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できる男の「マーケティング×恋愛心理」の考察【マイルストーン置いたぞ作戦】

私の周りには「できる男」「モテル男」「勘違いさせる男」がいる。
そこで実話に基づき、これまで培ったマーケティングの視点から考察してみた。
これを読めば、明日からあなたも『できる大人』にチャレンジしたくなる!


帰り道

加藤くん(26歳)が私の部署に配属になってから3か月。
新プロジェクトの準備で、怒涛の日々を送る。
時計は23:00を回り、会社には私と加藤くんだけ。

私「そろそろ上がろうか~」
会社から最寄の駅まで歩いて10分ほどの帰り道。

私「いつも遅くまでごめんね。本当に助かっているよぉ~。
 来月はもう少し早く帰れるようにしないと…ね(;^ω^)」
加藤「大丈夫です。前いた部署も忙しかったし慣れてます(笑)
っていうか、忙しいとか大変とかじゃなくて
今の仕事のほうが面白いし、結果出したいじゃないですか!
それに、あおいさんとの仕事、学べることも多いんで楽しいんですよ。
だから遠慮なしで大歓迎です!
あ、たまには飲みに連れてってくださいね(笑)」

この会話の中には、『人ったらし』…もとい
『できる大人』のマーケティング戦略が散りばめられていることに、お気づきだろうか。

【普通の加藤】
「大丈夫ですよ。前いた部署も忙しかったし慣れてます(笑)」
で話を終えていた場合
何も発展も感動もない、ごくごく普通の帰り道である。

【できる加藤】
相手への敬意と特別感の演出。
さらに加藤自身の目的が述べられており、マイルストーンまで置きやがった...。

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①「顧客の差別化」作戦
②「返報性の法則」
作戦
③「マイルストーン置いたぞ」
作戦
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①-1.「顧客の差別化」作戦

「今の仕事のほうが面白い」
➡「仕事が面白い」ではなく、「今の仕事のほうが」である。
比較対象を設けることで相手のポジショニングを明確にし、より効果の高い差別化が行われている。

例えば、彼氏にパスタを作ったとしよう。
「このパスタ好き♡」
も嬉しいが
「〇〇店のパスタより、こっちのほうが好き♡」
どぉ?愛が深まっちゃうよね。


①-2.「顧客の差別化」作戦:CX

「あおいさんとの仕事、学べることも多いんで楽しいんですよ。」

【普通の加藤】
「仕事、学べることも多いんで楽しいんですよ。」
これでは、やる気に満ち溢れてて嬉しいよ♪ で終わる。

【できる加藤】
「あおいさんとの仕事~」である。
加藤が感じているCX(顧客体験)向上の話をしているかのようにみえるが、実は私のCXが爆上がりなのだ。

CX(カスタマーエクスペリエンス)とは、「顧客体験」「顧客体験価値」のこと。
商品・サービスの物質的な価値(=仕事)に対して、
心が体験する心理的な価値、感覚的な価値(=仕事をとりまく環境すべて)がCXだといえる。

顧客の価値観が多様化、SNSによる顧客との接点が増える中、顧客に寄り添うCXに着目すれば、顧客のエンゲージメント(「愛着心」や「思い入れ」)をさらに深めることができる。


帰り道10分で、私は加藤へのエンゲージメントが深まった(笑)

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「返報性の法則」作戦

返報性の法則とは
相手から受けた好意などに対し「お返し」をしたいと感じる心理のこと。

よくスーパーマーケットで見かける商品試食や、試供品の無料提供などは、この返報性の法則が利用されている。
「ウィンナー買うつもりないんだけど、試食したから買ってあげないと」
ってね。

私は以前から、毎日遅くまで仕事をする加藤をねぎらいたいと思っていた。
仕事だから頑張るのは当たり前なのだが【返報性の法則:お返しがしたい】心理になっているのだ。


「いつもありがとう、何かお返ししたいな」は、ビジネスに限らず
家族や友人同士、いろいろな場面で誰もが経験しているよね。
マーケティングって日常だから面白い♪

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「マイルストーン置いたぞ」作戦

お互いにお酒が好きなので、労うためにも飲みに誘いたい。
しかし令和時代、上司が部下を飲みに誘うとパワハラ扱いになる事案も発生しているため、躊躇していた。

が、『できる男』は違った。

「あ、たまには飲みに連れてってくださいね(笑)」

「誘ってもOKだよ!」のきっかけを作ってくれた。
すばらしい気遣いじゃないか!

商品を購入しようか迷っている見込み顧客は、”きっかけ”を欲している。
背中を押してくれる”何か”があるとCVに結び付きやすくなるよね。
例えばクーポンがいい例でしょう。
顧客というのは、失敗したくないと思うもの。
CVさせたいなら、何かのせいにできる”きっかけ”や”言い訳”ができる環境を用意してあげよう。


誘おうか迷っている私は、”潜在顧客”でも”顕在顧客”でもなく”見込み客”。
『できる男』は、”見込み客”の背中を押すきっかけを用意した。
こうして月に2~3回は飲みに行くようになるのだが、
さて、加藤の目的は何だろうか。

顧客の差別化を行い、ユーザー心理(返報性の法則)を読み解き
次回アポイント(飲みに連れてってもらう)打診という、目的達成に向けたマイルストーンを置いた。

その加藤の目的とは

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タダ酒をいただくこと。



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