてはBだが、少しRXの「R」っぽくも見えるところが気に入っている。
シン/SHIN
シンの生物的なディテールはデザインとしてかなり情報量が多いので、その生々しさと躍動感を活かしつつガイアメモリっぽいシンプルなラインに収めるというバランスを探った。アイズメモリなどが参考になった。
ZO
アイデアが出るまでかなり時間がかかった一体。ライダー本人のデザインからどうしても「Z」を切り取れず、いろいろな資料を参照してたどり着いたのが「変身シーン」だった。
全ロゴのうちバイクが描かれているのはこれだけなので、かなり思い入れのある一体。
J
ZOとは対照的に、アイデアも清書も一瞬で完成した一体。Jから抜き出すとしたらやはりここしかないだろうという確信。
本家だとルナメモリなどで採用されている「ネガティブスペース(空白)で文字を表す」パターンはロゴとして結構好きなので、ここで取り入れた。
以上が昭和ライダー15人になる。全員かなり気合いが入っている。
昭和は全員が主役と言えるので、じきに作るつもりではあったものの変なプレッシャーを感じて最初は手を出していなかった。
その結果、クウガから時系列で始めたロゴ製作がゴーストに差し掛かったあたりで初めてラフに着手することに。1号とイニシャルが共通する1号(2016)を作成するため、その基礎となる1号を作る必要が生まれたのが弾みとなった。
続いてはクウガ〜龍騎編!
https://note.com/actct_zagi/n/n274c55c8d1fc
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