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回復期リハビリ病棟とリハビリテーションのシステム〜50歳脳卒中で絶賛入院中〜

2022年7月6日49歳の時に脳卒中で倒れ、1週間後めでたく50歳に。
倒れた日の顛末はこちら↓

「急性期病棟」と「回復期病棟」の違い

わたしは今絶賛入院中で「回復期リハビリ病棟」にいる。8月中旬に移動してきて、その前は「急性期病棟」にいた。急性期とは大きな病気や怪我が発症または発生して、症状が安定するまでの期間を言い、おおよそ2週間が目安とされている。

その後リハビリが必要な場合は回復期機能(リハビリ病棟)のある病院への転院が必要なのだが、幸いわたしがいる病院には回復期リハビリテーション病棟があったので、転院ではなく移動で済んだ。

ところがこの回復期病棟が常に満床でいつもウェイティング状態な上、他院からも受け入れているためなかなか入れない(結構大きな大学病院でも併設されていないことが多い)。だいたい急性期とちがい、回復期の患者は入院が長期に渡ることも多くベッドが空かないのだ。

7月6日に倒れ入院したのに、回復期病棟に移動できたのが8月15日。約1ヶ月半も急性期病棟にいた。

急性期病棟から回復期病棟へ

急性期病棟にいた時は、同じ病室の人たちは次々退院していくので(諸事情により循環器病棟にいた)、1ヶ月半もいると病棟内でも古株になりつつあり早く回復期病棟に移動したかった。

しかし今考えればそれでよかったのかもしれない。リハビリには期限があり、急性期病棟にいる時間はカウントされない。急性期でもリハビリは平日毎日行われていたし、まだまだ病状が安定しない日もあったので用意された時間とメニューを消化できない日もあった。

回復期病棟では土日祝日もリハビリがあり、疲れやすさは残っていたもののようやく体調も安定してメニューをこなせるようになっていた。

リハビリには3種類ある

リハビリと言われて一般的にイメージするのは、整形外科的なリハビリテーションじゃないだろうか。歩けない人が歩けるようになるための足のリハビリのようなものを想像する人が多いと思う。わたしも入院するまでは、そうだった。

実際は「理学療法(PT)」「作業療法(OT)」「言語療法(ST)」の3種類ある。PTは体を動かすための基本的な機能訓練。OTは日常生活を送るための応用動作の訓練。STは言葉や聴力、嚥下に関する訓練と分けられている。それぞれに専門の療法士(セラピスト)がいて、訓練を行う。

病院内ではわかりやすくするために脚のリハビリ、手(生活)のリハビリ、言葉のリハビリと言われているが、そもそもアプローチや手段、目的が違う。

リハビリを受けられる時間は「1日最大3時間」

回復期リハビリテーション病棟で1日に受けられるリハビリは最大3時間。
20分1単位で最大9単位までを必要な療法に充てることになっている。これも後遺症の重症度には関係ない。

脳血管疾患の場合、後遺症が人によって全く違うので、PT、OT、ST全部受ける人もいれば、組み合わせは人それぞれ。わたしは最初の頃は3つとも受けていたが、言語療法(ST)はとりあえず卒業となり今は「理学療法(PT)」「作業療法(OT)」だけ受けている。

リハビリには期限があるという現実

リハビリには疾病に応じた期限がある。わたしの場合「脳血管疾患」の「重症脳血管障害」で180日間。いろいろな疾患がある中、入院期間としては最長の期間を与えられている。

ただ問題はこの期間というのが、後遺症の大きさは関係ないということだ。重症度によって長くなったり短くなったりするわけではない。なので2ヶ月くらいで退院していき後は通院でという人もいれば、期限ギリギリまで粘っても全然足りない人もいる。

脳血管疾患は損傷した場所、出血量などによって後遺症が全く異なるが、期限が来たら退院を余儀なくされ、もう基本的に同じ病院で(通所リハビリも含め)保険適用のリハビリは受けられない。

退院後の受け皿はどこに

わたしはあと1ヶ月と少しで退院期限を迎えるのだが、今の感じだと退院後も週に最低1〜2回程度のリハビリを受けた方がいい。その場合通所リハビリが可能な施設を探すことになる。しかし距離的に通所可能で、保険が適応になる施設はとても少ない。整形外科のリハビリ施設はたくさんあるが、脳血管疾患のリハビリを扱っているところはほとんどない。

保険適用ではなく自費リハビリという選択肢もあるが高額なので、できれば保険が効くところに通いたい。短期でどうにかなるものでもなく長期で通うことになるだろうから。

年齢的な壁もある。介護保険は一応制度として使えるが、ほとんどが高齢者を想定しているもので、また社会に戻らないといけない働き盛りの世代にはマッチしていない。さほど行動範囲が広くない高齢者と、バリバリ外に出て働いている人とではリハビリのゴールが全く違う。

2月10日に向けて2022年大晦日に思うこと

期限は2023年2月10日。そして今日は大晦日。もちろん今日もリハビリがあったし、元旦の明日もある。(リハビリの先生たちには心から感謝してます!)
退院後のことも主治医の先生方と話し合って決めないといけないのだが、今はひとまず1ミリでもよくなることだ。

2022年は思いがけず大変な年になったけど、それでもいつかこの経験が糧になる時がくるだろう。「起きていることは全て正しい」わたしの好きな言葉。
 一見不運に見える出来事でも捉え方次第。起きてしっまった事実は泣いても笑っても変わらないのならば、なんでわたしがこんな目に…と嘆くよりも、この先をどう生きるかに力を注いだ方がいい。

あの日完全に麻痺してピクリとも動かなかった手脚が、今はこんなに動いてるじゃないか。あと5時間ほどで2022年が終わるが、残り約40日間。絶対にもっとよくなるしよくすると心に誓い、年を越そうと思う。

みなさま良いお年を!

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