クラウドソーシングで仕事をすっぽかされた話
ネットであれ、リアルであれ。
案件を通して技術を提供し、対価を得ようとするのであれば信頼関係は無くてはならないものだと思う。
なにせ、契約は契約なので安易にすっぽかせばその会社からは二度と仕事を受注することはできない。
噂が広まればすっぽかした企業周辺の仕事を受けることは難しいだろう。
私流クラウドソーシングの使い方
私はフリーランスでゲームやWEBで使う文章の制作を請け負っている。
で、私自身が発注者側として、たまにクラウドソーシングを利用することがある。
例えば、ゲームでキャラクターの設定兼フレーバーテキストを準備する仕事があれば、それの準備のための資料集めを代行で行うスタッフを探す。
実際に人様に見せる文章を用意する訳でもないので応募は結構集まるし、内容によっては時間がかかるものもアウトソーシングできる。
費用はかかっても効率よく仕事が進められるので重宝してる。
基本的に良心な人ばかりにあたってきたので、「その時」も問題ないだろうと思っていたところ、初めて音信不通になる応募者に出逢った。
一応、すっぽかし予防策として契約成立前に初稿提出時期を目安でもいいので相手に提示させるようにした。
人生初の音信不通プロジェクト
依頼した案件はWEB制作のwordpressのテンプレート改修案件。
クライアント側が絡まない自サイトの案件なので、そこでトライアルの意味を含めて募集をかけたのだった。
相性がよければ今後のサイト制作のパートナーになってもらえればハッピーだな、くらいの気持ちで。
何人かいる応募者の中から、値段ややり取りのメッセージを厳選しつつ、1人のWEBデザイナーと契約が成立し、無事に初稿提出時期の連絡も受け取る。
契約成立から初稿提出までの時期が少し空く旨が若干不安に感じたが、まぁトライアルのWEB制作だし上手くいったら多少スケジュールずれ込んだとしてもいいや、の気持ちで初稿提出時期についても了承した。
時間が経って、約束した初稿提出日を迎えた。
それまでは音信不通にならないように、頻度はごくわずかに控えてウザくならない程度にコミュニケーションは計るようにした。
しかし、約束の日を過ぎても初稿のデザインデータが届くことはなかった。
理解できない遅延理由
嫌な予感はしつつ、忙しかったんですかねと下手に出つつ様子を聞いてみる。
すると、案件が立て込んでいるから約束の日を3日経過した別日を再度指定してきた。
案件が立て込むのはそちらの理由だし、依頼主側に通用する理由とは言えない。
さらに、まず提出できなくなる前に事前に相談をするのがビジネスマナーでしょ。
と言いたいのをグッと押さえてわかりました。それでは、お待ちしてますね。とスケジュール遅延を了承する返信を行う。
二度目のスケジュール遅延→音信不通へ
その後、再提示した日を過ぎても初稿が相手から届くことはなかった。
相手のログイン情報を見ても直近3時間前にはログインしているし、仕事も受けているようだ。そこで相手の実績をみて少し嫌な予感がする。
契約成立ランキングの上位には何度か入るものの、現在進行中の案件が多すぎる。さらに、契約が途中終了したプロジェクトも多数。
「これは...」嫌な予感がしつつも、状況確認のメッセージを送る。
クラウドソーシングを運営する会社にも問い合わせメール送る。ここまで"だんまり"を決め込まれてしまっては、時すでに遅し。
これまで過ぎてしまった時間返せよ!と思う気持ちを押さえて契約途中終了のリクエストボタンを押した。
クラウドソーシングは自己責任?
クラウドソーシングは受注者側に対して甘い部分が多い気がする。
高品質なクラウドソーシングサイトは未だに見たことがないし、案件が途中でポシャった際に責任を持って完了まで遂行させるポリシーもない。
あくまでもクライアントと制作者を繋ぐ場所を提供して、それだけで手数料をかっさらうのはあんまりだと思う。
今回の件で、クレジットカードの決済は済んでいるし、且つ返金手続きを行なえば銀行口座に返金するには返金手数料が依頼主側に発生する。
いや、音信不通になった相手でプロジェクトぽしゃったのになんでクライアント側が泣き寝入りせざるを得んのだろうか。これは理解できない。
顔が見えないクラウドソーシングの怖さ
今回の件で、クラウドソーシングを利用するのはかなりハードルが上がったし、可能であれば使いたくないなというのが正直な感想。
信頼できる人にだけ案件を任せたいなと思った。
とはいえ、返金手続きや時間的な損失を泣き寝入りするのも腹立たしいので、少額訴訟でも起こしてやろうかと検討しているのであった。
(結果、手続きとかを調べている内に「あぁこれは時間の無駄だ、次いこう、次。」と切り替えられるようになったのは少し先の話である。)
中には、泣き寝入りする制作者も
一方で、逆のケースでも同じことが言えると思う。
案件を依頼するクライアントにも適当な人が多く、泣き寝入りする制作者の声も後を絶たない。
間にコーディネーターが経てば要件をきっちりヒアリングして適切な料金と信頼できる品質で、仕事のマッチングが成り立てばクラウドソーシングの価値は今よりもっと高くなると思う。
しかしながら実際そこまで高品質&サポートが充実しているクラウドソーシングサイトはないだろう。
まとめ
クラウドソーシングを依頼者としても制作者としても関係する人には、今一度「仕事」の意味を大事に考えて欲しい。
心から祈った1件だった。
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