発酵と建物
味噌づくりの教室をしていると、よく聞かれることがあります。
「うちで味噌作ったんだけど、なんだか美味しくならないの。」
美味しくならないのには、いろんな理由が考えられます。
そのうちのひとつ、それは菌が足りないこと。
味噌の原料は大豆と米麹、お塩を混ぜてつくります。
味噌づくりの過程で、フォーカスされる菌は麹菌。
米麹づくりに欠かせず、もちろん味噌づくりにも欠かせません。
でも、美味しい味噌をつくるためには麹菌だけでは不十分。
ほかに、乳酸菌と酵母も必要なんです。
では、味噌屋さんはどのようにしてこの2つの菌を入れているのでしょう?
工業的に機械生産された味噌は別なのですが、「蔵付き」の菌を自然に入れているのです!
なんという偶然というか、自然に任せる方法なのでしょうか…とても感動です。
でも、今わたし達が住んでいる自宅にはそんな都合よく良質な乳酸菌や酵母はおりません、残念ながら。
古くから昔ながらの方法で味噌づくりをしている味噌屋さんは、歴代より受け継がれてきた蔵についた菌を大切に大切に育んでいるのです。
だから、自然に良質な菌が降ってきてくれるということなんですね。
これは、食べ物だけでなく、それをつくる場所から発酵していることが本当に大切。
発酵食品をつくる場所というのは、とっても特別なところなんです。
今となっては、そういった伝統製法は少なくなってきました。
もし、お近くに昔ながらの味噌屋さんや日本酒蔵があれば、行ってみてください。
きっと、その建物自体が発酵しているはずです。
発酵のこと、毎日更新中。コメントにてネタや知りたいことも随時受け付けています♪ わたし自身も学びながら書いていますので、みなさんも一緒に発酵のものしりになりましょう^^