"必要な仕事"とは
私の数年前からの日課は、ほぼ日手帳をつけることだ。
もちろん、飛ばしてしまう日もあるけれど「それもあなただ」と言ってくれるほぼ日手帳の寛容さに甘えて、もう何年も毎年新調している。
そして今年、とうとうほぼ日5年手帳に手を出した。これは絶対続けたい。
だって5年もあればいくらでも人は変わるし、子供が生まれたからの私の人生は結構変化の連続だった。
それを書き残したいし、5年分がまとまっているので読み返すきかっけにもなるだろうと思って楽しみにしている。それが書くモチベーションにもなっているかも。
ほぼ日手帳にはたくさんの素敵な特徴があるが、そのひとつが毎ページの右下にある「言葉」だろう。
いろんな著名人の著書やインタビュー、記事などから面白い言葉がピックアップされて掲載されている。5年後同じ言葉を見たら、違った感じ方をするだろうか、それも楽しみだ。
今日、3/3(あ、ひなまつり!)の言葉はさくらももこさんの著書からの言葉だった。
さくらももこさんは言わずと知れた「ちびまるこちゃん」や「コジコジ」の作者で、ウィットやらユーモアやら愛情やらの塊のような方。エッセイも声が出るほど面白くて、私の子供時代の愛読書だった。
そんなさくらももこさんの言葉。
「私の職業なんて、絶対に必要なものじゃないんですよ」
なんて謙虚なんだ。少なくとも今の私はさくらももこさんの作品に触れて、そのエッセンスが間違いなくわが身に染み込んでいる。
私からしたら、絶対に必要な仕事だ。
たしかに、漫画やエッセイは病院や学校、交通、通信などのインフラではないかもしれない。
読んだだけでお腹いっぱいになったりはしないかもしれない。
でも、面白い読み物が一切ない世の中ってどうだろう?
私は別に活字中毒ではないけれど、それでもやっぱりそれは寂しい。
もともと知らなかったらよかったのかもしれない。
でも、物を書く人は昔からいて、周りの人たちがそれを欲しいと求めたから「作家」が生まれたと思う。そして今も「作家」がいるのは、必要とされ続けてきたからではないだろうか?
人間は物語を読んだり、人の言葉を聞くことに魅了されたんだとおもう。
芸術家もそう。
美しい絵を、彫刻を、音楽を作る人がたまたま現れて、それを欲しいと思った人たちがいて、今も欲しいと思っている人がいる。だから芸術家は今も存在している。
本当に必要とされていない仕事だったら、たぶんいずれなくなっていくんだろう。そして仕事=誰かに必要とされているものを提供することだと考えると、無駄仕事なんてそうそうないのかもしれない。
桃の花が似合うこの季節。
さくらももこさんの話をしていたら、エッセイ読みたくなってきた。
ちょっと読み返してみようかしら。
acoco
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