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「CHEESE」という名称②(本研究会開催の意図③)

前々回と前回の記述で、
「発達障害」が溢れていることについて

①本当に溢れているなら、「発達障害」ではなくて
 「社会」を直す(治す)べきだ
②「発達障害」といわれている多くのケースが
 「生育」という視点が抜けており、実はほとんどが
 「愛着障害」である(と考えた方がいい)。
そんな主張をしました。

そして二つ目においては、
その人の「人生」をしたいという想いを
この研究会の名称に込めている。
そんなことも書きました。

そして、今回は、この研究会の名称に込めた
「子どもとの関わり方」をどうすべきと私が考えているか
というもうひとつの意味について書きたいと思います。

このCHEESEという名称は、
Child Evolution by Essence of Support and Encourage
「支えることと勇気づけることによる子どもの進化」
という言葉の略称でもあります。

この研究会の趣旨にご理解頂き、ご参加頂く方々には、
これから書くような視点を是非もって頂きたい、
こんな視点をもって「子どもたち」と関わって頂きたい
そう考えています。

地球史における生命の最先端としての「子ども」

いきなりですが、
宇宙が誕生したのは138億年前で、
地球誕生したのが46億年前だそうです。
40億年前に地球に生命が生まれ、
細胞のレベルだった生命が海から陸に進出して、現在に至るまで、
多くの種が絶滅する「大絶滅」が5回繰り返されたそうです。

その度に、急変した環境適応に失敗した種が絶滅して、
成功した種が環境に合わせた変化、つまり
「進化」をしながら繁栄をしてきた。
そしてその度に、生態系の頂点にたつ種がいました。
現在は間違いなく「人類」の時代です。

この46億年の地球の歴史の最先端が「今」であり、
生命の頂点にいるのが「人類」であると言えます。

そして、その「人類」の「最も新しい生命」である
「子ども」というグループが
「地球史上最先端の進化を遂げている種」です。

一世代分「原始人」なのが我々「大人」

「人類」の「遺伝子」は太古の時代から
ほぼ変化していない。
そんな話も聞いたことはありますが、
それでも、我々現代人は、原始人よりも
はるかに多くのことができるようになっています。

空を飛ぶこともどの動物よりも速く移動することもできます。
テレパシーもできるのが我々です。
「道具」によってそれが可能になります。

人類の「進化」は「テクノロジー」として
体の外に出されています。
「進化の外在化」と言えるでしょう。
そしてテクノロジーの進歩はすさまじい速度です。

今や「不可能」を「可能」にするどころか、
「想像すらしなかったこと」もできるようになっています。
GAFAはその象徴です。

現在の「子ども」たちは、
何ができる「種」となるのでしょうか。

年長の方々は不快な思いもするかもしれませんが、
世代が上なほど、原始人に近いということです。

さあ、その「子ども」という存在を
どう位置付けるべきでしょうか。
どう「育んで」いくべきでしょうか。

「支え」、「勇気づける」ための未来予想

地球史上最も最先端の「進化」を遂げている生命が
「子ども」であるとすれば、
我々「大人」は、彼らよりもわずかばかりでも
「原始人的」であるならば、

我々大人のできることは大きく2つしかないと考えています。
一つは、未来予想をすること。

子どもたちが生きていく時代は「未来」で
「現在」でも、まして「昔」でもありません。
時代で「価値観」は大きく異なります。

当たり前のように感じられますが、現実は違います。
我々も、かつて子どもだった時代には
当時の大人の価値観の中で育ってきました。
そして我々も現在の価値観で子どもを育てています。

「子どもたち」が生きる「未来」の価値観が
どんなものかは誰にも分かりません。
それでも「今の価値観とは違う」とは確実に言えます。
「未来予想」が必要な理由はここにあります。
そういう意味で初めて、「現在」や「過去」が重要になります。

「原始人」としての「誠意」~支え、勇気づけること~

我々大人が「子どもたち」にできることの
未来予想に続く2つ目は、我々なりの「誠意を示すこと」です。

世代間差は、外在化された「進化」の差ですので、
「種」として遅れている我々大人が
「子ども」たちに「誠意」として示すことができるのは、
衣食住を保障することを当然として除けば、
2つに集約されると私は考えています。

それが「支えること」と「勇気づけること」です。
これは、「母性」と「父性」を置き換えた言葉です。
さらに言えば、「ヒト」の「成体」の「雌雄」の役割です。

母親が専業主婦であるべきだという
古い家族観の押しつけではありません。
外の世界を知るために必要な「勇気づける」大人と
外の世界から戻って安らうための「支える」大人が
「子どもたち」にとって何よりも必要だという主張です。

巣に帰って安らう時に必要なのが「母性」で
巣から出て餌の取り方を教えるのが「父性」です。

「冒険しようぜ!」と誘う「父」的な役割。
「お疲れ様。」と迎え入れる「母」的な役割。
少し原始的な我々「大人」でも誠意をもって取り組めることです。

おわりに

「未来予測」は当たりません。
「誠意」を示すというのに、
高度な知識や技術、専門的な道具はいりません。

それでも…
最善をつくすことや、
それらを考え続けること。

それは、
「未来」そのものである「子ども」に向き合う
「大人」として必須のことだと考えています。

目の前の「子ども」一人ひとりを
「未来」あるいは「希望」そのものと位置づけ、
「誠意」をもって育んでいく。

それは我々大人の使命であり、
地球史的な使命でもあります。
地球史の最先端から次の最先端をつくるための
使命、すなわち「生命」の「使い方」です。

日々学び続けること
日々考え続けること
日々行動を起こすこと。
それを広げていくこと
それを深めていくこと
それを高めていくこと。

そのためにこの
「子どもとの関わり方」研究会CHEESEを
ご活用頂ければ幸いです。

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